上海ライフ・アーカイブ：宋家三姉妹の興隆の跡－撮影:2008年6月

宋家三姉妹の興亡は中国近代史のロマンでもあります。

長女の「宋靄齢」は大財閥の当主「孔祥熙」と、次女の「宋慶齢」は中国革命の父「孫文」と、三女の「宋美齢」は後の中華民国総統「蒋介石」と結婚し、

「一人は金と、一人は権力と、一人は国家と結婚した」と言われました。

 

１．永嘉路

永嘉路は地下鉄衡山路駅から東へ走る高級住宅街です。この筋には宋家の興隆の跡が残ります。

 

２．永嘉路501：宋子文邸跡

宋子文は宋家の長男で宋慶齢の弟です。

1912年に渡米してハーバード大学で経済学を専攻し修士、コロンビア大学で経済学博士を取得した秀才でした。

辛亥革命後の国民政府の財務部門を担当し長く政権の中枢にありました。

共産革命後の1950年以降はアメリカに移住しました。

 

３．永嘉路383,385号：孔祥熙邸宅跡

撮影：ＣＡＮＯＮ　Ｐｏｗｅｒｓｈｏｔ　Ｇ９

宋家長女が結婚した孔祥熙は山西省名門出身の実業家で孔子の末裔。

辛亥革命に参加、以来中央銀行総裁、行政長官など国民政府の要職を歴任し長く財政金融の実験を握り、蒋介石や宋子文とともに中国四大家族と呼ばれました。

 

４．永嘉路の一つ北の東平路のには「蒋介石」と三女「宋美齢」が暮らした邸宅が公開されています。

蒋介石も数奇な運命をたどります。

彼は明治40年に日本に留学し軍事教育を受け大日本帝国陸軍に勤務します。

1912年の辛亥革命に参加し孫文に認められ国民党右派として頭角を現しますが、1927年上海クーデターで中国共産党を弾圧し、

国民党と中華民国政府の実権を握ります。

日中戦争で旧日本軍に対抗し勝利しましたが、共産党との内戦に敗れ1949年台湾へのがれ、中華民国初代総統に就任しました。

蒋介石1975年に病死。

夫の死後、宋美齢はアメリカに移住しニューヨークの1000平方メートルの豪邸で暮らしながら政治的野心は持ち続けましたが、

2003年に105歳で永眠しました。

南京の国民党政府で執務した蒋介石の上海別邸。東平路9号。

撮影：2008年6月　ＣＡＮＯＮ　ＥＯＳ４０Ｄ

 

５．更に北の淮海中路には次女「宋慶齢」が1948年から北京に移る1963年まで住んだ故居があります。

撮影：2008年2月　ＣＡＮＯＮ　ＥＯＳ４０Ｄ

「宋慶齢故居」→過去記事

 

宋慶齢は1981年に88歳で没します。長寧区の万国公墓内の宋慶齢陵園に父母と共に眠っています。墓所の住所は宋園路21。

撮影:2007年12月　ＣＡＮＯＮ　ＥＯＳ４０Ｄ

「宋慶齢陵園」→過去記事

 

姉妹三人の生涯は中国近代史の歴史でもあります。

 

撮影：ＣＡＮＯＮ　Powershot　G9