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韓国と日本について

瞋恚5

2010年11月09日 | 仏教
「打つ人も 打たれる人も もろともに

         ただ一時の  夢の戯れ」


室町時代の僧侶、夢想国師の歌です。

こんなエピソードが残っています。


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夢想国師が弟子を連れて

天龍川にさしかかった時、

渡し舟に乗り込むと間もなく、

酒に酔った一人の武士が

乱暴に乗り込んで

船中で狼藉をはたらいた。

乗客はみな迷惑したが、

こわいので黙っていた。



国師は

「どうか、もう少しお静かに願います。」

とやさしくたのまれると


「何をこの坊主、わしに説教するつもりか」

といきなり鉄扇で国師の眉間を打ちすえた。


師匠の額からタラタラとほとばしる

鮮血を見た待僧の面々、

この人たちは今こそ出家の姿をしているが、

元は北面の武士、腕に覚えのある人々ばかり。



「おのれ、天に向かって成敗する」

と息巻くそれらの弟子達を見て国師は


「お前たちは口先ばかりの忍辱であってはならぬ。

 これくらいのことで怒るようでは

 仏道修行はつとまらぬぞ。」

と順々に戒められ



「打つ人も打たれる人ももろともに

   ただ一時の夢の戯れ」


と詠じた。




くだんの武士はたちまち悔悟の涙を流して

国師の弟子になったと言われる。


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斬るか斬られるか、殺るか殺られるか

一時の瞋恚の炎に身を任せ、

尊厳な命さえも失う人が

どれほど多いことでしょう。。



国師のような忍耐は

なかなかできるものではないですが、

打つ人も打たれる人も、の歌のごとく、


「あいつ、こんなこと、言った。」

「あの人にこんなこと言われた。」


と心高ぶるときも


「言った人も

 言われた人も もろともに

  ただ一時の夢の戯れ」


と思い出したい。


「ふった人もふられた人も、、」

「儲かった人も損した人も、、」

「受かった人も落ちた人も、、」



常に思い出して、瞋恚の心を


泰然自若と乗り切りたいものです。




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