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hamachanのブログへようこそ

一期一会を大切に色んな人とブログを通して交流できたらと思っています。

大沢在昌作≪黒の狩人≫上・下読みました。Gooブログを引っ越ししました。

2012-01-27 15:17:02 | 読書小説

 

2月2日下記の通りブログをマンネリ打破のため引っ越ししました。

2007年ブログを続けてきましたが、マンネリ打破のため引っ越ししました。こんなに長く続けられたのは皆様のお蔭です。本当に有難うございました。これからもよろしくお願いします。

http://blog.livedoor.jp/hamachan_2012

 

大沢在昌作≪黒の狩人≫読みました。

冒頭に主要登場人物の一覧表が掲示されるという珍しい構成でした。
読み始めて一覧表がないと誰が誰だか解らなくなりました。

主役は佐江ー警視庁新宿署組織犯罪対策課警部補
宋忠民=毛ー捜査補助員として試験採用され、佐江と組んで捜査にあたる。
野瀬由紀=雪花ー外務省アジア太洋州局中国課職員
亮光=胡志明|ー中国国家安全部工作員 野瀬由紀との情報交換
水森ー警視庁公安部外事2課 野瀬由紀と深い関係を持つ。バラバラ死体として
発見されたが、.後に生きていることが判明する。二重スパイか。

中国人が被害者となる殺人事件、しかもバラバラ遺体。被害者はIT企業の
エリートSE。中華料理店の主人となんの接点もない。共通点は脇の下に残された
≪五岳聖山≫の入れ墨。中国の有名な山。

佐江、毛、由紀の3人は事件の真相に迫る。
新宿の日本人ヤクザ、日本の警察、公安、中国国家安全部、外務省、中国
から密輸してヤクザに流している中国人マヒィアなど入り混じって・・・

著者 大沢在昌
   1956年名古屋生まれ、慶応大学法学部中退
   1979年≪感傷の街角≫で第1回小説推理新人賞でデビュー
   1986年≪深夜曲馬団≫で日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞
   1991年≪新宿鮫≫で第12回吉川英治文学新人賞と第44回日本推理
       作家協会賞長編部門
   1994年≪新宿鮫無間人形≫で第110回直木賞など受賞 2008年9月幻冬社
      から発行。
 
本作品は2007年1月から2008年3月日刊ゲンダイに連載されたもの。

感想 警部補佐江の行動に冷や冷やしながら怖いもの知らず、毛の通訳や
元中国の軍隊所属の経験を活かせて信頼感をお互いにもつという不思議な
関係。毛にも助けられて終盤に毛が倒れたときに助けるという正義感が光
っていました。上巻、下巻と一気に読むことができました。


小説 『さまよう刃』 東野圭吾著 読みました

2012-01-03 15:35:05 | 読書小説


 東野圭吾 プロフィール
 1958年 大阪市生まれ
 1985年 『放課後』 第31回江戸川乱歩賞
 1999年 『秘密』 第52回日本推理作家協会賞
 
主な作品
 『白夜行』、『片思い』 『トキオ』 『レイクサイト』
 『ゲームの名は誘拐』 『手紙』 『殺人の門』ほか

『さまよう刃』は、2004.12.30朝日新聞の発行
週間朝日に2003.9.19~04.9.17号に連載された。

概要
会社員・長峰重樹の一人娘・絵摩が死体で発見
された。母親が10歳の時に亡くしてから男手で
育てた。万が一のため娘に携帯を持たせた。
数日後、悲しみに暮れる長峰に密告の連絡が
入る。言われたアパートに向かう。部屋を物色
すると、複数のビデオテープが見つかる。
そこに娘が犯人2人に陵辱されている映像が
映っていた。偶然帰宅した犯人の一人・カツヤ
を惨殺した長峰は、もう一人のカイジの居場所
を聞き追うことに。
少年犯罪被害者の悲痛の叫び、正義とは一体
何なのか、誰が犯人を裁くのか。
思いもよらない結末が待ち受けていた。

感想
少年犯罪について、隔離して一定期間経過して
元に戻って来る。再び法を犯す。これを繰り返す。
長峰は、相手に会って一度は謝ってほしい気持ち
もあったが、ビデオを見てから惨殺することになり
その気持ちは味方したくなる。

2009年10月映画化されて、モントリオール世界
映画祭に出品されたが、受賞せず。
DVDも2010年に発売されたが、こんな映画は
見たくないと思いました。小説だけで十分。


