著者:吉田 修一
出版社: 新潮社 (2003/9/26)
ドラマになったので良い話なんだろうなぁと思いつつ
いまだ手を出していませんでした。
もちろんドラマも観ていないのですが・・・
基本的に、私の好みとして
小説を読んでいて風景が思い浮かぶ作りがかなり好きです。
それは、へんにモデルルームや雑誌に出てくるようなオシャレな暮らしをしている話だったり
登場人物の感情の動きが、まるでドラマみたい(?)に現実離れした面白いくらい思い通りの展開だったり
そんな話を読んでいるときは、風景が全然浮かんできません。
多分、風景なんてどうでも良くなるくらい流し読みしてしまうんでしょう。。
この本は、タイトルを見ただけで風景をモチーフに書かれている話とわかります。
なので、全然面白くなかったら最悪だ・・・と思い、なかなか読もうとしなかったのですが・・・
やっぱり著者の作品はいい・・・!
東京湾の風景もまた、話によく合う。
(私の活動拠点も近いところにあるので、尚更よく思えるのかもしれませんが・・)
話の始まりは出会い系で知り合った女性と会うところから。
だからといって必要以上に出会い系サイトがどうとかこうとかいうことは書かれていない。
その後の二人の考え方や恋愛感、そういうものの変化が現れるときにちょっと顔を出すような程度。
基本は、恋愛に対して期待しなかったり、なんとなく真剣に向かい合うことをしなくなったりした男女が
恋愛をする勇気が出たり必死に相手を求める気持ちをまた思い出したりする過程を
東京湾周辺の風景に乗せて描かれている。
あんなに愛してたのに、それでも終わる。人は飽きる。終わらないものってあるのか?
愛だの恋だの、馬鹿みたいだと思ってたのに、その愛だの恋だのに出会えた自分が嬉しくて・・・でも怖くて
終わるのが嫌だから始まらないようにしてたんでしょう?始まるのが怖くて目をつぶったまま抱き合ってただけ。
こういう葛藤、大人になってからの恋愛ではよく感じる。
最終地点が見えているのに、見ないようにしたり、見えていないように思い込もうとしたり
でもきっと、本当だったらそんな恋愛は予想通り、終わりがやってきてしまう。
終わりが見えた時点で、二人の関係はグズグズになってしまうもの。
わかってはいるんだけどね・・・と思う私には、この小説のラストはちょっと嬉しい。
最後の主人公二人の会話は、思わずニヤけるくらい可愛いです。
出版社: 新潮社 (2003/9/26)
ドラマになったので良い話なんだろうなぁと思いつつ
いまだ手を出していませんでした。
もちろんドラマも観ていないのですが・・・
基本的に、私の好みとして
小説を読んでいて風景が思い浮かぶ作りがかなり好きです。
それは、へんにモデルルームや雑誌に出てくるようなオシャレな暮らしをしている話だったり
登場人物の感情の動きが、まるでドラマみたい(?)に現実離れした面白いくらい思い通りの展開だったり
そんな話を読んでいるときは、風景が全然浮かんできません。
多分、風景なんてどうでも良くなるくらい流し読みしてしまうんでしょう。。
この本は、タイトルを見ただけで風景をモチーフに書かれている話とわかります。
なので、全然面白くなかったら最悪だ・・・と思い、なかなか読もうとしなかったのですが・・・
やっぱり著者の作品はいい・・・!
東京湾の風景もまた、話によく合う。
(私の活動拠点も近いところにあるので、尚更よく思えるのかもしれませんが・・)
話の始まりは出会い系で知り合った女性と会うところから。
だからといって必要以上に出会い系サイトがどうとかこうとかいうことは書かれていない。
その後の二人の考え方や恋愛感、そういうものの変化が現れるときにちょっと顔を出すような程度。
基本は、恋愛に対して期待しなかったり、なんとなく真剣に向かい合うことをしなくなったりした男女が
恋愛をする勇気が出たり必死に相手を求める気持ちをまた思い出したりする過程を
東京湾周辺の風景に乗せて描かれている。
あんなに愛してたのに、それでも終わる。人は飽きる。終わらないものってあるのか?
愛だの恋だの、馬鹿みたいだと思ってたのに、その愛だの恋だのに出会えた自分が嬉しくて・・・でも怖くて
終わるのが嫌だから始まらないようにしてたんでしょう?始まるのが怖くて目をつぶったまま抱き合ってただけ。
こういう葛藤、大人になってからの恋愛ではよく感じる。
最終地点が見えているのに、見ないようにしたり、見えていないように思い込もうとしたり
でもきっと、本当だったらそんな恋愛は予想通り、終わりがやってきてしまう。
終わりが見えた時点で、二人の関係はグズグズになってしまうもの。
わかってはいるんだけどね・・・と思う私には、この小説のラストはちょっと嬉しい。
最後の主人公二人の会話は、思わずニヤけるくらい可愛いです。