アメリカ、イギリスの作家さんも、登場人物の名前をつけるのに凝っている。凝っているというか、意図があって名づけている、という当たり前のことを改めて認識したのは、大学1年生のとき。Joyceの作品を読んでいたときでした
考えてみれば当然ですよね。日本の小説を読んでいたって、そのイメージや生まれ、育った環境をほのめかすような名前がつけられていますものね。
名前から生い立ちや性格を想像したりします。
なんとなく、英語の名前というのは”漢字”ではないので、表現のしようがないと勝手に思っていたのです
しかし、英語でも、出身地(地方)を判断できる名前だったり、やはり性格をイメージさせるような名前をつけていたりします。そして”漢字”の持つイメージが表せない代わりに、といいますか、英語の”音(おん)”でイメージを読者に与えることもできるんですね
たとえばLやRの音で滑らかなイメージを出したり、同じ音を(姓と名でも)繰り返してリズムをよくしたり
また、ある単語をイメージさせるような名前だったり
。
特に、児童文学の登場人物は、面白い楽しい名前をつけて、読者である子供たちがワクワク読めるような工夫がなされている場合が多いようです
ハリー・ポッター・シリーズもその一つでしょうか?
また
化もされた「チャーリーとチョコレート工場(Charlie and the Chocolate Factory)」の作者Roald Dahlも、名前に凝るタイプだったようです
例えば、テレビ大好きなMikeの名前はMike Teavee
そう、family nameのTeaveeの発音はTV(テレビ)と同じです
ぷくぷく太ったAugustus(オーグスタス)のfamily name はGloop(グループ)。
gloopはイギリスのスラングで、「ねちょっとしたもの」「形のない塊」「ふにゃふにゃした塊」というような意味。その体型がイメージできますね
そして極めつけ。イタズラ好きの女の子の名前Veruca Salt(ベルーカ・ソルト)
Verucaという音から"verruca"という単語を連想します。これ、足の裏にできる「タコ」とか「イボ」とかいう意味だそうです。これは悪化するととても痛くて、さらに塩をつけるととんでもない痛みになるそうです
そう、この名前、このverruca(イボ)とsalt(塩)の組み合わせ。イギリスの子供たちは登場人物の名前を読んだだけでワクワクしてくるでしょうね
やっぱり自分の子供でもペットでも作品中の人物でも、名前をつける時は思いがこもりますよね
機会があれば英語の名前にも注目してみてください。