これはもう、つぶしてしまった方が、いいかね?
大したものが書ける気もしないしね。
大したものを書く必要が?
ほら、可能性を、ほかの、今あるもの以外の可能性を示すことが、
芸術とか、哲学とか。まあ大抵の創作物の、意味?だろうからさ。
つまりまあ、わしがここでできることって、
防災無線のスピーカーを、よくぞこんなところに、な感じで2、3本立ててみるか、
気まぐれに始まる点字ブロックを、ほうぼうに埋めて回るか。そんなところ。
べつにどこともつながってなくてもいいんだけども、
誰かの代弁者になるつもりはまったくないんだけれど、
広い意味で、無意識に、無関心に刃を立てる、網の一部になれればと。
なんのために?呼ぶのは不安ばかりなのに。もしくは別の信仰。
義務感、だな。ささやかな。
より誠実にいたいわけ。なぜなら、
後ろめたくないから。
唯一安心できる場が、破壊し尽くしたあとの静寂
だなんて、すこし悲しくて、ステキ。
そういう匂いからは、遠ざかるのが本能なんだろうに。
不吉なものは避け、わからないまま時に道具として、あくまで手段として使う。
自ら主役を降り、神を戴かぬ神官となったのは、はたして罪悪感?
それとも諦念。それでもまだ停止しないのは、植え付けられたプライドのせい?
どっち向きにせよ、より解っている者でいたい、いなければならない脅迫感。
乞食の王、闇運ぶ使者。
あんまりそういう人って、いないなあ。
一番近いのは、 自暴自棄な犯罪者とか?
典型的な悪役も、世界征服とか、ずいぶんと明るい計画にいそしんでおるしのう。
世界への復讐、とかだと、仲間が、利害が一致して集う力が、足りないのか。
破壊も志向だからなあ。割と強烈な。
勝手に停止して消滅していく、真に誠実な者どもには、担えないんだろう。