須磨観光ハウス~花月と猫の物語

1937年(昭和12年)に神戸市迎賓館として誕生した須磨観光ハウス「花月」と猫ちゃんたちを応援するブログです。

花月のお料理(39)~松風ランチコース(2)・カンパチの千段巻

2020-11-14 22:40:47 | 花月のお料理
ところで、ランチ「松風」、特別ランチ花御膳と並ぶ、花月自慢のランチメニューです。
点心には八寸と同じ料理も多数ありますので、これで3,500円(税別)はとてもお得です。
内容は、小鉢・お造り・お椀・点心盛合せ(十種~十五種)・変わり御飯・香の物・デザート、このバリエーションらしいです。



本日のお椀、上蓋は波に漂う千鳥。百人一首からあまりにも有名な歌を思い出します。

「淡路(あはぢ)島 かよふ千鳥の 鳴く声に  
いく夜寝覚めぬ 須磨の関守(せきもり) 」



本日の小鉢は胡麻豆腐でした。お造りのお魚はいつも通りのシャキッとした歯ごたえ、いつもながらここのお造りは絶品です。



本日の注目は「カンパチの千段巻」。

千段巻とは、古来の武具の取っ手などを「籐 (とう) や麻苧 (あさお) ですきまなく巻き、漆で塗り固めたもの」らしいですが、日本料理では大根やキュウリ等の野菜の桂剥きをもう一度締め直す、元の形に巻き直す手法をいうようです。
巻きなおす際には芯に美味しい食材が使われることが多いみたいですね。

本日の千段巻、カンパチの白身を煮つけた大根の桂剥きで巻いた一品です
大根の色は薄くてきれいですが、既にたっぷり出汁が染みています。
一見、風呂ふき大根のようですが、口の中では二つの食材がコラボ、大根はおでんのようにとろけます。淡白なカンパチにも味が染みて二倍楽しめました。



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花月のお料理(38)~松風ランチコース(1)

2020-11-14 21:33:16 | 花月のお料理
「花月」は須磨古典文学ゆかりのレストランですので、離宮公園歴史散歩で紹介した「月見の松」、須磨に流されていた在原行平ここで!再登場です。

松風・村雨姉妹は多井畑の村長の娘たちで、本来の名は「もしほ」と「こふじ」。須磨海岸に汐汲みに出たところ行平にみそめられ「松風」「村雨」と名づけられて愛されました。
当時、須磨は隅っこの地、人が住むような場所ではなく、奥地の多井畑から海岸まではわずかに「汐汲みの道」があったようです。



 行平の帰京後、その旧居に庵を結び、彼を偲んだという松風・村雨堂も離宮道のはずれに存在します。

在原行平は行平鍋として名を残していますがここ須磨で塩を鍋で作ったので「行平鍋」、そのできた塩が雪のようだったので「雪平鍋」ともいうようです。こじつけですが料理に関係した方ですね。



弟の在原業平のほうが「伊勢物語」のプレイボーイとして有名ですが、二人の父、阿保親王は芦屋を所領地にした ので、在原行平・業平は布引の滝には来ていたのでは?と歴史の先生のコメントです。

行平・業平は光源氏の有力なモデル、「花月」ゆかりの兄弟なんですね。
(続きます)



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