『警官の血』 上・下巻 佐々木譲 著

2011-12-09 14:54:10 | 読書小説


著者 佐々木譲 プロフィール
1.1950年北海道生まれ 自動車メーカー勤務
  を経て
2. 1979年『鉄騎兵跳んだ』 オール讀物新人賞
3. 1990年『エトロフ発緊急電』
  日本推理作家協会賞、山本周五郎賞、日本
  冒険小説協会大賞 トリプル受賞
4. 歴史小説も手がけ
  2002年『武揚伝』新田次郎賞 『ベルリン飛行
  指令』 『天下城』、『制服捜査』、『笑う警官』
  など著書多数

神戸市立西図書館の『人気のある本』の中から
選びました。

上巻
  安城清二は警察官、下谷警察署天王寺駐在
所勤務。昭和32年7月天王寺五重の塔が、駐在
所の近くから出火して責任を感じて川に身を投げ
て自殺。職場・現場放棄ということで殉職とはな
らなかつた。

父の死の事実を知りたくて長男民雄は、警察官を
志願した。

民雄は公安部に所属して北大に入学してロシア語
の習得を命じられる。ソ連対策要員として専門教育
を受けるためと母親に伝える。
実際は過激派(赤軍派)への潜入捜査官となって
いた。
学園紛争のさなかの時期で全共闘系の学生で
校舎が閉鎖されていた。公安部へ民雄は密告
していた。
大菩薩嶺武装蜂起革命訓練に参加して民雄の
密告で全員逮捕された。
その後、民雄は、『不安神経症』にかかる。妻へ
暴力もしばしば振るうことに。

下巻  
その後、民雄は配置換えになり、天王寺駐在所
勤務につく。不忍池で発見されたオカマの殺人
事件、谷中墓地で死んだ鉄道員殺人事件の
二つの事件を父は追っていたということが、判
って来た。近所の家に女の子を人質にして指
名手配の男が拳銃を所持しているという。
民雄は、ここで殉職する。

民雄の長男が、警察官になり配属先が警視庁
刑事部捜査四課 業務の内容はある問題のあ
る警官をスパイすること。『何故こんな任務に選
ばれたのかの理由?』 『血だ。君にはいい警察
官の血が流れている。こんなイレギュラーな勤務
に耐えられる。』
  和也も祖父の死亡について疑問を持ち、・・・・

二代目、三代目の警察官には、警視庁の組織の
中で周囲からある種の敬意が払われるようだ。
父親の子供の教育を間違えなかったことの証明。

感想
最初は初代の安城清二の交番の仕事について
近辺の揉め事、尋ね人、盗難など身近な業務で
、長編小説に出来上がっているので、この先どう
なるか・・
早々と自殺、現場・職場放棄として警察葬にも
なし・・
二代目安城民雄は、赤軍派のスパイ、PTSD発症
殉職、三代目安城和也は、暴力団対策、祖父の死
についてとっくに時効になつているが、真相究明。
・・・
なかなか面白い内容でした。いつきに読めました。
テレビで見る警察ものと全く異質のものでした。

神戸ルミナリエ

2011.12.1ー12.12
ルミナリエは、平成7年1月の阪神・淡路大震災の
犠牲者への鎮魂の意を込めて、神戸の街復興・
再生への夢と希望託してこの年の12月に開催
されて今年で17回目を迎える。

元会社の経理部出身のOBの忘年会に初めて
出席6人が集まりました。旅行の会ー経友会ー
のこと、皆どうしているとか、これからこの会の
メンバーを増やしていこうと一致。
時間が早かったので、ルミナリエを見に行きま
した。午後9時に一瞬に消灯は初めてでした。











映画『雁の寺』の原作読みました

2011-09-28 15:42:04 | 読書小説


新神戸オリエンタル劇場の名画鑑賞会で『雁の
寺』を観ました。原作:水上勉、監督:川島雄三
脚本:川島雄三、舟橋和郎の共同で脚色。
主演 若尾文子

あらすじ
京都・洛北の衣笠山の麓、禅寺『孤峯庵』は、京都
画壇の重鎮岸本南獄の雁の襖絵で名高く、雁の寺
とも呼ばれている。ここが舞台である。

南獄の妾、里子(若尾文子)が南獄の死後、遺言に
より『孤峯庵』の住職慈海(三島雅夫)の世話を受け
ることに。ある夜、狂おしげにいどみかかる慈海と
の情事に耽溺していた里子は、障子に人影の走る
のを見た。小坊主の慈念(高見国一)に覗かれている
と知った里子は愕然とする。映画は、あからさまに
情事を見せず観客にそれらしく想像させるだけ。



