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Clash of the Titans

2008年02月09日 03時05分46秒 | move
タイタンの戦い 特別版

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ギリシアな300でしたが、同じギリシアで神話ものでも。

Clash of the Titans
タイタンの戦い





これは人形映画の第一人者で20世紀のSFを代表する、ハリーハウゼンの最後の作品となっています。
確かに今見るととてもちゃっちくて安っぽいものを感じます。
しかし逆にCGの「なんでもあり」の世界では作れない怪物の動きのおどろおどろしさ、怪しい、怖いイメージはあります。


話はタイタンとは関係なくギリシア神話のペルセウスをベースにペルセウスとアンドロメダの恋愛をベースにした冒険活劇物です。
まぁ、クラーケンは北欧神話ですが。


●ギリシア神話について
ギリシア神話に出てくるペルセウスはアルゴス王アクリシオスの娘ダナエーとゼウスとの子で、アクリシオスは孫に殺されると神託を受けたためダナエーと子供を箱に入れて川に流します。
ペルセウスとダナエーは漁師に助けられるがその漁師の兄(領主)がダナエーに恋をし、邪魔なペルセウスにゴルゴーン退治を命令します。
首尾よくゴルゴーン姉妹の末子のメデューサの首を切り、流れ落ちた血からペガサスとクリュサオルが生まれます。
帰り途中、カシオペア女王の一言が元で海の海獣(鯨)にささげられることになったアンドロメダを救出し、妻とします。
このことを聞いたアクリシオスがアルゴスを逃亡したためペルセウスはアルゴスとミュケナイ(アンドロメダの方)の2つの国王となりました。
神託の結果はどうなったかというと競技会でペルセウスがたまたま投げた円盤がアクリシオスに当たり、死亡してます。
事実を知ったペルセウスは恥と感じ、アルゴスを他の国王と交換してます。


●星座
北半球の星座にはペルセウス一連の星座が数多く存在します。
・ペルセウス座
・ケフェウス座(カシオペア女王の夫)
・カシオペア座(ニンフを怒らせ娘のアンドロメダを海獣に捧げることに)
・アンドロメダ座(ペルセウスに助けられ妃に)
・ペガスス座(メデューサの血から生まれた)
・クジラ座(アンドロメダを襲った海獣)

補足しますとクジラ座は哺乳類の鯨ではなく、海の海獣です。
そのため星座の絵でも普通の鯨ではなく、アシカやセイウチに近い凶暴な海獣になっています。


蛇足ですがメデューサの首はその後アテナに捧げられ、アテナは自分の盾に取り付けます。この盾がイージスの盾です。イージス艦のイージスはここからきているんですね。

300<スリーハンドレッド>

2008年02月02日 12時53分45秒 | move
300<スリーハンドレッド>特別版(2枚組)

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スリーハンドレッド。

髭マッチョのパワフルな感じにずっと気になっていた映画だったのですが漸く見ました。

以下ネタばれ(ギリシアの歴史を見れば知ってます)です。


●テルモピュライの戦い
この話はギリシアのヘロドトス「歴史」に出てくる有名なペルシャ戦争のテルモピュライの戦いの話です。

ペルシア遠征軍210000に対してスパルタのレオニダス王率いる重装歩兵300(実際にはギリシア連合軍のため5000程度いたようです)が開戦から3日間テルモピュライの地にペルシア本軍を足止めさせました。

場所はここです



1日目、ファランクス隊形(密集隊形、日本で言えば槍衾かな?)をとりペルシア軽装歩兵1万撃破。
2日目、ペルシア軍不死隊(戦死者が出ても常に1万人まで補充されるためそういわれました)を投入するもギリシア軍の防衛線は崩れなかった。
3日目、ペルシア軍迂回路からギリシア軍を挟撃。総崩れになるもスパルタ軍は残り、奮戦するもレオニダス王戦死。
その後レオニダス王の遺体をめぐってペルシア軍とスパルタ軍で激しい取り合いになる。
スパルタ軍が遺体確保するもののペルシア軍に取り囲まれスパルタ軍壊滅。

