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全国交通ニュースブログ

日本全国の交通に関する最新ニュースをピックアップして紹介します。
幹線道路、バス、航路、ICカードなどなど・・・

京都市バスの観光特急バス、どうやって日常利用者を乗せないようにするか?

2024-05-23 00:45:58 | 路線バス

関連ブログ記事・・・2022/1/23付「京都市バスの観光客向け急行バスは事実上廃止のようです

コロナ禍による観光客減少を名目として事実上廃止になった京都市バスの観光客向け急行バスですが、オーバーツーリズム対策が急務となっていることもあり、割増運賃を導入して2年半ぶりに本格復活します。

2024/6/1からの土休日に新たに運行する「観光特急バス」がそれで、日常生活を中心とした市民利用と観光利用の棲み分けを図るため、「観光客向けの1日乗車券類は一般の市バスと同様に乗車できるが、それ以外で乗車する分には一般の市バスの倍以上の運賃(500円)を収受する」という方策を採用しました。したがって、厳密にいえば「日常生活を中心とした市民利用を排除するバス」ですね。

さて、運行開始まで2週間を切ったところで、観光特急バスの特設サイトに相当するページが交通局公式サイト内に開設されたので、運賃以外の一般バスとの差別化策(=日常利用者を乗せないようにする策)を中心に解説します。

https://www2.city.kyoto.lg.jp/kotsu/webguide/ja/bus/limited_express.html

1.京都駅前におけるのりばの差別化

平安神宮・銀閣寺まで行くEX100系統、五条坂<清水寺最寄り>までしか行かないEX101系統とも、他の定期路線が使用しないD1のりばから発車します。D1のりばは以前の観光客向け急行バス(100系統・101系統)が使用していましたが、運休後は他系統に転用されることなくある意味温存されてきました。最近はGW・紅葉シーズンといった最ピーク時の臨時バス専用でした。

こののりばでは、京都市が民間に委託して「1日券日付印字機を活用し、観光客向けの各種案内活動を多言語対応で行う」ことになっています。

https://www.city.kyoto.lg.jp/kotsu/page/0000324531.html

2.乗降方式の差別化

京都市バスの一般路線は市内均一区間であっても中乗り前降り運賃後払いですが、観光特急バスは前乗り中降り運賃先払いとなります。これにより降車時の混雑を回避するとともに、一般路線バスとの誤乗を防止できます。つまり、運賃後払いだと「乗ってしまってから間違って観光特急バスに乗車したことに気づき、降りる際に500円の支払いを余儀なくされる」ケースがあり得るわけですが、運賃先払いだと運転手のチェックが入るので乗り間違いを未然に防げるわけですね。

ちなみに、以前の観光客向け急行バス(100系統・101系統)もコロナ禍直前の時点では前乗り中降り運賃先払い方式を採用していました。

3.観光客に無関係なバス停には止まらない

「日常生活を中心とした市民利用を排除する」には、これが最善の策ですね。バス停を少なくすることにより運行時間に占める客扱い時間が減少し、一般路線バスよりも猛スピードを出さなくとも所要時間は確実に短縮されます。ただ、渋滞からは逃げられませんが・・・

4.銀閣寺最寄りのバス停の差別化

京都市バスには「銀閣寺前」「銀閣寺道」の2つのバス停がありますが、より銀閣寺に近い前者は32系統(京都外大前~四条烏丸~四条河原町~岡崎公園~銀閣寺前~錦林車庫前)のみが停車しています。京都駅からの直通系統(5系統、17系統)は白川通沿いで銀閣寺まで結構歩く後者のみ停車しています。

しかし、EX100系統は銀閣寺前に停車します。ちなみに、以前の観光客向け急行バス(100系統)は銀閣寺前に停車していました。

さて便数ですが・・・

9時台から12時台はEX100系統・EX101系統とも15分間隔で発車するため、五条坂までは1時間あたり8便の運行となります。一方、13時台から17時台はEX100系統が30分間隔の運行となり、その合間にやはり30分間隔で清水道始発・五条坂経由のEX100系統区間便が運行されます。


相生有年道路、2024年度の工事はどこで行われるのか?

