根性無しの山羊座

山羊座のくせに、飽きっぽく根性無しです。

プロジェクトF試聴会に行ってきました

2011-12-10 19:48:17 | 【自作AV】
 今日は新橋で行われた「プロジェクトFイジリ倒し会」に行ってきました。このブログを見に来る人は「プロジェクトF」が何かは知っていると思いますが、一応おさらいをすると・・・。

 「プロジェクトF」は、オーディオ会社PARC Audioから年明けに発売される、自作スピーカー用ハイエンドユニットです。PARC AudioとはSonyの業務用スピーカーユニットSUP-L11、T11を開発された冨家信夫さんが立ち上げた会社で、プロジェクトFにはSUP-L11、T11で培われた技術がふんだんに投入されています。

 技術的なことはこちら → PARC Audioブログ プロジェクトF記事まとめ

 で、今日は最終プロトなユニットを色々な筐体に取り付けて、ユニットのポテンシャルを先行体験しようという主旨で行われました。参加者は20人弱です。


かなり機材を持ち込んでいたので、セッティングに手間取っていました。参加者全員でお手伝いです(^^) ガレージメーカーならではのアットホームな試聴会です。

 開始までのあいだにキーパーツの回覧をやってました。


プレスされたツイーター用のアルミドーム。すっごく薄いです。


写真では厚さが分かりませんが、15uと40uです。15uのドームを来る前に一つ触ってみたら凹んでしまったと冨家さんが言っていました(^^;)


ウーファーのコーン紙+エッジ。検討したものの一部だと思うのですが、絞り方の違いや、リブの違いなどで20種類くらいありました。中にはコーティングしたものも。エッジは薄くてふにゃふにゃです。下がダブルダンパーなので、エッジはシーリングがメインになるわけですね。

 セッティングが終わって、最初は30L箱形ボックス+ネットワークバージョンから


Hippoさんがセッティングしたので、Hippo音になっています(^^) やっぱり上手だよなぁ。

Hippoさんのデモ終了後は、箱はそのままでチャンデバ+マルチアンプに変更。


先ほどはバッフルが革張りだったのですが、普通の白木のものも比較試聴しました。音が少し強め(はっきりとしてキツめ)になります。


お昼休みをはさんで、真空管オーディオフェアで使用した30Lラウンドボックスに付け替え。低音たっぷりでゴージャスな音です。


コアキシャル用に販売されている16Lボックス+別体ツイーターボックス。低音はタイトになりますが、現実的に普通の部屋で使うのならこれくらいがいいんじゃない?という人も結構いました。

 このボックスを使って、チャンデバ上でクロスを変更して比較試聴もしてみました。マイクを設置してみんなで特性を見ながら、調整して聴いたのですが、面白かったですね。自分は測定をやるし、別体TWもやったことがあったので、アライメントでの特性の変化は知っていましたが、自作をやらない人は実際のグラフを見て、結構びっくりしていました。
 WFの素の特性も見ましたが、紙だけあってロールオフも自然です。まぁでも、この位のクラスになると、ウーファースルーでTWちょん乗せみたいな使い方は勿体ない感じですね。ちゃんとつないでやった方がリッチで良いです。

 音について。インプレがHippoさんがかけたディスク中心になるのですが、一番驚いたのはコーラスでした。17cmの2wayであんな鳴り方するのかーって感じです。良く出来た小型スピーカーでソロボーカルを聴くと、まるで目の前で歌っているように聞こえますよね。プロジェクトFはその表現レベルのまま、合唱団まで対応しちゃった感じです(伝わるかなぁ?)。合唱団が本当にそこで歌っているかのよう。あれ、合唱団の中に肉親がいたら、どの辺りの位置で歌っているか分かると思いますね。そのくらい生々しかったです。

 インドネシアの打楽器の奴も良かったなぁ。静かなところからいきなり大音響が出るとびっくりしますが、その驚き方って、生音の時とスピーカーの時って結構違いますよね。大体スピーカーの音は嫌な感じがするのですが。これがプロジェクトFだと生音で感じる驚き方に近いです(この表現も伝わるかなぁ^^;) 音の立ち上がりがいいんでしょうね。

 Hippoさんが「最強の煩い音」と書いていたパイプオルガンも聴かせてもらいましたが、確かに確かにきらびやかで凄い音でした。そしてその再生音の中で奥さんが寝ちゃったというのもよく分かりました。

 結局、音が自然なのだと思います。この音を聴いていて、どんなスピーカーを聴いても不満だった頃を思い出しました。そういえば昔は「なんでスピーカーから出る音って、聴いたままの音を再現できないんだろう」と思っていたのでした。今はスピーカー自作などをするようになって、再生機器の都合も分かるので納得しちゃっているんですけどね。自然な音が出ない!ってのが不満だったのですよ、ずっと。
 もちろんプロジェクトFも聴いたままの音が出るわけではないですが、音の出方が自然で、あー、こういう音が欲しかったんだよなぁと思い出しました。

 製品について今日聞いたことをぼちぼち書くと

・販売は多分年明けから。
・ユニットは全てシリアル管理し、各個体の特性もメーカー側でファイリングする。(プロ用ユニット的な運用だそうです)
・TWは特性を見てマッチドペアを作り販売することにすると思う。
・このユニットに関しては、有償で修理も受ける予定。その際は管理保管している特性を参考にして、ペアから大幅に外れないようにする予定。
・本革エッジはパーツを取り寄せてはいるが、まだ検討はしていない。実はプロジェクトFはキーパーツ変更のバージョンアップサービスなどもやっていきたいと思っている(希望者は有償で本革エッジに変更できるなど)

