中国運輸局管内のタクシーの営業区域が別表として掲載されている資料はこちら
前編に引き続き、広島県東部・北部(基本は備後国)のタクシーの営業区域について解説します。
福山交通圏
福山市、尾道市(昭和32年1月1日編入の旧沼隈郡浦崎村の区域に限る)
尾道市
尾道市(昭和32年1月1日編入の旧沼隈郡浦崎村の区域を除く)
三原市
府中市
三次市
庄原市
世羅郡
世羅郡(世羅町のみが所属)
神石郡
神石郡(神石高原町のみが所属)
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福山市は、平成の大合併で沼隈郡内海町・沼隈郡沼隈町・芦品郡新市町・深安郡神辺町を編入合併し、沼隈・芦品・深安の3郡は消滅しました。これら地域はもともとの福山市域と同じ営業区域となっていますが、目を引くのは「66年前に尾道市に合併された区域も含まれていること」ですね・・・ その謎?は、地図を見れば一目瞭然です。
GoogleMapの「尾道市浦崎町(旧沼隈郡浦崎村)」の地図はこちら
浦崎町から尾道市中心部に行くには、陸路では福山市域を必ず通らねばならない「飛地」状態であり、故にタクシーの営業区域としては福山市域と同一にしておくことが利用者側・業者側のいずれにとっても都合がいい故の設定です。一方、海上交通では2023年時点も浦崎町と尾道市中心部を直接結ぶ旅客船航路および浦崎町と尾道市向島の東側を結ぶフェリー航路が存在します。1957年当時の道路事情、および尾道市側に突き出した半島地形であることを考えると、この時点では尾道市との合併は自然な流れだったのでしょうね。
尾道市は、平成の大合併で因島市・御調郡向島町・御調郡御調町・豊田郡瀬戸田町を編入合併し、御調郡は消滅しました。これら地域はもともとの尾道市域と同じ営業区域となった一方、66年前から尾道市域の浦崎町は上記の理由で除外されています。ちなみに、向島の東側約3分の1は、平成の大合併前から尾道市域(向東町)でした。
三原市は、もともとの三原市と賀茂郡大和町・豊田郡本郷町・御調郡久井町が合併して成立しました。少なくとも、平成の大合併前は、安芸国に属する旧大和町域および旧本郷町域<広島空港を含む>は三原市とは別の営業区域だったはずです。
府中市は、平成の大合併で甲奴郡上下町を編入合併しました。
三次市は、もともとの三次市と甲奴郡甲奴町、それに双三郡全6町村(君田村・布野村・作木村・吉舎町・三良坂町・三和町)が合併して成立しました。
庄原市は、もともとの庄原市と甲奴郡総領町、それに比婆郡全5町(西城町・東城町・口和町・高野町・比和町)が合併して成立しました。つまり、もともと1つの営業区域であったであろう甲奴郡は「府中市」「三次市」「庄原市」に3分割されたことになります。
世羅郡世羅町は、平成の大合併で世羅郡全3町(甲山町・世羅町・世羅西町)が合併して成立しました。
神石郡神石高原町は、平成の大合併で神石郡全4町村(油木町・神石町・豊松村・三和町)が合併して成立しました。