2024-05-22 21:14:14 | 国道2号相生有年道路

関連ブログ記事・・・2023/12/6付「相生有年道路の未整備区間の状況(2023/11/末時点)

山陽自動車道の下り線尼子山トンネル火災事故に伴う通行止めは結局3か月半近くの長期にわたり、関西以東と中国地方以西を結ぶ幹線交通に多大な影響を及ぼしました。

NEXCO西日本公式サイトに掲載されている対応報告の17ページ目によれば、

https://corp.w-nexco.co.jp/press/interview/pdfs/20231220-02.pdf

通行止め期間中、国道2号西行の相生市若狭野交差点~赤穂市有年駅前交差点間が完全なボトルネックになっており、平日は9時台から22時台まで、休日も7時台から12時台までずっと渋滞が発生し、さらにその西側の有年駅前交差点~有年原交差点~東有年交差点間も時間帯により渋滞が発生したとのこと。該当区間のほとんどは2車線のままで、即ち相生有年道路の未供用区間です・・・

しかし、関連報道の中に「相生有年道路の赤穂市内区間の整備がなかなか進まないことが慢性的な渋滞を後押しした」の類の内容は残念ながら見当たらず、世論形成の後押しにはならなかったようです。

2024/4/26に近畿地方整備局公式サイトで公表された直轄事業の事業計画(令和6年度当初予算分)によれば、2024年度の相生有年道路の予算額は22億9000万円となっています。

https://www.kkr.mlit.go.jp/profile/yosan/r6/lbhrsn000000j2pj-att/hyougoken240424.pdf

2023年度の当初予算額が8億円だったことを考えると大幅増ですね。

上記計画によれば、2024年度の事業内容は

 ・調査設計 ・用地取得(黒尾地区ほか) ・有年原地区改良工事 ・黒尾橋上部工事

となっています。

「黒尾橋」は、2022/3/18付ブログ記事「国道2号相生有年道路・有年駅付近(その6)」で紹介した地域住民のための橋の架け替えのことで、この橋が完成しないと相生有年道路本体の工事(矢野川の流路を付け替え、JR山陽線北側に生み出した川跡のスペースに道路を築造する)に取りかかれません。また、「有年原地区」はJR有年駅北西側一帯のことで、2023年度の工事の中心となっていたJR山陽線をくぐる部分の工事を継続し完成に近づけるのがメインなのかも。


JRバス関東(福島県南地区)は「LOCOCA」のポイントサービスなし、地元の他社路線でも使えず

2024-05-21 18:53:58 | 交通系ICカード

2024/4/9付ブログ記事「福島県浜通り・県南のバスICカード「LOCOCA」は2024/5/18スタート」の続報です。

JRバス関東の福島県南地区の路線でも、2024/5/18から全国相互利用対象交通系ICカードが使えるようになりました。

https://www.jrbuskanto.co.jp/topics/_ic.html

ただ、上記ブログ記事で書いたとおり、新常磐交通と異なりJRバス関東はLOCOCAのポイントサービスを導入しませんでした。確かに、「ご利用ガイド」のどこを見ても、ポイントサービスに関する言及はありません。

https://www.jrbuskanto.co.jp/topics/lococa_guide.pdf

そして、同社の路線は新白河駅・白河駅・磐城棚倉駅でJR東日本の鉄道線と接続していますが、いずれの駅もSuicaのエリア外です。水郡線はともかく、現在矢吹駅が南限となっている仙台エリアを新白河駅まで拡大する予定がないのが利用実態を鑑みても謎ですが、どんなシステム上の問題があるのでしょう? ちなみにSuicaの首都圏エリアの北限は東北線が黒磯駅・常磐線が浪江駅(=新常磐交通の路線エリアの北限)です。

さらにいうと、白河市中心部や新白河駅方面には福島交通の路線バスも運行されていますが、福島交通が導入しているICカードは独自規格の「NORUCA」であり、全国相互利用対象交通系ICカードは使えず、今後も対応予定はありません・・・2023/8/24付ブログ記事「福島交通・会津バスのキャッシュレス化は「独自ICカード+タッチ+QRコード+WAON+nanaco」で」参照・・・リリースとは裏腹に、5月下旬になってもNORUCA以外のキャッシュレス決済は未対応


徳島市バスも2024/10/1に運賃値上げへ

2024-05-20 20:46:25 | 路線バス<運賃関係>

関連ブログ記事・・・2024/5/15付「徳島バスは2024/10/1に運賃値上げへ=バラバラな初乗り運賃を統一

徳島市内では徳島バスともに市営交通(徳島市バス)も運行されていますが、こちらも2024/10/1の運賃値上げに向け動き出しました。市内均一区間は徳島バスと同額の250円となります。

http://www.city.tokushima.tokushima.jp/kurashi/koutsu/kotsu/kokyo_kotsu/unchinkaitei_bosyur6.html

公営交通のため、「市民の意見を問う」「市議会の承認を得る」というプロセスが必要になります。

趣旨は以下のようになっており、徳島市交通局自体が切羽詰まっているわけではない(徳島バスへの路線移譲も含めた合理化が現時点では功を奏している?)ように取れます。

徳島バス株式会社と「市内均一料金制」や互いの乗車券を利用可能とする「共通乗車制」を採用し、また近年では同一路線の共同運行を行っている交通局におきましても、同様の値上げを行わない場合、市内路線バスの運賃体系に混乱を招くことから、運賃改定の手続きを開始いたします。