堀之内慈念は、若狭の貧しい寺大工の倅として生
まれ、母親が誰か解らず常に誰かと疑念をもつて
いる。宗門の中学校へ通い、毎日厳しい修行に
勤めている。授業に教練が加わったため、体が
小さく疲れが残り、一度朝、寝過ごして朝のお勤め
もできず、慈海に厳しく怒鳴られることに。
腕にロープを括られて朝5時ごろ慈海がそのロープ
を引いて起こすことになつた。中学校に行っていない
事が教師の訪問で判明して退学することに。

事件発生の経過


1.住職慈海が夜遅く帰つて来て門に入る場面
2.翌日、慈海が不在ということが判明。里子は碁仇
 の源光寺の雪州に走らせたが、慈海は来ていな
 かつたと。
3.慈念から和尚が雲水に出たと里子に告げる。
4.檀家の久間平吉から兄が亡くなったので明日葬式
 をしてほしいと依頼があつた。源光寺の雪州は慈海
 がどこかへ行つたのか不審に思うが、葬式は引き
 受けることに。
5.お通夜も本堂でしてほしいと久間から依頼がある。
6.夜中に何か釘を打っているような音が聞こえる。
7.葬式が終わってから墓へ土葬のため棺おけを親戚
 の人達が担いで墓地へ向かう。親戚の人は、こんな
 に重たかったのか不審に思う人もいた。
8.埋葬も終わって親戚筋の人がお寺に帰ってきた。
 慈念が葬式の後始末をしていて竹などを燃やして
 いた。

源光寺の雪州は本山に慈海の失踪について報告して
暫く様子をみることになつた。警察にも届けず。

里子や慈念は慈海がいない寺をでることになる。
『和尚のいるところへ旅します』という慈念の言葉に
里子はハッとなって方丈にかけ入つた。
南獄の描いた子雁に餌を与える母雁の襖絵が、無
残にも剥ぎ取られいた。里子はおぼろげながら、慈念
が・・・・。


感想 疑問?
完全犯罪?直接殺人の場面もありませんし、どのよう
に殺されたのか疑問で映画では襖絵の雁が飛び立つ
場面があっただけで、これがどんな意味を持つている
のか、映画を見終わって疑問に思いました。

そこで水上勉の原作を読みたいと思って図書館で
『新訂・雁の寺(全)』を借りて読みました。昭和50年9月
に第一刷。文芸春秋発行。
第1部 雁の寺
第2部 雁の村
第3部 雁の森
第4部 雁の死
4部からなつていました。映画は『第1部 雁の寺』から
脚色されていました。この作品で水上勉は直木賞を受
賞した。原作を読んで疑問に思っていたことが解決しまし
た。中々の想像させる脚本には驚きでした。
慈念は『孤峯庵』で起こったことをずつと背負って
生きていくことになる。




山崎豊子作『運命の人』読みました

2011-08-21 18:58:22 | 読書小説


 福島原発事故から節電が叫ばれています。
昨年以上に暑い夏を過ごす方法として西神
中央駅に近い神戸市立西図書館で長編小
説を選んで読んでみようと思い立ちました。
『お勧めの本』の本棚に山崎豊子作『運命の
人』四巻を見つけました。

西図書館ではテーブルに椅子が6台付きの3テ
ーブルと本立ての端にベンチが置かれていて
この数も増設されたようですが、空がなくて
待っていることが多かった。人の考えることは
同じだと思いました。

山崎豊子原作(2009年)の映画『沈まぬ太陽』を
見てから原作を読んだことがあり、山崎さんの
小説を書かれる際の取材力には大変感銘を受
けました。

今回の『運命の人』は、『文芸春秋』2005年11月
号から2009年2月号まで西山事件をモデルとして
連載された。2009年『運命の人』は
毎日出版文化
賞特別賞受賞。
『運命の人』はいまだに映像化されていません。


主人公の毎朝新聞の政治部キャップ弓成亮太ー
映画沈まぬ太陽の渡辺謙をイメージしてしまうー
昭和46年大詰を迎えた沖縄返還交渉の取材中、
ある密約が結ばれようとしていることにきずく。
外務省安西審議官の秘書・三木昭子と情を通じ
て極秘電文を受け取る。この書類が野党の国会
議員にわたって質問したら大問題になって行く。
秘書の三木昭子と弓成が起訴されることに。
国民の知る権利と国益を守るー各新聞社の裁判
での論陣は迫力があった。しかし、結果最高裁で
有罪。
弓成の家族の崩壊、父親の事業を引き継ぐが、
失敗に終わり、舞台は沖縄へ・・・
沖縄の現実を知り、再びノートとペンを手にした
弓成のもとにあの密約を立証する公文書が発見
というニュースが飛び込む・・・
17年の別居中の妻由里子が、亮太の体調を崩し
たという家主の知らせで沖縄にやって来た。
周囲から離婚を勧められていたが、じっと耐えて
きた・・・ホットしました。

