現代日本人文芸：呉原百合蔵小説：次に総理の椅子に座る者は誰だ：第１１１回：フィクション

「次に総理の椅子に座る人はトランプ氏の対応に追われるね」

　Nの仲間がNの顔を見た。

「トランプ氏に仲間だと思ってもらうのがいい」

　Nがこう答えると、

「Nさんはトランプ氏に信用されているもんなあ。Nさん対応の仕方を伝授してあげてよ」

「お望みとあらば」

　Nはニヤリと笑った。

そしてこう付け加えた。

「次に総理になろうとする人は自動車業界に信用されないとな」

　みんな黙ってうなずく。

「アメリカでの新しいビジネスに目が効かないと」

　このNの言葉に、

「そんな総理候補いるかなあ」

　仲間のこの一言にNは苦笑した。