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気紛れ書評

かなり偏りがありますが、それでもよろしければ・・・

色っぽいキモノ

2007-01-08 19:21:56 | 女性著者
著者:井嶋ナギ
出版社: 河出書房新社 (2006/10/17)


着物好きじゃなくても
オンナであり乙女である女性には
手にして欲しいと思う本です。

着物の魅力的な着こなしを
文献や美人画、映画の中から引用して解説してあります。
中には現代では残っていない着こなしもありますし
キチンと着物を着たいという人には
あまり参考にならないかもしれませんが
それとは別と考えて読んでいただきたい。

いつの時代でも女性は
オシャレをしたいと一生懸命で
いじらしくて乙女の心を持っていて
たくましくてかわいらしいものだ・・・

日本文化や近世あたりの文化
花柳界や着物に興味があるので
私にとっては眺めてるだけでも楽しい本ですが
内容も深すぎず誰でも読めるものとなっていますので
引用が多少あっても怯まず読んでみるといいと思います。

挿絵も雰囲気とマッチしていて素敵です。

美人画報ワンダー

2006-11-19 21:02:44 | 女性著者
著者:安野 モヨコ
出版社:講談社 (2003/11)


シリーズ最終巻だそうで、前2巻とも読んでいた私は
かなり期待して読み始めました。


・・・
著者の考え方とか好きなので、書かれてある事はいいんだけど
今までの2巻よりも、美に対する姿勢やライフスタイルなどの話が中心で
商品や美容法やが少なかったのが残念。
私としては美容の未知のネタは何かないかな~と探すために読む本だったからイマイチでした。


構成上、今までの「まとめ」的な感じにしたほうがいいってことなのかもしれないけど。

あなたと読む恋の歌百首

2006-10-02 23:26:59 | 女性著者
著者:俵万智
出版社: 朝日新聞社 (1997/07)

著者の短歌の大ファンで
歌集は随分読んでいます。

ただ、著者が訳したものや解釈本にはあまり興味が無く
今回の本も、書店をフラフラしていた時
著者の短歌が読みたい気分だったけれど、たまたまその場に
未読の本が無かったから、たまにはこういうのもいいかなぁと思って
手にした本です。

この百首(性格には百一首。著者の一首もウレシイおまけでついています)
やっぱりこの選者ならこういう百首になると思えるものばかり。
難しい技法や難しい言葉ではなく
ストレートに今の私に響く言葉で構成された歌が多いです。
素材も身近に感じるものが多く
他の誰かエライ人にとっておきの恋の歌を100首選んでくださいって言ったら
「安っぽいし、ありきたりな簡単な歌じゃない」とはじかれるような歌も選ばれています。
(実際、全く安っぽくなんか無いんですけどね)
だけどその 「すとん」と心に入ってくる表現が
大人の小難しさに逃げようとしていた私を、逃がさないように捕まえる。
まるで、目を逸らすんじゃありません!と言わんばかりに。

こういう風な感覚は、著者の歌集を読むといつも感じることであるが
こんな風に感じるようになったのもこの頃で
もっと若い頃はこんな風にちょっとした後ろめたさを伴ったりせず
ストレートに自分の感情を投影できていた。
こんな読み方をできるのが嬉しくもあり、悲しくもあり・・・


短歌は好きですが、この本に挙げられている100人を全て知っているわけではなかったので
この人、こんな歌を詠むんだ・・・とか
これから歌集を選ぶにあたっての、見出しのような役割にもなるのでは。
かなり幅が広がった気がします。

一首ごとの著者の解説も、もちろん著者なりの解説ですから
好き嫌いはあるかもしれませんが
著者の様々な恋愛エピソードも盛り込みながらで
思わず自分に投影して、にやけたり切なくなったりしてしまいます。
逆に、恋の様々な段階を、選ばれた歌を通して解説されているような。
さすが恋愛ミーハー(文庫本のあとがきに、野田秀樹氏がこう表現していました)