3巻まで最高裁の確定までのストーリーが、4巻
になって、弓成亮太を沖縄に住まわせ、沖縄の
現実を取材した結果を是非触れておきたいとの
作家の思いが伝わったてきました。



       美ヶ原




 


新聞小説を読み始めました

2011-02-09 15:25:56 | 読書小説

サラリーマンになった頃、通勤電車の中で
日経新聞朝刊の小説を読んでいました。
強く印象に残っているのは、渡辺淳一郎
『化身』でした。映画にもなり見に行ったこと
がありました。朝から鼻の下を伸ばしていた
ように記憶しています。それ以後は、全く関心
がなかったです。マラソンなどやっていてアウト
ドア派に変心したからかも。

今年1月から新聞小説を読み始めました。
一つは、毎日新聞の朝刊の小説です。

ロートレックのマルセル



1月1日から高橋のぶ子さんの小説『マルセル』
です。1968年12月27日~京都国立近代
美術館
での『ロートレック展』最終日に『マルセル』盗難
事件は発生した。ロートレックが女性のけだるい
横顔を描いた『マルセル』は、展示された絵の中
で最も人気が高かったという。
事件は7年後に時効を迎えたが、数日後、この絵
は意外なところで無事に見つかった。
名画の盗難という話題性、時効に合わせたかの
ような絵の発見。謎の多い事件として戦後史に
刻まれている。
高木さんは、10年ほど前、この事件にまつわる話
を聞く機会があったという。いつかは小説の題材
にしょうと、アイデアを暖め続けてきた。
『私自身も絵が好きでよく美術館巡りをします。この
事件では、盗まれた絵が無事に返ってきた。金銭
目当てでなく、人間の愛憎や内面的な何かが、裏に
あると感じました』語っておられます。


もう一つは、日経新聞朝刊の安部龍太郎さんの
小説『等伯』です。1月21日から始まりました。
安部氏は1955年福岡市生まれ。2005年『天馬、翔る
』で中山義秀文学賞受賞。『信長燃ゆ』も本誌夕刊
を執筆した。歴史小説の第一人者。

今回の連載は、安土桃山時代から江戸初期にかけて
活躍した絵師・長谷川等伯が主人公。戦国の世にあ
って『天下一の絵師になる』という夢を抱き画業に打ち
込んだ等伯の生涯を歴史的事件を背景に描きます。


平成22年4月に京都国立博物館で開催されていた
長谷川等伯、没後400年特別展覧会を見に行きました。
この等伯の生涯が小説として描かれるとのことで期待
して読んで行きたいと思いました。


谷崎潤一郎の長編小説【細雪】を読んで

2010-06-11 15:27:22 | 読書小説

 口絵 小磯良平


昨年の豊中グリーンクラブのハイキングで阪急
御影駅から住吉川沿いに六甲アイランドまで歩
いた時に東灘区住吉東町にある【倚松庵】(イシ
ョウアン)に寄りました。
ここは、谷崎潤一郎の木造の旧居である。
今年、芦屋市内の震災モニュメント巡りで阪急
芦屋川駅の北側に【細雪】という大きな石碑が
あり、阪神大風水害のことが刻まれていました。
【細雪】を一度読んでみようと思いました。


映画化もこれまで3度されていて、日本映画史
を代表するトップ女優が出演して話題となつた。
1983年市川崑監督、岸恵子、佐久間良子、吉永
小百合、古手川裕子


テレビドラマ化は5度されていた。舞台化も196
6年に初演されて上演回数も1000回を超えると
のこと。


全編の会話が大阪弁で書かれた異色の作品で
ある。
谷崎自身は東京出身である。読んでいても親密
感がありました。


あらすじ
 大阪船場で古い暖簾を誇る蒔岡家の四人姉妹
鶴子、幸子、雪子、妙子の繰り広げる物語。
二女幸子は、谷崎夫人の松子のこと。
三女雪子の見合いから始る。雪子は美人である
がなぜか縁遠く三十路に入っても嫁げず、姉の
幸子夫婦が奔走している。一方、四女妙子ーこい
さんー終始恋愛事件を起こして姉達をてこずらせ
ている。
本家の鶴子は婿養子をとり、この婿養子と雪子と
妙子はうまくいかないので、分家の二女幸子の
芦屋の家に寄宿している。幸子も婿養子をとつて
いる。
阪神大風水害の場面は凄いの一言。こいさんの
妙子が本山村野寄の洋裁学校へ通学していた。
水が出たらかえって面白いわと冗談を言つて出て
行った。辛うじて助かるまで冷や冷やさせる。・・・