このときのギリシア連合軍の働きの殆どはスパルタ軍によるものです。
そのため300という数はシンボルとして見れば間違いでも無かったと思われます。


この後、レオニダス王はその奮戦ぶりと次のサラミス海戦(こちらはギリシア連合軍の勝利)までの時間的猶予を作ったと言うことでペルシア戦争で英雄とされています。

●当時の戦闘
当時の戦闘は今のように機動戦ではありませんでした。

軍が積極的に移動、展開、相手の弱いところを突く、背後連絡線の遮断というよりは力と力のぶつかり合いです。

シンボルとなる人がいてその回りを人が何人か着く。
あまり走り回るといったことが少なかったため、足の速い人というよりはビルダーマッチョが多いのはそのためです。


●映画について
、、、で、映画の事なんですが。

まずペルシアVSスパルタの構図が組まれてますがこれは間違いです。
ギリシア連合軍だからスパルタはアテナイ(アテネ)より北のテルモピュライにまで遠征しています。
スパルタはこの付近にはありません。
スパルタの場所は何処になるかというと
テルモピュライから南東にアテナイ(アテネ)、さらに下に南西の三つ半島が飛び出した地形
のところになります。ギリシアでは最南端ですね。


あとレオニダス王は途中で死亡なんですけど。

映像的にはざらついた画面が戦争の荒々しさを上手く表現できていました。
たしかプライベートライアンもあんな感じでしたね。


●テルモピュライのその後
テルモピュライの戦いの戦いの後の話は
・ペルシア軍によるアテナイの占領
・ギリシア連合軍、サラミス海戦で勝利
・プラタイアの戦いでも勝利→ペルシア軍撤退
・海上権益、アテナイ独占
・アテナイとスパルタの対立→ペロポネソス戦争へ


まさに「今日の友は明日の敵」。

マリアナ沖海戦―母艦搭乗員激闘の記録 川崎 まなぶ

2008年02月01日 00時02分16秒 | book
マリアナ沖海戦―母艦搭乗員激闘の記録
川崎 まなぶ
大日本絵画

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自分はあまり現代戦争には詳しくありません。

この本をお勧めするのは知人著という所が大きいです。

色々お世話になった方で、今でもメールのやり取りなどさせていただいてます。

そうそう、この間「出版おめでとう会」を開いて(去年の11月初めに連絡はもらっていたのですが、、、遅すぎ!!)てっさやてっちりつつきながら飲んでましたよ。

次の日に紀伊国屋に行って見たらあったので早速ゲットしました。
店員に「こういう本がお好きなんですか?」って聞かれましたよ。
普段こんな事聞かないのに!!


・・・話が逸れました。


川崎さんはこの本を出版するために会社を辞め、当事者の話を聞くため約半年間のフィールドワーク(その前からも動いていたようです)の末に出版しました。


この生き方には本当に刺激を受けます。

自分のやりたいこと。

自分のやらなければならないこと。

そのために自分は何をしなければいいのか?

人生のやることを見つけられる人は本当に素晴らしいと思います。


本の中の人々も凄いと思います。

戦時中、人々が何を思い、何のためにその命を散らしていったのか?
その意味を知る上でもこの本の価値は十分あると思います。
5年後、10年後では遅すぎるでしょう。
生存者も決して若いわけでもないのですから。


人は老いて、その舞台から去っていく。

人の歴史は積もる雪のようなものです。

どんなに強い思いで生き抜いたとしてもやがてそれは下へ下へと押しやられ、やがて融けて形さえもなくなってしまう。

この本はあまり語られることの無いマリアナ沖海戦の軍事学者の戦術論ではない等身大の人々の声でもあります。

嫌な過去かもしれません。

しかしそれを見据えることも大事なことだと思います。



そして何かに対する情熱、焦燥、そして行動。
ある意味、今自分に一番足りないものかもしれません。


参照:マリアナ沖海戦