こんばんは。Iです。
じつは今年のお正月に1週間ほど海南島に行ってきました。
その報告を先日あるところで書かせていただいたのですが、せっかくなのでこちらにもご報告させていただきます。
この文章はメンバーのひとりが中国語に翻訳してくれました。
そちらもあわせて掲載させていただきます。
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こんにちは。ハイナンNETです。
わたしたちがお会いした、海南島の戦時性暴力の被害女性たちは8人。ご存命の方はお二人となりました。今年1月に海南島を訪ねたメンバーより、陳亜扁さんにお会いしたときのことをご報告したいと思います。今回の訪問では黄有良さんにもお会いすることができ、亡くなった方のご家族やお墓を訪ねることができましたが、そのご報告はハイナンNETのブログにさせていただきます。そちらも合わせてお読みいただければとても嬉しく思います。
陵水県に娘さん家族と4人で暮らしていた陳さん。すこし前から入院していました。病院の場所がわからなかった私たちは、まずお宅を訪ねることに。ちょうどお昼時で、娘さんの夫が仕事の休み時間に帰ってきていました。陳さんを見舞いたいことを伝えると、なら送ってあげようという優しい方です。仕事の合間にもかかわらず、すぐ支度をして連れて行ってくれました。
病院はバイクで30分ほどのところ。病棟を目指して歩いていくと、その前の開けたスペースにベッドが並び、その1つに陳さんの姿がありました。まさか、見間違いじゃ?と戸惑いながら声をかけると、付き添っていた娘さんが経緯を説明してくれました。病棟が改装中で、外に出なければならなかったとのこと。冬もハスが花を咲かせるほど暖かいとはいえ、山間部の夜はぐんと冷え込みます。加えてベッドの上は高く生い茂った木々に覆われています。雨なら凌いでくれそうですが、ひるがえせば日当たりがよくない。陳さんは中綿の上着を着込んで毛布でモコモコになっていましたが、これではかえって身体が休まらなかったことでしょう。食欲をだして元気になってほしいと美味しそうなものを買ってきた私たちは、これなら毛布や上着を用意してくるべきだったと悔やみました。
陳さんの目は白く濁り、遠くをぼんやり見つめています。私たちには気づいていないようでした。そっと声をかけると、ゆっくり目を覚ますように思い出してくれました。顔色がもどった陳さんは、よく来た、よく来たと私たちの手を握り、ベッドに掛けさせてくれました。陳さんの手はひどく冷たくこわばっていて、からだが芯から冷え切っているのがよくわかります。手をさすると私たちの手をさすり返してくれる愛情深い陳さん。母語の通じない私たちにも、一心にたくさんの話をしてくれます。堰を切ったように生き生きと話すようすは、尋ね人を待ちわびていたことを思わせるものでした。一しきりお話をしてお暇するとき、つぎはこうだからと首を手刀で切るまねをする陳さん。また来るからと約束したものの、心にトゲがささったようで、つぎに来るときは湯たんぽがいるかな、あとは…とタスクリストでやるせない思いを紛らわせながら病院を後にしました。
※別のメンバーが5月に陳さんを訪ねることができましたが、そのときには改修工事は無事に完了しており、陳さんはすでに屋内に移っていたとのことです。
ここからは中国語訳
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大家好!我们是海南NET(注:海南省日军性暴力受害者支援组织)。
我们走访过8名二战时期遭受日军性暴力的海南岛女性。现在依然在世的老人有两名。我想报告一下今年1月我们部分成员去海南岛拜访陈亚扁女士时的情况。这次海南岛之行,我们还拜访了黄有良女士,以及给过世老人扫墓、拜访她们的家属。
