気紛れ書評

かなり偏りがありますが、それでもよろしければ・・・

調子のいい女

2006-11-18 11:46:18 | 小説(国内)
著者:宇佐美 游
出版社:新潮社 (2000/06)


表紙からして「調子いい」様子です。

女性はちょっと調子がいいくらいが可愛げがあっていいと思ってますが
たまにホントに腹が立つほど調子のいい人に出会うことがあります。

ここに描かれる女性は二人。

元銀座のホステスで男性を騙してもらったお金で留学した女性。
不倫の清算にかこつけて援助してもらい、整形と留学を果たした女性。

どっちも調子がいいように見えるけど
片方は調子のよさを最後まで貫き通せず、なぜかいつも自分が悪者に。
もう片方は人の好意をいただくだけいただいて、当たり前だと思ってる。

二人とも極端な例だけれど
完璧に調子のいい女ともいえない感じ。
多分腹が立つのは当たり前に人の好意をいただく方。
でもその女性だって馬鹿を見ることはいっぱいあって、それに自分で気付くことも無い。
あきれるけど、ちょっとかわいそう。

いい思いはしたいけれど
決して二人の様にはなりたくない。
調子のよさだけで成り立ってる人なんていないだろうけどね。


「あ~もう馬鹿なんだから・・・」
という心のつぶやきがいっぱい出てきました。
調子のよさに対してでもあり、人の良さに対してであり。

重くもないし、畳み掛けるような悲惨さもないので
安心して軽く読めます。

とことん調子のいい女を見たいなら違う本を探した方がいいかな。


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