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気紛れ書評

かなり偏りがありますが、それでもよろしければ・・・

レンタルお姉さん

2006-12-11 23:27:31 | 男性著者
著者:荒川 龍
出版社:東洋経済新報社 (2006/05)


面白い名前の仕事があるもんだ。

ニートを外へ引き出す支援をする団体の
ニートと直接対話する女性を「レンタルお姉さん」と呼ぶそうだ。
もちろん「レンタルお兄さん」もいる。


実際、手にしたときは

仰々しく社会問題を語って脅しておきながら
ニートとの触れ合いを美化して
むしろニートそのものも美化しちゃって
お姉さんたちはボランティアボランティアした精神にあふれて
私たちはすばらしい活動をしているんだ!!
・・・自己満足
最後にはニートの問題なんてどうでも良くなっちゃったり。。。

みたいな、よくあるガッカリな本なのでは?と思ったが
とりあえず目次を読んでみて、大丈夫そうな雰囲気だったので中身を読んだ。

お姉さんたちはクライアントの友達になってあげるわけではない。
親になるのでもなく先生になるのでもない。
ただのボランティアごっこでもないし、自己満足でもない。
「第三者のお姉さん」の仕事をして対価をもらう、プロだ。

そのプロとしての仕事ぶりと現実のニートの様子が
大げさに描かれる訳でもなく、著者の思想をぶつけるわけでもなく
事実をそのまま記録している感じだ。
クライアントが部屋から出て、共同生活を始める決意をするまでのことが書かれているが
その後ちゃんと社会復帰できるのか?というところは、ちょっと読み手としては気になる。
でも、実際お姉さんの仕事は引き出すまでが仕事。
なのでその先のことまでは追っていない。
そのあたりも、レンタルお姉さんに視点を絞っている姿勢がみえるところで好感が持てる。


文章的には少し読み難いところもあって、私としては不快な部分もあったが
小説ではないし、内容はいいと思うので
ヨシとしたい。


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