最後の一首に、著者の歌が出てくるわけですが
その一首もガツンと私や私の隣に居る人に一発食らわせます。
その一首の収められている歌集についてはまた別に場所を設けます。



かんたん!勝負ごはん

2006-10-02 16:49:16 | 女性著者
著者:小栗左多里
出版社: ヴィレッジブックス (2006/09)


『母に習えばウマウマごはん』のほうはまだ読んでいませんが
お母さん世代の人が作るにしては
ちょっとオシャレな感じに見えます。
(写真の撮り方、コーディネート等にもよるんでしょうけれど)

どれもちゃちゃっと作れそうで、見栄えが華やかな
まさに簡単勝負ご飯。

レシピ本のつもりで買ったのですが
途中にはさまれてある解説やマンガもほぼちょうどいい分量。
(ホントはもう少しレシピを多くしてくれると、もっと早く買ったんだけど)
マンガばっかりだったらレシピ本としては失格ですが
彼女の作品のダーリンシリーズ(?)以外のもの同様
ただ読んでても楽しく、活用もちゃんとできる本でした。
母に習えば・・・のほうも読んでみる気になります。
トニーが料理しているのも珍しくて面白い。


余談ですが
彼女の漫画自体は1冊も読んだこと無いのですが
ダーリンシリーズは好きで
文化・捉え方・考え方の相違点や共通点をを楽しく読んでいました。
こういう漫画なら大人が読んでもおもしろいよね~と思いながら。

でも、『こんな私も修行したい!精神道入門』を出版されたとき
「えーー!!もしかして宗教本??」と思い
著者への関心が少々薄れました。
別に宗教を布教するような中身じゃないので、私の勘違いでしたが・・・

向田邦子の手料理

2006-09-10 20:49:01 | 女性著者
監修・料理制作:向田和子
出版社: 講談社 (1989/05)

料理本です。

「私は向田邦子さんのファンです」
というのも恥ずかしいくらい、彼女の作品が好きです。
シナリオを読むのは、内容云々ではなく
読みものとして読むことがちょっと根気が要るので(私は)
小説の形式になっているものを好んで読んでいます。
(シナリオを元に、他の作家さんが小説に書き直したものは
なんとなく、一度も読んでいません)
エッセイも、普段はあまり読みませんが向田邦子さんの書かれたものは別。
自分でもおかしいと思うくらいの「好きっぷり」
今回は料理本ですので文章については語りませんが
今後、また今までの作品を読み返す時には、感想を書きたいと思います。


食べるのも作るのも大好きだったということはよく知られています。
この本には料理のレシピだけでなく
向田邦子さんに関わる方々の彼女と料理とのエピソードも書かれており
彼女の人柄や拘り・嗜好など、たくさん垣間見れます。

彼女の作品の中には食事や台所の場面や食べ物にまつわる話しがよく登場します。
料理の紹介とともに、それらの一節が引用されていますので
作品を思い出しながら、この料理をこんな感じで出して・・・など一人で想像してしまいます。

料理本としても完成されたものですが
向田邦子さんを愛する方々の読み物としても充分満足できるもので
さすがは30万部以上も売れたものだ、と納得。

しかしそれだけに、やはり彼女が居ない事が
彼女の新しい作品をもう見ることはできないのだということが残念でならない思いが
改めて胸にこみ上げてきます。
最後の、和子さんの言葉がグッときます。

実際、私は活躍されていた頃をリアルに生きていない世代
彼女の名前を一番最初に聞いた記憶は無くなったときのニュースでした。
仕方の無い頃ですが、同じ世代に生きていたかったなぁと思います。

好きな作家の新しい作品が生み出されるときに生きているって
気付かなかったけれど幸せなことだなぁと思います。
他にも好きな作家で亡くなってしまった方がたくさんいますが
同じように感じます。

作家への想いをちょっと語りすぎましたが、ホントに好きな方なのでお許し下さい。


同じ味は再現できないでしょうけれど
彼女の食卓や「ままや」に出されていた料理を
しばらく楽しみたいと思います。。。