陈阿婆和女儿的家人共四人一起住在陵水县。不久前陈阿婆生病住院了。我们不知道医院具体地址就先拜访了她家。正好是吃午饭的时间,女婿刚好利用工作休息的时间回到家。当我们告诉他想去医院看望陈阿婆后,他亲切就说,这样吧,我送你们去。尽管是工作休息时间,他匆匆准备了一下就带我们出发了。到医院需要开摩托车走30分钟。我们向着住院部走去,看到在住院部前面开阔的场地上摆满病床,其中一个床上躺着陈阿婆。我们一边困惑:“怎么可能?是不是看错了”,一边打招呼。在一旁陪床的阿婆女儿给我们说明了原因。她说,住院部正在装修,病床不得不转移到外边来。虽说海南即使是冬天也温暖如夏,莲花遍开,但一到夜晚,山区气温骤降。再加上,床的上空被茂密丛生的树枝遮盖,如果下雨还可避雨,可也照不进阳光。陈阿婆穿着棉袄在毛毯里动来动去。这样一来怕是身体也得不到休息吧。为了让阿婆有食欲也更有精神,我们买了好吃的,很后悔不知道情况是这样,早知道应该准备毛毯和上衣。
陈阿婆的眼睛已经发白、变的浑浊,出神地盯着远处。她好像并没有注意到我们的到来。轻声问候她,她才慢慢想起我们来。气色转好的陈阿婆说,你们来了,你们来了,还和我们握手,让我们坐在她的床上。陈阿婆的手都冻僵了,大概身体也是透心凉。我们给她搓手,陈阿婆心疼我们也反复给我们搓手。她对着不懂方言的我们专心地说了好多话。阿婆滔滔不绝、活力十足地说话的样子让人觉得她一定是焦急地等到了要找的人。说过一阵儿话休息下来时,陈阿婆比划出用手切头的样子说接下来就是这样。我们相约下回还来看望她,心里却像扎了根刺一样痛。“下回来看望时带暖水袋吧,另外还有……”我们想着下回来时要带的东西借此打消不愉快的想法,就这样离开了医院。
其他的成员在5月再次看望了陈阿婆。听说那时医院的装修工作已经顺利竣工,陈阿婆也已经被转移到室内了。
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冬なのにハスが咲いていた。この池のわき道を下って陳さんのお宅に向かう。

お宅の庭から空を見上げる。いつか椰子の実のジュースをごちそうになったことを思い出す。

帰りは陵水から新幹線で。バカンスルックになまりのない普通話。別世界のようですこしくらくらした。
じつは今年のお正月に1週間ほど海南島に行ってきました。
その報告を先日あるところで書かせていただいたのですが、せっかくなのでこちらにもご報告させていただきます。
この文章はメンバーのひとりが中国語に翻訳してくれました。
そちらもあわせて掲載させていただきます。
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こんにちは。ハイナンNETです。
わたしたちがお会いした、海南島の戦時性暴力の被害女性たちは8人。ご存命の方はお二人となりました。今年1月に海南島を訪ねたメンバーより、陳亜扁さんにお会いしたときのことをご報告したいと思います。今回の訪問では黄有良さんにもお会いすることができ、亡くなった方のご家族やお墓を訪ねることができましたが、そのご報告はハイナンNETのブログにさせていただきます。そちらも合わせてお読みいただければとても嬉しく思います。
陵水県に娘さん家族と4人で暮らしていた陳さん。すこし前から入院していました。病院の場所がわからなかった私たちは、まずお宅を訪ねることに。ちょうどお昼時で、娘さんの夫が仕事の休み時間に帰ってきていました。陳さんを見舞いたいことを伝えると、なら送ってあげようという優しい方です。仕事の合間にもかかわらず、すぐ支度をして連れて行ってくれました。
病院はバイクで30分ほどのところ。病棟を目指して歩いていくと、その前の開けたスペースにベッドが並び、その1つに陳さんの姿がありました。まさか、見間違いじゃ?と戸惑いながら声をかけると、付き添っていた娘さんが経緯を説明してくれました。病棟が改装中で、外に出なければならなかったとのこと。冬もハスが花を咲かせるほど暖かいとはいえ、山間部の夜はぐんと冷え込みます。加えてベッドの上は高く生い茂った木々に覆われています。雨なら凌いでくれそうですが、ひるがえせば日当たりがよくない。陳さんは中綿の上着を着込んで毛布でモコモコになっていましたが、これではかえって身体が休まらなかったことでしょう。食欲をだして元気になってほしいと美味しそうなものを買ってきた私たちは、これなら毛布や上着を用意してくるべきだったと悔やみました。
