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京都市バスの観光特急バス、どうやって日常利用者を乗せないようにするか?

関連ブログ記事・・・2022/1/23付「京都市バスの観光客向け急行バスは事実上廃止のようです

コロナ禍による観光客減少を名目として事実上廃止になった京都市バスの観光客向け急行バスですが、オーバーツーリズム対策が急務となっていることもあり、割増運賃を導入して2年半ぶりに本格復活します。

2024/6/1からの土休日に新たに運行する「観光特急バス」がそれで、日常生活を中心とした市民利用と観光利用の棲み分けを図るため、「観光客向けの1日乗車券類は一般の市バスと同様に乗車できるが、それ以外で乗車する分には一般の市バスの倍以上の運賃(500円)を収受する」という方策を採用しました。したがって、厳密にいえば「日常生活を中心とした市民利用を排除するバス」ですね。

さて、運行開始まで2週間を切ったところで、観光特急バスの特設サイトに相当するページが交通局公式サイト内に開設されたので、運賃以外の一般バスとの差別化策(=日常利用者を乗せないようにする策)を中心に解説します。

https://www2.city.kyoto.lg.jp/kotsu/webguide/ja/bus/limited_express.html

1.京都駅前におけるのりばの差別化

平安神宮・銀閣寺まで行くEX100系統、五条坂<清水寺最寄り>までしか行かないEX101系統とも、他の定期路線が使用しないD1のりばから発車します。D1のりばは以前の観光客向け急行バス(100系統・101系統)が使用していましたが、運休後は他系統に転用されることなくある意味温存されてきました。最近はGW・紅葉シーズンといった最ピーク時の臨時バス専用でした。

こののりばでは、京都市が民間に委託して「1日券日付印字機を活用し、観光客向けの各種案内活動を多言語対応で行う」ことになっています。

https://www.city.kyoto.lg.jp/kotsu/page/0000324531.html

2.乗降方式の差別化

京都市バスの一般路線は市内均一区間であっても中乗り前降り運賃後払いですが、観光特急バスは前乗り中降り運賃先払いとなります。これにより降車時の混雑を回避するとともに、一般路線バスとの誤乗を防止できます。つまり、運賃後払いだと「乗ってしまってから間違って観光特急バスに乗車したことに気づき、降りる際に500円の支払いを余儀なくされる」ケースがあり得るわけですが、運賃先払いだと運転手のチェックが入るので乗り間違いを未然に防げるわけですね。

ちなみに、以前の観光客向け急行バス(100系統・101系統)もコロナ禍直前の時点では前乗り中降り運賃先払い方式を採用していました。

3.観光客に無関係なバス停には止まらない

「日常生活を中心とした市民利用を排除する」には、これが最善の策ですね。バス停を少なくすることにより運行時間に占める客扱い時間が減少し、一般路線バスよりも猛スピードを出さなくとも所要時間は確実に短縮されます。ただ、渋滞からは逃げられませんが・・・

4.銀閣寺最寄りのバス停の差別化

京都市バスには「銀閣寺前」「銀閣寺道」の2つのバス停がありますが、より銀閣寺に近い前者は32系統(京都外大前~四条烏丸~四条河原町~岡崎公園~銀閣寺前~錦林車庫前)のみが停車しています。京都駅からの直通系統(5系統、17系統)は白川通沿いで銀閣寺まで結構歩く後者のみ停車しています。

しかし、EX100系統は銀閣寺前に停車します。ちなみに、以前の観光客向け急行バス(100系統)は銀閣寺前に停車していました。

さて便数ですが・・・

9時台から12時台はEX100系統・EX101系統とも15分間隔で発車するため、五条坂までは1時間あたり8便の運行となります。一方、13時台から17時台はEX100系統が30分間隔の運行となり、その合間にやはり30分間隔で清水道始発・五条坂経由のEX100系統区間便が運行されます。

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