秀樹は東京の空を見上げながらダニーボーイを吹いていた。
「故郷の福島県いわき市に戻れるまで何としてでも東京でがんばろう」
この思いで頭の中は一杯だった。
気がつくと
江戸川のお年寄り達が秀樹のクラリネットを聴きに集まっていた。
「いいねえ、いいねえ少年の頃を思い出すよ。戦争が終わって何もかも失なっちまったが東京の青い空の下にラジオからダニーボーイが流れた時には生きている喜びが湧き上がってきたぜ」
一人の年配の男性が言った。
「見かけない子だねえ」
違う男性が秀樹に声をかけた。
「福島から引っ越してきたんです」
「じゃあ何かい、今度の震災で・・・・・・・」
「そうです」
「今からはこの江戸川を故郷だと思ってがんばるんだよ。俺達が応援してやるよ。俺達も東京大空襲で孤児になっちまって戦後苦労したんだよ。音楽が俺達の人生を支えてくれたんだ。とにかくがんばんな」
「ありがとう御座います」
話が弾んだ。
秀樹がクラリネットで花を吹くとお年寄り達はそれにつられて、
「春のうららの墨田川・・・・」
と楽しそうに歌を歌い出した。
「故郷の福島県いわき市に戻れるまで何としてでも東京でがんばろう」
この思いで頭の中は一杯だった。
気がつくと
江戸川のお年寄り達が秀樹のクラリネットを聴きに集まっていた。
「いいねえ、いいねえ少年の頃を思い出すよ。戦争が終わって何もかも失なっちまったが東京の青い空の下にラジオからダニーボーイが流れた時には生きている喜びが湧き上がってきたぜ」
一人の年配の男性が言った。
「見かけない子だねえ」
違う男性が秀樹に声をかけた。
「福島から引っ越してきたんです」
「じゃあ何かい、今度の震災で・・・・・・・」
「そうです」
「今からはこの江戸川を故郷だと思ってがんばるんだよ。俺達が応援してやるよ。俺達も東京大空襲で孤児になっちまって戦後苦労したんだよ。音楽が俺達の人生を支えてくれたんだ。とにかくがんばんな」
「ありがとう御座います」
話が弾んだ。
秀樹がクラリネットで花を吹くとお年寄り達はそれにつられて、
「春のうららの墨田川・・・・」
と楽しそうに歌を歌い出した。
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