日々の寝言~Daily Nonsense~

裾野と頂点

朝日新聞の社説
国立大の研究費、競争ばかりじゃだめだ、

格差拡大反対キャンペーンの一種。

研究費には、ごはん(日常的なもの)と
おかず(プロジェクト的なもの)がある。

独立行政法人になって、交付金が減らされていることもあり、
ごはんのほうも、選択と集中で、競争的になってきているが、
それでは、プロジェクトの種も生まれなくなる、というもの。

まっとうな主張で、
これ自体は珍しいものではない。

実際、研究者の世界でも、
富めるものはますます富み、
お金が取れない人はジリ貧、という二極化が
起こっているのは、韓国の「黄教授」の件などを
見ても事実らしいし、その弊害は確かに大きい。

スポーツや将棋の世界などでもそうだが、
頂点を高くするためには、広い裾野が必要で、
最初から競争的過ぎては、育つものも育たなくなってしまう。

問題があるとすれば、大学の研究者には引退制度、
あるいは、セカンドキャリアが無い、ということだろう。

創造性は通常、年齢とともに衰えてゆく。
日常研究費だからといって、一律に配っていては、
本当に研究能力が少なくなった人にも配られることになる。
それでもよいくらい少額にする、というのでは、
これから新しい発見をするべき若い人たちがかわいそうだ。

家が貧しくなったら、ごはんは将来ある若い人に優先して回し、
年寄りは遠慮する、というのがあたりまえであるように、
自然に、若い人たちに多めに配るようにするのが
良いと思う。

それと並行して、将棋界でも言われているように、
教育(普及)専念型や、研究支援に回るなど、
研究から早めに引退した後のキャリアパスを作って、
せっかくの能力を社会的に有効に活用することが必要だと思う。
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