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汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

身体の線が無くなるまで

2015年12月12日 | 奇想の詩
流れる水に浸す この身体のあらゆる線が無くなるまで
沈み行く 水面から遠ざかる程に 暗くなってしまう
もうこの耳には あなたの声さえも届かない
この手を見て 全ての想い出や言葉がすり抜けて行く

水面から遠ざかる度に 湧き上がる
あの時の歓びや虚しさが この胸を打つから

拡がる紺碧の世界 光が淡く差し込む
ここには風の音さえも無い
揺られる身体は まるで迷路に迷いこんだように ただ彷徨うだけ
やがてあの深淵に融けてしまうまで
この手は もう誰にも握り返される事も無い

花弁が散って行く
いずれこの時間の感覚も 消えてしまうのだろうか
水面に浮かぶ小さな灯りは 優しい眼差しのように
どこまでも深いこの世界を照らしている

いつかその時が来たら
冷たいあの場所に 辿り着くのだろう
紺碧のこの世界に差し込む光
それは小さく揺れて 音も無く沈む
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夕闇を知らせる刻に

2015年10月18日 | 奇想の詩
叫ぶ声が滲む 夕闇の刻を知らせる微風
燃える焔にたかる無数の蝶
それは煌びやかに舞う幻想の絵画
その周囲を人々の影が踊る
誘惑の熱情に心が揺れて 火の粉は飛び散る
その渦中を蝶が可憐に舞い
やがて熱を欲した 夕闇の刻が迫り来る

焔に焼かれ 爆ぜる蝶
美しきその舞いに 踊る人々の影が 妖しく盛る
噴き出す熱風が 闇を赤く染めて
匂い立つ焔に 人々の叫ぶ声が 硬く脈拍を打つ

茹だる肌の輝き その憂鬱なる蝶が舞う 焔の中で
人々の影は踊り 叫び声を上げている
それは底無しの魅惑
その瞳に取り憑かれた姿を 襲う 燃える蝶の群れ

人々の汗が匂い立つ この眼が眩む程に
盛る焔に映る影は踊り それは激しく揺れる
その渦中を 蝶の群れは 可憐に羽ばたき
やがて灰となって落ちて行く

夕闇の刻を知らせる微風がそよぐ
その冷たくなって行く 時間の最中に
人々の影は 尚も踊りながら
その姿は この刻の彼方に消えて行く

そしてすべてが燃え尽きた跡に
灰となった蝶は この風に消えて
やがて夕闇の刻を 知らせる
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眠ったままのあなた

2015年10月11日 | 奇想の詩
その果てには 一体何が視えるのか
月の輪郭 そこを辿る涙が 海原の闇へと 消えて行く
ここから観る眺めは 何処までも深い
走り回るさざ波 ほら夢が滲むよ
この何処までも深い闇は
何時でも あなたを待っているから

不思議だね 水面にただ揺れている
この身体の奥にまで 染み込んでくる
虚しい想いは 海水と冷たく混ざり合い 溶けて行く
海の漆黒と反響する鼓動
それは月の運行に沿って やがて沈む定め
全てを呑み込む 海原の夢
それは 今弾けて
迫り来る暁の光りと共に 終わってしまう

眠ったままのあなたは 風に吹かれて
何処までも広い この海原に取り残されている
輝く明星 細く欠けた月の輪郭が
夜空を紺碧に染めて行く
あの果てには 一体何があるのだろう
底知れぬ 海の暗黒に 墜ちて行く
何処までも広い この世界で

何時かは それに触れられるだろうか
視えない海の底を流れる わだかまりに
風に吹かれ 眠ったままのあなたが
海辺に散らばる 貝殻の足音で 目を醒ますまで
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蒼白の闇に

2015年09月04日 | 奇想の詩
ざわつく陰に 映る 揺らめく炎
人の影は血眼に はやる時間
巡る走馬灯の爆ぜる涙
貴方の流す視線の向こうに 重なる罪の刻

幾つもの夢が
貴方のかざす剣で 血に染まり
その旋風に あえなく散っていった
花の言葉でさえも
この悲劇の終焉を まだ知らない

見果てぬ空 その蒼白の表情は
時喘ぐ困惑と 幻想の巻く炎の渦中
時は今開かれた
貴方のその静謐なる瞳の中で
燃え行く私の身体は 音を立てて瓦解する
あの合一の瞬間に すべてが滅びる運命
やがて訪れる永遠は
この瞳の中に咲く
一輪の花と交わす接吻の最中に
現れるだろう

幽かに 濃紺の炎は滲む
まるで蒼白の闇に溶けるように
その暗がりの中を 貴方は歩み行く
揺らめく炎
それは今も ざわつく人々の陰を 映している
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夢想の白夜

2015年08月30日 | 奇想の詩
あの峠で立つ 貴方の姿
深緑の森に 霧が漂う 夢想の白夜
灯台の明かり 照らされし船乗り
漕いでは また 濃霧の中へと 舵を進める