雪子の見合いも何度も設定されるが、中々纏ら
ない。見合いには二女の幸子も同行するが、仲
介者から、地味な格好でくるように、雪子ちゃん
を引き立てならんよつてと。【孔雀が羽根を広げた
ような方がいらつしやると、お嬢さんの印象が薄
い】と言われ欠席してほしいという場面もありまし
た。見合い場所にオリエンタルホテルが再々でて
くる。



上、中、下巻の全巻の中に、挿画があるのは
珍しい。
月刊誌【中央公論】に掲載された時の挿画が
使われたのではと推察される。挿画:田村孝
之介【そうかて、近頃の袋帯は皆その地質の
もんばかりやないか。その地質で、それが袋
になってるよつてになおのことキュウキュウ云
うねんが】と雪子。
【わかつた、中姉ちゃん、分かったわ】と妙子。
妙子はまた別な帯を引っ張りだした。


こんな姉妹のやりとりは、大阪弁として懐か
しい。


概略
1.第二次世界大戦中の1942年に月間誌【中央
公論】で【細雪】の執筆を始めるが、1943年に
軍部から【内容が戦時にそぐあない】として掲
載を止められる。
その後、1948年(昭和23年)に完成させる。
2.【細雪】は評価され、谷崎は毎日出版文化
賞など受賞。
作家三島由紀夫をはじめ多くの文芸随想等
で取上げられて高く評価され、近代文学の代
表作に挙げられている。
3.阪神大風水害
1938年(昭和13年7月3日)から5日にかけて神戸
市および阪神地区で発生した水害。芦屋川、住
吉川、石屋川など急峻な山地から一気に海へと
流れる川が多いため、各河川流域で決壊、浸水
、更に土石流などの土砂災害が相次いだ。交通
網、通信網の寸断され、都市機能が麻痺した。
死者 616名、家屋の倒壊・流失3623戸
(Wikipedia)





【倚松庵】(イショウアン)の見学ー武庫川女子
大学教授たつみ都志さんによる解説が月1回
ある。
映画【細雪】の鑑賞は六甲アイランドにあるフ
アション美術館で見に行く予定です。


映画を先に観てから原作を読んだり、今回は、
逆に本を読んでから映画を見に行くことにな
りました。


 




 


ホームレス中学生(ベストセーラー)

2007-11-11 16:16:45 | 読書小説

吉本の漫才師、麒麟の田村宏の【ホームレス中学生】を読みました。3年生の1学期が終わって帰宅すると、父親が、兄、姉、僕に【解散】と宣言して出で行ってしまった。3人でこれからどうして暮らしていくか、話し合ったが、僕は一緒について行きたかったが、言われなくて一人ぼっちの生活が始まった。苦闘する僕の体験を綴つた実話である。
千里の公園を探して雨の掛からない寝る場所を見つける事から始まった。コンクリート製のすべり台を見つけた。草を食べたり、鳩に餌をやるためにやって来た叔父さんが投げるパンのみみを鳩と競争して取り合ったり、自動販売機の下で落ちているお金をひらって、生活の足しにしたり、時々、兄が勤めているコンビ二で食べる物を買ってもらったりして、暮らしていた。仲の良い友達に出会って家に行って遊んだ。事情を話したら暫くここでいたらと言って貰った。友達の両親や近所の人の世話で民生委員を通じてアパートに入居できるようになり、3兄弟一緒に生活出きるようになった。高校にも進学できて、漫才の相方、川島とも出合った。

今どきこんな父親がいるのか、呆れるばかり、しかし、健気にも良くぞ生きながらえたと思いました。80万部のベストセーラー、100万部を越えると言われています。映画化もあるとか。
田村が生活していた公園を訪ねる人が増えているとか聞きました。
このへんてこりんな滑台が、神戸の新開地商店街のど真ん中にもありました。
この本を読んでいて思い出しました。【誰も知らない】平成16年カンヌ国際映画祭で10代の柳楽優弥さんが男優賞をとって話題になった。3人の子供を見捨てて置きだりに母親からの送金を止められて
ここから子供達は【誰もしらない】生活が始るーーー是枝裕和監督作品