二人のピアニストに思う

gooニュース、注目のトピックスで「フジ子ヘミングがNHK斬り」を見て自分でもブログを作り、発言したくなった。

昭和の青春(2)

2008-05-16 15:59:50 | Weblog
前回書いたことだが、
「過去の中に自分の忘れてきた大事なものを見る」
とか、
「成長とか、開発でなく、質のいい文化をつくるのを大切にしたい」
という思いは、10年位前までは、時々それを訴える人が居た。
雑誌の切抜帳を見ると、そういうことを世間に向かって訴えていた人達は、今では殆ど亡くなってしまった。

私はそれを、老人の繰言、とは思いたくない。
それらの「警告」とでも言える発言を活かせないで来た現在の世相は、かなり危うい段階にあるように思えてならない

★ ★ ★ ★ ★ ★

例えば、2008/05/12のテレビで、
なまこ養殖などの海産物漁業の危機的な状況
が、報道されていた。

勤勉に働いてきた漁師達は後継者もないままに老化していく。
その現状は、ある部分までは、時代の変化で仕方ないとも思う。
しかし、
その人達が苦労して海産物を育ててきた漁場が、
   密猟者達によって荒らされる話

は、時代変化の問題ではない。

荒らされても、役所は何もしてくれないので、
漁民は自分達で警備船を作ったりして自衛するが、密漁船の方が力があるので追いつかない。

よしんば苦労してワルを捉まえてみても、
ノーテンキな法律関係者(行政、立法、裁判官など)が、全然有効な動きをしてくれないので、役に立たない。



これが老人に、「成長とか、開発でなく、質のいい文化をつくるのを大切にしたいという思い」、を愚痴らせる因子である。
これは漁業と都会生活の選択の問題ではない。
このパターンは、何も漁業だけに限ったことではない。

★ ★ ★ ★ ★ ★

政治が動かないのは、昔の井戸塀代議士の時代のように「志で動く」のではないからだ。
政治家は口先ではいろいろ言うが、本心は次の選挙で自分が当選する事が行動の基準である。
道路族、医師会族、など支持者の利権確保、が全てである。


そうなったのは、二世議員が多くなって、労せずして親から受け継いだ地盤が志よりも大切だからである。


裁判官は、漁民が大変な苦労をして捕まえたワルの密漁者に、法律の条文で、安い罰金を科せばそれで終わり。
漁業の未来は法律とは無関係だから、日本の漁業がどうなろうが、知ったことではない。

官僚は天下り先の確保が、行動基準であるから、日本の漁業がどうなろうが知ったことではない。

本当はマスコミがそれら行政の怠慢を追求する為に存在する筈だが、
マスコミもガソリンの値段が20円くらい騰がって乗用車の給油代金が1000円増えるなどということを連日報道するだけで、食料自給の根幹に関わるこの遥かに重要な問題は殆ど問題にしない。

社会構成員が、それぞれの役割を果たさないのだから、
老人が「過去の中に自分の忘れてきた大事なものを見る」のである。


最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
同一趣旨? (晩秋)
2008-05-18 05:05:57
五木さんの話と同じ毎日新聞だが、5月9日の生活欄に野坂昭如の”人知らねば進歩なし”という文章が掲載されています。
ここのピアニストさんの記事と全く同じ趣旨の話と思います。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。