
円盤投げ(ディスコボロス)
後2世紀(原作:前450ー前440年頃)大理石 高さ169cm
幅 105cm、奥行63cm
古代ギリシャでは、運動競技は男性市民の早期教育
に欠かせないものでした。四大神域のひとつオリンピ
アで四年に一度開催された競技祭には全ギリシャから
選手と観客が集まり、オリンピアは古代オリンピツク
発祥の地となりました。
円盤を投げる直前の運動選手ー若々しく、かつ、鍛え
られた肉体像ーは、まさにギリシャ人が理想とした身
体像を表現しているといえましょう。
この彫像は紀元前五世紀半ばにギリシャの彫刻家
ミュロンが作ったブロンズ像を手本に制作された、
ローマ時代(後2世紀)のコピーである。
場所 神戸市立博物館
会期 3.12~6.12
会期末近くに行ったので混んでいました。説明文
が作品の近くと人の頭を越えた所と2ヶ所に掲示
されていました。混雑緩和のため工夫されていま
した。

スフィングス像(おそらくテーブルの脚部)
ギリシャ神話に出てくるスフィンクスは、女性
の頭とライオンの体、鷲の翼を組み合わせた
神聖獣。エジプトのスフィンクスと違って、ギリ
シャのスフィンクスは翼を持っている。墓の番人
として頻繁に墓標に表現された。

後期スペドス型女性像
(前2600~前2400、大理石 高さ48.5cm、幅12.2cm
奥行 7cm)
スベドスは、ナクソス島のある墓地に因んだ名称。
多くが墓の中から出土していることから、死者の冥府
(メイフ)への旅立ちの付き添いとして製作された。

アフロデイア(ヴィーナス)像
(ローマ時代ー原作:前4世紀
高さ107cm、幅33cm、奥行35cm)
アフロデイテは美と愛欲の女神で、オリエントの
豊穣多産の神であつたと考えられている。
本像は、紀元前360年頃、彫刻家プラクシテレス
が作った彫刻をもとに数多く生み出されたコピー
の一つ。アフロデイテ像が祀られたクニドスの
神殿は、旅行者を惹きつける人気の場所で、沐浴
(モクヨク)のために裸となった女神の姿を見る者
はあたかもアフロデイテの不意を衝き、覗き見する
ような感覚に陥ってしまうとされた。

耳飾り(前300年 縦む6cm)
耳飾の円盤部分と円錐部分には女性像が挟まれて
おり、左右にはイユンクス(欲望をかき立てるという恋
のお守り)持ったエロスが吊り下がっていました。
感想
美術、文学、哲学、スポーツなど様々な文化が
花開いた古代ギリシャ。本展では、日本初公開
となるギリシャ黄金時代の傑作『円盤投げ(ディ
スコボロス)』をはじめ大英博物館が世界に誇る
ギリシャ・ローマコレクションから厳選された彫像
、レリーフ、壷絵など135点を紹介していました。
そのすべてが、人間の『身体』を表現したもので
した。
ただただ感動の連続でした。