<参考> 徳島市バスの路線略図・停留所一覧図(徳島駅からの運賃額入り)

http://www.city.tokushima.tokushima.jp/bus/rosen_annnai.files/rosenzu_20240516.pdf

 


北港観光バスは2024/8/1に大半の路線の運賃を値上げへ <追記あり>

2024-05-20 12:58:09 | 路線バス<運賃関係>

関連ブログ記事・・・2024/2/2付「万博会場の夢洲に停車する路線バスは2024/7限り廃止へ

上記ブログ記事で書いた通り、北港観光バスが運行するコスモスクエア駅~夢洲~舞洲間の路線バスは2024/7/31限り完全廃止となります。

http://hokkohbus.co.jp/2024/02

そして、同社は大阪市内で他に運行している一般路線の大半を2024/8/1から値上げすべく近畿運輸局に申請しました。

http://hokkohbus.co.jp/news?id=id2652

http://hokkohbus.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2024/05/%E4%B9%97%E5%90%88%E3%83%90%E3%82%B9%E3%81%AE%E9%81%8B%E8%B3%83%E6%94%B9%E5%AE%9A%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A62024%E5%B9%B4.pdf

1.1系統サークルバス

南港コスモスクエア地区を循環する路線で、もともと進出企業との契約による社員専用の貸切バス扱いだったこともあり、独自の運賃体系(110円均一)となっていますが、150円均一に値上げします。

この路線は、2024/3から土日祝の運行を取りやめ、さらに平日昼間も1時間間隔に減便するなど、2024年問題もあり原点回帰を進めています。

http://hokkohbus.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2024/02/240302%E4%BB%A5%E9%99%8D%E3%81%AE%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%83%90%E3%82%B9%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B.pdf

2.2系統舞洲アクティブバス 

JRゆめ咲線桜島駅と舞洲を結ぶ唯一の定期路線で、イベント時やネモフィラ祭り期間中は利用が殺到しますが、2025年は大阪・関西万博の影響でイベントが開催できず利用客の大幅減が見込まれるということで、210円均一から230円均一に値上げ予定です。同じく舞洲に乗り入れる大阪シティバスの81号系統(西九条発着)と運賃に差がつくことになりますが、同一区域同一運賃を是とする近畿運輸局がどう判断するかですね。

3.中之島ループバス「ふらら」

平日限定運行で、さらになにわ筋線建設工事により迂回を強いられています(2024/5/1付ブログ記事「大阪・中之島ループバスの迂回運行開始後の様子」参照)が、時間帯によってはそれなりの利用があるのか現時点では休廃止の俎上には上げず、210円均一から230円均一に値上げ予定です。競合する大阪シティバスの53号系統と運賃に差がつくことになりますが、果たして・・・

4.あびこ天美北線  現行運賃表はこちら

もともと路線バスの空白地帯を埋める形でタクシー会社「日本城タクシー」が運行しており、それ故運賃体系も独自でした。同社の路線バス事業からの撤退に伴い2016/4から北港観光バスが引き継ぎましたが、2024/3から土日祝の運行を取りやめるなど規模は縮小傾向にあります。申請では、「特定1区(地下鉄あびこ~教育センター高校前間)=110円→150円、1区=170円→190円、全線=240円→260円」となっています。

5.西田辺瓜破西線  現行運賃表はこちら

こちらも日本城タクシーから引き継いだ東住吉区内メインの路線ですが、ルーツは大阪市営バスの100円均一コミバス「赤バス」で、2013/3限り廃止後に日本城タクシーが引き継ぎ、1年後に路線を大幅に変更しています。短距離の運賃が110円(特定1区)なのは赤バスの名残ですが、申請では特定1区のみを110円から150円に値上げし、全線運賃は(東住吉区内の他の全路線を運行する)大阪シティバスと同じ210円に据え置きます。

そして、残るあさひあったかバスについては値上げ申請を行わず、現行通り100円均一で据え置きます。

この路線は北港観光バスとして直接大阪市営バスの赤バスを引き継いだもので、旭区のコミュニティバスとしての位置づけを保っているので運賃は赤バス当時と変わらず(カード類は使えませんが)、大阪市が発行する敬老優待乗車証なども大阪シティバス同様に使えます。

http://hokkohbus.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2017/05/attakabus_fare.pdf

ちなみに、北港観光バスの本社は旭区内にあります。

http://hokkohbus.co.jp/about_us

 

<7/3追記>

北港観光バスの運賃値上げは、2024/7/1付で申請通り認可されました。2024/8/1から値上げとなります。

http://hokkohbus.co.jp/news?id=id2661

これにより、2024/8/1以降「大阪駅から中之島西方面に行くバス」「舞洲に行くバス」については、バス事業者により運賃が異なることになります。