のぞき穴のむこう

後援:博愛主義ネクロフィリア協会(嘘)

もーおいーいかい?

2009-08-24 23:39:53 | Weblog
 
逃げ込める場所としての、仮想空間。

を、作ろうとしては、いろんなコトモノにかまけて、うやむやにしてみたり。

ひとつには、不安。出られなくなることへの。

そしてより単純であろう、崩壊への、恐怖。

神話のほころびを予感しながらも、笑顔で次のページをめくれるものだろうか?

白紙かもしれない




その時の気分など、すんなりトレースできて便利かもしれないと、
そんなイイワケ準備してとつとつと書き連ねるのだけれども、
他人はどうかという問題設定が無意味にしても、読み返すことあるのか?自分。




ムリヤリだ!


わあ、びっくりした。


無理矢理にでも、続きを書くのだ!


なんの?


えーと、どれかの。


どれ?


あるじゃん。ちょっぴりだけ書いて、そのままの。
下の下とか。その下とか。


「下」とか言うと、妙なリアリティがあるなあ。


ヘンなとこに感心してないでさ。
そうだ、こないだゴミ箱探してたじゃんか。あれは?


そうだっけ?


あたしが覚えてて、おぬしが知らんわけあるまい。
お城にいて魔法使いなやつとか、恋愛ものだっていって学校なやつとか?
そうだ、女の子と男の子がいてお化け出てくるのもあったじゃない。
あ、二階に天使?が住んでるやつとか。「ごはんをどうぞ」とか。


よく覚えてるなあ。


さあ、どれ?


どれ、と言われても。


なんでそうかなぁ。その時は、書いてるじゃない。わりとノリ気で。


その時は、そんな気分になったんだよ。たまたま。


今は?


そんな気分じゃない。


もうっ。







薄いカードのキロ単価

2009-08-15 01:14:24 | Weblog

この休みも、じき終わるね。あとふつか。

2000字くらいで打ち込めなくなるのは、どうかと思うよ?
他で書いてコピーしてくればいいんだろうけど、
構えないで・思いつくまま垂れ流せるってのが、ここの唯一よい所であって、
それだからこそ、考え込まないでいられる
うずくまらないで無邪気に痕跡を残せる、ってもんだ。
それも運が悪けりゃ誰もがつまづくような、可能性ある形で。

なにがなんだかいうなれば、下の話にゃつづきがあって、
バイセクシャルな大男とか、白人なのに黒い人とか、警戒範囲がやたら狭い能面女とか、
色々出てきては無責任に絡んできて、カーチェイスしたり、芸人学校に潜入したり、貧民窟でのたうったりしたあげく、
下界を見下ろすビジネス街のオフィースで、西洋人エリートたち相手に息詰まるプレゼンを繰り広げ、緊迫したやり取りの後、みごと契約を交わすという、
手元のメモを写しただけだとちっともなんだかわからないストーリーなのだ。なのである。

でももう忘れた。再現不能。夢なんてそんなもんだ。

ちなみに、きのうは昭和30年代を舞台にしたジャパニーズホラー仕立てで、
今日は超高層ビルに巨大エレベーターを備えた近未来学園ものでしたよ?

場面場面が飛び飛びで、そぐわないものが次々無遠慮に顔を出したりするので、
これらをいっぱしの読み物にするには、多大な労力を要するわけで。
そんな老後の暇つぶしじみたアテのない作業を淡々とこなすには、
それなりの見返りの見込みというものが必要なのである。そんなもにゃこれぽちもにゃい。嗚呼報われぬジンセイ。

こりゃもう失敗だなってうすうす、否、はっきりわかっちまったようなアレコレは、
当然身が入らずに投げやりなお座なり仕事になるわけで、
なおなおざりにならざらざれば、さらにさらさらざらにあらざれ、とまれかくまれまれにはまれど、ともかくとかくかくあらざりざり?

つまりな、困ってるんですわ。
どうすりゃいいんだ。わしは。

見回せど、周囲はあんまり参考にはならんのですわ。
皆、自然とそうなったって言うしな。
そんなわきゃないことくりゃあ、わしだってわからんではないのではあるが、
吾かて‘自然とこうなった’んであって、
そのままずうっとそのままなヒトも、いっぱいいっぱあい知っとるのであって。
省みるに、仰ぎ見るに、どうこじつけようが、つけまいが、やる気は――出んわな。
正直なところ、早く終わんないかな、って毎分思ってる。
なのによく耐えてると思うよ。誰も褒めようもないけど。

じつにつまんないもんに生まれたとさ。
それも含めて、我が世界。これこそ吾。ミクロ>マクロなこのコスモス。さよならそしてこんにちは。


やりきれないときは、不毛な積み上げ作業に没頭するに限ります。
おかげで変な暴走をまたシテシマイ、今部屋中にウエハースチョコのおまけカードが散乱・・・はしてないな。むしろ整理されファイリングされ入手未入手がリストアップされて、精緻かつ膨大なデータベースと化そうとさえしておりますな。
はたと気づいて色を失う、消えた費用と時間の量。
残るはただ背負うためだけの荷物。
共有できない価値は、価値足りえない。
だから旅にも出られないんじゃないのさ。
どうすんだ?これ。


