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日田彦山線BRTがモバイル型決済端末によりICカード対応になります

2017年の九州北部豪雨で壊滅的な被害を受けたJR九州・日田彦山線のうち添田駅~夜明駅間は、利用客の少なさから鉄道としては復旧せず、BRT(バス高速輸送システム)として2023/8/28に6年ぶり運行を再開します。

https://www.jrkyushu.co.jp/train/hikoboshiline/

愛称は「日田彦山線 BRTひこぼしライン」です。

彦山駅~宝珠山駅間は線路敷のレールなどを取っ払って整備したバス専用道を走行し(この区間には延長4km以上の釈迦岳トンネルがあり、道路が並行していないため列車代行バスは大回りを余儀なくされています)、並行道路が整備されている添田駅~彦山駅と宝珠山駅~夜明駅間は一般道を走行します。BRTはさらにJR久大線に並行した道路を地域の中心都市である日田駅まで走行します。

位置づけとしてはJR東日本が三陸沿岸で運行しているBRT(2022/10/20付ブログ記事参照=こちらは東日本大震災で壊滅的な被害を受けた路線の復旧)と同じで、運賃は鉄道のローカル線と同水準、実際の運行はバス会社に委託します。

さて、こちらのBRTは三陸沿岸のBRTと異なり全国相互利用対象ICカードの利用は当初想定していませんでしたが、運行開始日から2024/3/31までの期間限定で、JR九州の交通系ICカード「SUGOCA」など全国相互利用対象ICカードの利用を可能にする実証実験を行うことになりました。

https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2023/06/29/230629_brt_mobaile_sugoca_cash.pdf

均一運賃以外のバスでのICカード利用は一般的に「乗車時に入口脇にあるカードリーダーにICカードをタッチし、降車時に運転手横の運賃箱に取り付けられたカードリーダーにICカードをタッチすると乗車区間の運賃が自動決済される」ですが、こちらでは運転手が持つモバイル型決済端末での対応なので、

 乗車時=現金乗車の場合と同様に紙の整理券を取る

 降車時=乗務員(運転手)に整理券を見せ、ICカード利用の旨を申告すると、乗務員が乗車区間の運賃を確認し、モバイル型決済端末でICカードチャージ残高より運賃を決済する

というやり方になります。車内でのICカードへのチャージはできません。

このモバイル型決済端末ですが、大阪バスが一部路線で導入している(2023/1/29付ブログ記事「大阪バスの一部路線のICOCA対応状況報告 <1/30追記あり>」および2023/4/16付ブログ記事「大阪バスの伊丹空港リムジンにICカードで乗車」と同タイプのものに見受けられます。乗車地により運賃が異なるため、紙の整理券に書かれた番号が運賃の識別のキーになるわけで、ややアナログではあります。

ちなみに、添田・夜明・日田でこのBRTと接続するJR九州の鉄道線はいずれもICカード未対応です。日田彦山線の北部は北九州市郊外の住宅地ですが、取り残された形です・・・

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