陳さんの目は白く濁り、遠くをぼんやり見つめています。私たちには気づいていないようでした。そっと声をかけると、ゆっくり目を覚ますように思い出してくれました。顔色がもどった陳さんは、よく来た、よく来たと私たちの手を握り、ベッドに掛けさせてくれました。陳さんの手はひどく冷たくこわばっていて、からだが芯から冷え切っているのがよくわかります。手をさすると私たちの手をさすり返してくれる愛情深い陳さん。母語の通じない私たちにも、一心にたくさんの話をしてくれます。堰を切ったように生き生きと話すようすは、尋ね人を待ちわびていたことを思わせるものでした。一しきりお話をしてお暇するとき、つぎはこうだからと首を手刀で切るまねをする陳さん。また来るからと約束したものの、心にトゲがささったようで、つぎに来るときは湯たんぽがいるかな、あとは…とタスクリストでやるせない思いを紛らわせながら病院を後にしました。
※別のメンバーが5月に陳さんを訪ねることができましたが、そのときには改修工事は無事に完了しており、陳さんはすでに屋内に移っていたとのことです。
ここからは中国語訳
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大家好!我们是海南NET(注:海南省日军性暴力受害者支援组织)。
我们走访过8名二战时期遭受日军性暴力的海南岛女性。现在依然在世的老人有两名。我想报告一下今年1月我们部分成员去海南岛拜访陈亚扁女士时的情况。这次海南岛之行,我们还拜访了黄有良女士,以及给过世老人扫墓、拜访她们的家属。
陈阿婆和女儿的家人共四人一起住在陵水县。不久前陈阿婆生病住院了。我们不知道医院具体地址就先拜访了她家。正好是吃午饭的时间,女婿刚好利用工作休息的时间回到家。当我们告诉他想去医院看望陈阿婆后,他亲切就说,这样吧,我送你们去。尽管是工作休息时间,他匆匆准备了一下就带我们出发了。到医院需要开摩托车走30分钟。我们向着住院部走去,看到在住院部前面开阔的场地上摆满病床,其中一个床上躺着陈阿婆。我们一边困惑:“怎么可能?是不是看错了”,一边打招呼。在一旁陪床的阿婆女儿给我们说明了原因。她说,住院部正在装修,病床不得不转移到外边来。虽说海南即使是冬天也温暖如夏,莲花遍开,但一到夜晚,山区气温骤降。再加上,床的上空被茂密丛生的树枝遮盖,如果下雨还可避雨,可也照不进阳光。陈阿婆穿着棉袄在毛毯里动来动去。这样一来怕是身体也得不到休息吧。为了让阿婆有食欲也更有精神,我们买了好吃的,很后悔不知道情况是这样,早知道应该准备毛毯和上衣。
陈阿婆的眼睛已经发白、变的浑浊,出神地盯着远处。她好像并没有注意到我们的到来。轻声问候她,她才慢慢想起我们来。气色转好的陈阿婆说,你们来了,你们来了,还和我们握手,让我们坐在她的床上。陈阿婆的手都冻僵了,大概身体也是透心凉。我们给她搓手,陈阿婆心疼我们也反复给我们搓手。她对着不懂方言的我们专心地说了好多话。阿婆滔滔不绝、活力十足地说话的样子让人觉得她一定是焦急地等到了要找的人。说过一阵儿话休息下来时,陈阿婆比划出用手切头的样子说接下来就是这样。我们相约下回还来看望她,心里却像扎了根刺一样痛。“下回来看望时带暖水袋吧,另外还有……”我们想着下回来时要带的东西借此打消不愉快的想法,就这样离开了医院。
其他的成员在5月再次看望了陈阿婆。听说那时医院的装修工作已经顺利竣工,陈阿婆也已经被转移到室内了。
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冬なのにハスが咲いていた。この池のわき道を下って陳さんのお宅に向かう。

お宅の庭から空を見上げる。いつか椰子の実のジュースをごちそうになったことを思い出す。

帰りは陵水から新幹線で。バカンスルックになまりのない普通話。別世界のようですこしくらくらした。
