横濱kabitanの、あれこれ話

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日米コミックス比較⑨

2009年11月02日 04時09分17秒 | 海外マンガ研究

-続き

Q:VertigoとMinxの読者を,どうやって差別化するのですか?
A:Vertigoは,18歳以上で圧倒的に男性ですが女性も増えています。多くの作品に,女性ファンがついています。どちらかと言えば,両性向き。
 Minxは,10代の少女に向けた作品になります。もっと若い子を対象にしたモノ,特に少女向けにしたモノという事ですね。男の子は,対象ではありません。
Q:それでは,Vertigoは歴史的に見て・・・
A:Vertigoはフィクションというジャンルものでした。でも,Minxは本質的にリアルな世界の中のリアルな少女達についてのリアルな物語。
Q:それは,マンガとのもう一つの違いですね。
 マンガはしばしば,10代や高校生とファンタジーの要素を結びつけた物語です。
A:その通りです。
 ある時点でそういう作品を作り始めないとは言えませんが,今の処はその考えはありません。
 来年後半に出版予定の一つに,サイバー・エンジェルのようなモノが出てきますがそれは未来を舞台にしたリアルな世界です。最初のデジタルガールについての物語であって,超自然的な力を持った人々についての話ではなくって・・・
Q:子供向けSFモノみたいな?
A:そうです。
Q:アメリカコミックス形態ではなく,グラフィックノベルで始める決断をした事について話しましょう。
 それは,こちらでは対象読者がどこで本を買うかに関係していると,考えているんですが。
A:10代の少女達は,マンガを主に一般書店で買っています。
 Minxが読者として想定しているのも,すでにマンガを買っていてグラフィックノベルを読んだ事のある少女達です。
 ある中近東での革命を時代背景にした,社会派自伝的作品が少女達をグラフィックノベルに引き込んでくれました。これは大人向けに書かれた本ですが,多くの少女達が読んでいる。青年向け小説に代わる,隙間市場を開拓するにあたってマンガと先の社会派自伝的作品の間,どこかに自分達の市場を探している処。
Q:10代の少女達がグラフィックノベルを主に一般書店で,もちろん一般書店でだけではありませんが,購入している事を話してきました。DCのようにコミックス専門店業界に影響力ある出版社が,少女向けレーベルを立ち上げるという事で専門店にも女性層が来る事を期待しますか?
A:そうなれば,素晴らしいと思います。
 専門店に少女を呼び込む事は,私達の長年の目標でした。幾つかのVertigoモノで,それができたと思いますが,でも,少女達がもっと専門店に来るようになると,いいですね。
Q:スケジュールについて,お聞きしたいと思います。
 2007年に,Minx作品は幾つ位出す予定ですか?
A:7冊。
 5月に始まって,月1冊ずつ出します。
Q:シリーズものになるのは,ありますか?
A:2作品は2作目が出る予定ですが,殆どが1冊で完結。
Q:Minxに関して,何か他には?
A:当社(DC)はストーリーを語るための沢山の脚本/描き手がいて,コミックスには成長する可能性のある市場があります。マンガのおかげで,10代の少女達がコミックスというモノを読むようになりました。当社は,Minxで10代の少女達に,魅力的ストーリーを読むための場所をもう一つ,提供できるようになりたいと考えています≫』
-マンガ市場への参入
●〔米マンガ翻訳出版Tokyopop,少女マンガ米国人読者開拓(朝日新聞-2004.1.21)〕
『≪(出版社側コメント)マンガの素晴らしさは,まずデザイン。
 人物・服・背景・コマ割り,など全体のデザインが美しい。アメリカ映画のようなスピード一点張りと違う,物語の展開のメリハリも魅力的。
 TVアニメ「セーラームーン」人気で,原作に関心持つ少女が出てきたので少女マンガを出した所,新たな市場が生まれた≫
 読者の7割は,女性-アメコミ中心の米国コミック雑誌が相手にしてこなかった,少女読者層を開拓』
●〔ビジネスモデルの挑戦(アニメアニメ-2005.10.25)〕
『東京国際映画祭関連企画として,映像産業機構が中心となり開催。作品制作者が事業協力を求めて,自ら企画説明・提示-本年度の映画祭の新たな試みだ。
 Tokyopop出版の「プリンセス・アイ物語~アイランド伝説戦記(クロニクルズ)~」は,キャラコンセプトのみ人気マンガ家・矢沢あいに提供して貰い,実際の物語や作画は出版社スタッフが描いている点である。また,作品コンセプトにはゴシックロリータ/Jポップ/アクション/ファンタジー/美少女,とサブカル人気要素を全て投げ込んだかのような非常に,マーケティング主導の作品という感じを受けた』
●〔アニメエキスポ出展企業(アニメアニメ-2006.7.2)]
『≪米国で最も成功した日系アニメマンガ企業の一つ,VIZメディア-
 今や,日本マンガで圧倒的強みを発揮している。それだけに,ファンからの支持も圧倒的でブースは終日,大混雑。今年からは,マンガだけでなくアニメにも積極的に取り組み≫
≪日本マンガの先駆者として知られた,Tokyopop-
 例年に較べて,小振りでマンガ販売に特化している。ここは,事業の多角的展開と共に日本だけという視点から離れつつあるかもしれない≫
≪講談社との密接な業務提携を生かして展開する,デルレイ-
 今後の成長は,まだまだ期待できる≫
≪米国出版社ダークホース-
 マイナーで,マニアックなマンガで注目される≫
-今年は,昨年に較べてマンガ出版社の積極的な出展が目立つ。また,中小の小売店でも販売主力商品は明らかにDVDからマンガへ移行していた。
≪今年から参加の,紀伊国屋出張店舗-
 品揃えは,マンガ中心になっている。ここでもやはり,米国でのマンガ出版・販売の関心が急激に増やしている事がわかる≫』

-続く



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