滋賀県蒲生郡日野町にある日野駅は、米原駅から貴生川駅までを結んでいる全線単線の近江鉄道本線(47.7km)の駅として、1900(明治33)年10月1日に開業しました。
中線を挟んで千鳥式に配置された相対式ホーム2面3線を有していて、列車交換可能な有人駅(平日7:30~9:00及び15:45~19:35、土日祝7:30~11:45)です。
1916(大正5)年に改築された古い木造駅舎が下りホーム(貴生川方面行きホーム)側にあり、上りホームへは遮断機の付いた構内踏切で連絡しています。
2018(平成30)年度の1日の平均乗降人員は853人で、これは近江鉄道本線の全25駅中5位です。
かつて近江鉄道本線の中でも輸送量の少なかった八日市駅~貴生川駅間に、1986(昭和61)年4月1日から1996(平成8)年9月30日までレールバス(LE10形)が運行されていましたが、それにあわせて当駅にレールバスの車庫と給油・給水施設が設けられていました。
日野駅が属する近江鉄道本線は、東海道本線や草津線のルートから外れた近江盆地の穀倉地帯を縦断する鉄道として、北陸から関西鉄道(現在の草津線)へ伊勢参詣への短絡路も兼ねて建設されました。 しかし、昭和40年代に入るとモータリゼーションが進み、鉄道の利用客は減少し始め、さらに昭和50年代後半になると国鉄側の貨物輸送の拠点間輸送化の影響を受けて近江鉄道の貨物輸送の縮減が進み、1984(昭和59)年9月にキリンビールの輸送、1986(昭和61)年3月にセメント原石の輸送、1988(昭和63)年3月に日本石油の輸送が廃止されて貨物輸送が全廃となりました。 ちなみに、2013(平成25)年3月16日からは、米原駅~高宮駅に多賀線多賀大社前駅間に「彦根・多賀大社線」(ラインカラー: 赤)、高宮駅~八日市駅間に「湖東近江路線」(ラインカラー: 青)、八日市駅~貴生川駅間に「水口・蒲生野線」(ラインカラー: 黄)の愛称が付けられました。
<日野駅の年表>
・1900(明治33)年10月1日:近江鉄道本線の終着駅として開業
・1900(明治33)年12月28日:当駅~貴生川駅間の開通に伴い、途中駅となる
・1916(大正5)年 :待避線を設置する工事に伴い、駅舎を改築
・1965(昭和40)年 :上りホームに待合室が設置される
・1972(昭和47)年10月 :貨物取扱い廃止
・2013(平成25)年3月16日:「水口・蒲生野線」の愛称を使用開始
・2017(平成29)年8月1日:駅舎再生工事のうち、駅事務室部分の使用開始
・2017(平成29)年10月1日:観光案内交流施設「なないろ」が完成
・2019(平成31)年2月28日:上りホームに新しい待合室が完成
・2019(令和元)年9月15日:駅構内終日全面禁煙化
(駅 名 標)
(米原方面を望む)
(駅舎・ホーム側)
(日野駅駅舎)
(駅 舎 内)