薄目あけて泳ぐ夜昼の隙間 (夢の記録 8月12日・朝)

2009-08-13 11:48:42 | Weblog
ちがうの。蝶子のチョウは、ちょうつがいのチョウなの。

すてきな名前ね。そう言われる前に、すばやく答える癖がついた幼少期。
多くのおとなはケゲンな顔して、へえ、そうなんだー。なんて、あいまいな不安を残していったものだが、ただ一人、へらっと笑って、

おなじじゃん。

と、即答した人がいた。
ふいをつかれて見上げていると、お兄さんは困ったように、

ああ、でも違うか。ほら、ひらひらしてるだけのムシと違って、
ふたつをつないで、・・・動かすし。ね。

なぜかずっと、ふたりをつないで、とリフレインしていたが、
実際はそんな素敵なものではなく、つまんない扉の間にあって、開いたり・閉じたりしているだけだ。あれは。機械的に、自分の意思に関係なく、毎日毎日。ふと自分の名前を思い出して、飛び立とうなんて気まぐれ起こしても、羽はしっかり、ネジ止めされてる。

はずなのに。

ドライバー片手に、うなり声。私のお気に入りの食器棚は、その作り付けの扉にとまった二匹の蝶は、あくまで夢を追求するつもりらしい。

接着剤でも買ってこないとだめか。

小ぶりだが、やっぱり冷たい金属製。形もイカツイ四角だし、水に落とせば沈むだろう。
羽から二本つきだした、このネジだけ外したところで、どうなるものでもない。

もう、あきらめなさい。

そんな声が聞こえてくる。
ため息一つ。やっぱり、そうかもね。
いつの間にか、主客が逆転している。



28歳。女性。会社員。
それでもやはり自尊心と、揶揄の源になっている学歴。
友達は多かったが、吟味の結果、なぜか異性ばかりで、
ほんとうにいい友人達だったため、ここにきて徐々に疎遠になった。
忙しいのは、イイワケだ。男女の友情なるもの、ハタシテ成立するや否や。
やはり順番はこうなってしまう。28歳、女性、会社員。

チョウコはさーあ、真面目すぎんだよ、なー?

年齢不詳。たぶん女性。働いているようには、見えない。
鮮やかすぎるグリーンのグラスをかかえて、うれしそうに氷をつついてる。ごてごてした飾りの多い服は、見ようによっては浮浪者風だ。つい辺りを目配せしてしまう。
大学でよく見かけて、話せばいやに事情通で、てっきり先輩なのかと思って便りにしていたら、ぜんぜん違ってて。詳しくは聞いていないが、当時の恋人があそこに居て、入り浸っていただけらしい。混乱しつつも、彼女の押し付けがましさとも相まって、なんとなく付き合いは続き、今にいたる。考えてみればこれもつながりには違いない。有益かどうかは別にして。

おっ?

ひとつを口に運ぼうと、たよりないストローで散々格闘したあげく、宙を飛ぶ氷。床をすべるそれを、テーブルにもぐってすばやく拾い上げると、上を向いて口をあけた。

ちょっ!?

慌てるこっちを見てにやりと笑うと、手近な灰皿に落とす。
今度は首尾よく次の一個を口に含んで、噛み砕きながらストローを振り上げる。

それぐぁ、イカン!

緑のサイダーが飛沫になる。

あ、ごみぇん。シミになった?

イイエ。トコロデ今日の用向きは?

たまの日曜、突然の電話で呼び出されて、ひょいひょい出てくる私も私だ。
ふだんあんなに忙しがっているのに、よりによってなぜ、この人とここでこうしておるのか。いわれのない怒りが、頭をもたげる。

ええっ??いとしいチョウコちゃんに会いにくるのに、なんのリユウがいるっていうの??

だみ声に似合わぬシナを作って上目を使う。
前言訂正、頭振りかざして牙をむいた。

用がないなら帰りマスネ。お代よろしくお願いシマス。

ぎゃーっ、待って待って!これこれ、これ見て!

席を蹴って立つ私に飛びつく‘先輩’。グラスは押しのけられて、あやうくテーブルのふちで踏みとどまる。




なんでだよーう。

氷のなくなったサイダーを、不満げにぶくぶくいわせる。かと思うと一気に吸い込んで咳き込んだりする。無視だ。無視セヨ。

だから、それじゃ産業スパイやってるようなものでしょうが。犯罪ですよ。犯罪。

見せられた携帯の、粘つく言葉を掻き分けてみると、‘彼’が必要としている情報がリストになって出てきた。どれもたわいない、並べてみて初めてそうとわかるような代物。指示通りにまめに集めていたら、おっくうがって一度にぶちまけるようなことをしなければ、誰にも気づかれずに目的を達していただろう。

これ送ってきたの、誰なんです?ほんとに付き合ってるんですか?

つめよると、視線が逃げていく。

あー、なんだ、前金、もらっちゃったんだよね・・・。

いくら?!

ばっかにするないっ!

どんっ!突然立ち上がる。小柄な先輩が大きく見える。よく見ると精一杯つま先立っている。

あたしが!あたしが・・・・もらった前金・・・

力なく座り込む。肩を抱いて震えるような仕草。ため息。手を伸ばしかけたところで、きらりと目が光る。

それは、・・・愛?