静寂の島に 降る霧雨
冷たく身体を 疲弊させた船乗りは
ただあの暗雲を見つめている

あなたの髪がなびく その度に
暗雲の空は 昔日の想いと重なる
灯る炎 船頭は その冷えた身体を丸め 眠る

濃霧が 微風にそよぐ
果てしのない白日の夢へと
船頭は 尚も 舵を進める
灯台の明かりは 煌々と 濃霧を照らしている

先の見えない 白霧の世界
それは果てのない夢の園
貴方の眼に浮かぶ涙に
深緑の木々が揺れている

やがて零れ落ちる 訪れし運命の時
あの峠に遺りし 貴方の影が
暗黙の海に その微笑みを映す
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一筋の焔

2015年08月28日 | 奇想の詩
この手に煌めく 一筋の焔
それは絶えず燃えて 闇を染める

貴方の表情さえも 見えなくなる
風にそよぐ 夕日の中で
踊る 貴方の影に射す 月明かり

すべては闇の中へ
流れてゆく 血の宿命に
落とされた世界は 今 産声を上げた

この手に煌めく 一筋の焔
それは絶えず燃えて 貴方を染める

悲しみに触れた その手には
歴史のうねりに呑まれた 血が滴る

すべては闇の渦中に
呑まれた貴方の手が 救いを求める
それは絶えず燃えて 貴方の闇を染める
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青葉

2015年07月25日 | 奇想の詩
燦然と 輝くのは 水面に浮かぶ 青葉
ひっそりと流れて
誰にも知られる事なく ただひたすらに
想いをひた隠して

煌々と太陽は 青葉を照らしてる
その想いを 壊さぬように
決して 怯えで 壊れぬように

この みちのくすがらに
怯えなどの感情を隠しながら
流れて ただ身を浸してる
誰にも知られる事もなく
流れて行く 青葉

このみちのく 流れに身を浸してる
ただ生きてる それを胸に

太陽は 燦然と輝いてる
怯えなども 厚く包み込むように
ただ あの頃の想いを 胸に抱いて
溶けていく 光の中へと
あなたは その手を差し出したまま
青葉の流れる 姿を見つめている
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溶け行く輪郭から流れ出る喧騒

2015年06月27日 | 奇想の詩
寂れた町 溶け行く輪郭から 流れ出る喧騒
奏でられし リズム 町の灯りは煌々と 唸り続けて
人々の陰を 押し流して行く

やがて散り散りになった 人々が溶けて行く
町の喧騒は 華々しい 旋律を奏で
溶け合う人影が 重なるように 降り積もる
唸り 熱微睡む 赤い肉体は 交わり合い
跡形も無く この町の形を 溶かしていく

寂れた町が 音を立てて 崩壊するとき
あなたの胸の内には 確かな鼓動が 発生する

人々の 声が 煌々と 唸り続けて
寂れた町の存在を 掻き消して行く
この熱のうねりに 身体は 高揚する

あなたの声が 掠れたまま 夥しい人影に流されて
喉を締め付けられながら 窒息して行く
町の喧騒は 夥しい人影に 煌めきながら
あなたの存在を 掻き消してしまう
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あなたの身体の中で眠っていたい

2015年06月19日 | 奇想の詩
せめぎ合い 空白を埋め尽くす 感情の澱
淀み 明かりの届かない場所に 降り積もる
鮮やかな あなたの表情が 雨に塗れて 膨れ上がる

感情の波に 襲われて 崩壊する
ここは 鼓動が渦巻く あなたの心の中

犇めく 言葉の形象が 喉を締め付けている
胸にこだまする 涙の音が 鼓膜を揺さぶり
鮮やかなる 色彩の渦巻く 音色が滲み出す

振動する 何もかもが壊れていく中で
欲動する 鼓動の高鳴りは あなたへの想い

噴き出す 感情が すべてを呑み込んで行く
犇めく言葉が 色褪せて その形象を失う

流れ行く この想いと 共に融解して
あなたの身体の中で 眠っていたい
鮮やかなる あなたの声に抱かれて
永遠に眠っていたい
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空白の時を奏でる光

2015年06月19日 | 奇想の詩
触れる手の冷たさ 空白の時を奏でる 光
空一面に拡がる 暗雲の群生
地上を濡らす 涙の雨に打たれ 歪む顔の輪郭

流れて行くのを ただ見ている
この雲の先には 滞ったままの 風
そよぐ葉の揺らめき 喧騒の世に咲く 儚き死相の輝きよ
果てない空が 流れて 時間の波が 空白の鐘を鳴らす

やがて この手の導く未来に 鮮やかなる花が咲く頃
あなたの冷めた笑顔が その花びらの散る姿に 塗れる

一雫の波紋が拡がる 煌びやかな 花火
舞う火花の騒々しい 町のリズムが 鼓動している
揺蕩う波 拡がる瞳孔に 入り乱れる光
すべてはこの町の沈鬱なる 情景
鮮やかなる血に染まる 身体が 横たわる 町の死相
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