Une vie / Guy de Maupassant
女の一生(114)
Une vie (114)
————————【114】———————————
De grands oiseaux qui ne criaient point
fuyaient dans l'air comme des taches,
comme des ombres; des bourdonnements
d'insectes invisibles effleuraient l'oreille;
des courses muettes traversaient l'herbe
pleine de rosée ou le sable des chemins
déserts.
—————————(訳)—————————————
全然鳴かなかった大きな鳥たちが大空へと飛び立
った.空にしみと影が出来たようになった.目に見
えない小さな虫のぶんぶんいう音が耳をかすめて飛
び交っていた.無言で露一杯の草原を渡り、あるい
は人のいない砂道を走り回るものの気配が感じられ
た.
————————⦅語句⦆—————————————
tache:(f) しみ、汚れ、
bourdonnement:[ブルドーヌマン](m) ぶんぶんいう音、
うなり、ざわめき、
insecte:[アンセクト](m) 昆虫、(pl で)昆虫類、
invisible:[アンヴィズィーブル](形) 目に見えない.
effleuraient:[エフルレ](直半過/3複) < effleurer (他)
effleurer:(他) 軽く触れる、かすめる
oreille:[オレイユ](f) 耳
course:(f) 走ること;
des courses:(複数による擬人化) 走り回る者たち、
兎か何か、正体不明の獣とも取れるが、風だ
と考えるのも自然な解釈だろう.何かわから
ないのでdes courses としてあるようです.
訳本を見ると
❶けはい:杉 捷夫訳、新庄嘉章訳、
❷もの :宮原 信訳、
❸ものの気配:斎藤昌三訳
先生方の訳に従って「ものの気配」としまし
た.
muet, muette:(形) ❶口の利けない、
❷無言の、黙り込んだ
traversaient:(直半過/3複) < traverser (他)
traverser:(他) 横切る、通過する;
traverser la rue / 道路を横断する
herbe:(f) 草
pleine de ~:~で一杯の
rosée:(f) 露
sable:(m) 砂
chemin:(m) 道
désert, e:[デゼール, デゼルト](形) 人気(ひとけ)のない、
無人の、寂しい
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