気紛れ書評

かなり偏りがありますが、それでもよろしければ・・・

空中ブランコ

2006-11-01 21:02:30 | 小説(国内)
著者:奥田 英朗
出版社: 文藝春秋 (2004/4/24)


前出のインザプールのシリーズモノと知りつつ
サーカス小屋のキラキラした装丁に惹かれてつい手に取ってしまった。
短編で軽く読めるものを探していたのも理由の一つ。

前回のパイロットフィッシュのモヤモヤ感を一掃したかったのもある。。。


大きな期待はしていなかったのだけれど(失礼な話だが)
主人公伊良部と患者がインザプールよりもっと魅力的に描かれている気がした。
伊良部ってもっと違和感のある人物だったような・・・
もしかしたら私が変な医者に慣れてしまったのかもしれない。

今回も様々な問題を抱えた患者が伊良部によって回復していくのだが
インザプールのときは患者の抱える問題が現代特有の問題のような色が強い気がして
少々説教くさかった。
今回はもっと単純に、一緒に問題を探って一緒に伊良部に翻弄されて
一緒に問題を解決していく、という過程を楽しめるようになっている気がする。


だからといって、二度三度と繰り返してこの作品を読むかといわれたら、NO!
あくまで前回同様、娯楽作品というカテゴリーに属させます。
娯楽作品は私が息抜きしたいときにちゃんと息抜きさせてくれるものじゃないとダメ。
中途半端な娯楽じゃダメなんです。
だから空中ブランコはインザプールよりちょっと上位にランク。


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