価格とかいろいろな補足事項はPARCのブログで正式に書かれると思うので、そちらを参考にしてください。

いやー、最初に試作ユニットを見てから3年くらいですか、ようやく発売かと思うと感慨深いです。


コメント (10)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« クワガタ | トップ | 1ヶ月検診 »
最新の画像もっと見る

10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
昨日はお疲れさまでした (Mr. Hippo)
2011-12-11 09:24:29
おはようございます。昨日は一日缶詰で、やっている間は楽しいですが、後で疲れがきますねぇ。

さて、プロジェクトFのコーラスの生々しさについてコメントされていましたね。実は今回の私のデモの一番のキモのところだったので、それを感じていただけてとても嬉しいです。いろいろな曲をかけましたが、実は他のはオマケと言っても良いくらいだったのです。(笑)

このコーラスの熱い感じの再現というのがオーディオ装置でもっとも難しくかつ重要な事だと思っています。いわゆる骨董品の名器にはこの手の魅力感を感じる事があって、結構好きですが、もはやそれとは次元の違う高忠実度な”熱さ感”が出せる製品が出て来た事に感慨深さを感じますねぇ。

オフ会でまたお会いしましょう。
返信する
Unknown (ケン)
2011-12-12 08:36:00
 詳細で当を得たレポートご苦労さまです。私の方は不精なものではしょり過ぎですが。

 Hippoさんのデモは音場感が独特でしたが、本題から少し外れますが、あれは入力、アンプ系がかなり効いているのではないかと思います(^^;
 まあそれにしてもProjectFは微細な音をあれだけ表現できる能力があるということですね。
返信する
Unknown (GX333+25)
2011-12-12 18:27:38
 スピーカーで試聴中の写真全部に自分の後ろ姿が移っているとは思っても見ませんでした。よりにもよって、こういう試聴会にアニメの劇伴を持ち込んだ馬鹿者です。

 しかし、さすが横綱、ピアノ塗装の樽型の音は、見かけにたがわず、どっしりとした風格がありましたね。一方、Mr.Hippoさんの組まれたシステムは、低音の出方に冨宅代表と趣の違いを感じました。自分としては、日ごろ聞き慣れているせいか、冨宅代表の出音の方が心地よく感じました。

 それにしても、ユニットの各パーツに注ぎ込まれた情熱の凄さは、傍目で見るだけでも圧倒されそうでした。「どうしてもそうしなければならないのか? どうしてもそうするのだ!」という言葉がふと頭をよぎりました。
返信する
Unknown (keik)
2011-12-12 19:53:07
コーラスは、掛かっている間中鳥肌が立っていて、横に座っていたひでじさんに「これ、ちょっと凄くないですか?こんな音聞いたことが無いです」と思わず話しかけてしまいました(^^)

アンプも持ち込まれていたので、アンプ込みの音でしょうかねぇ。まぁPPの時もHippo音だったので、スピーカーシステムの調整にもそのワザが出ているのではないかと思います。
(そう言えば、真空管オーディオフェアの時に冨家さんが、「ソニー時代、システム屋さんにこういう人がいてくれてたらなぁ」とぼそっと言っていました ^^)
返信する
Unknown (Mr. Hippo)
2011-12-12 22:08:55
裏話を少しだけ。

プロジェクトFはとにかく地獄耳なので、プレーヤーもアンプもインターコネクトケーブルもごまかしがききません。私も富宅代表も準備は結構大変だったんです。(^^)

まぁお気の毒ですが、このスピーカーを買ってしまったら、他の部分も見直しになっちゃうかもしれませんよ。(笑)でも結果が分かりやすいのもこのスピーカーの良いところだと思います。
返信する
Unknown (keik)
2011-12-13 22:43:54
まぁ自分はまだ「理想の音」像を持っているわけではないので、このユニットに教えて貰いながら、環境を整えていこうかなと思っています。

今までは再生機器の違いも(そんなには)気にならなかった方なので(耳が鈍い ^^)、違いを教えてくれるユニットが実はちょっと楽しみだったりします。
返信する
Unknown (ひでじ)
2011-12-14 23:05:52
遅くなってしまいましたが、当日は皆さんお疲れ様でした。後片付け手伝えなくてすみません。しかし、価格も決まる前から導入を決められたkeikさんは本当凄い!羨ましい!!
自分が一番印象に残った所は、Hippoさんの所で最後のブラスバンドと大コーラスでしたね!ブラスバンドってあのちょっと煩い一歩手前の演奏って体育館なんかで聞くとありますがあの感じで、凄かったです。
返信する
Unknown (keik)
2011-12-15 22:00:24
そういえば生で聴くブラスの煩さが出てましたねー。hippoさんは予算の関係ですぐには買えないと言っていましたが。hippoさんが本気で組んだ奴をいつか聴いてみたい物です。

自分は一応「元祖PARCファン」ですので(^^)、退職金が無くても、嫁を拝み倒して買う気ではありました。SUP-L11みたいな大口径になっちゃうと部屋に入らないので17cmで作ってくれて嬉しいです。

冨家さんが出張から帰ってきてからの返事になりますが、秘かにWFの切削フレームオプションの見積もりを問い合わせ中です(5cmウッドのような共振分散フレームになったりするらしい)。買える範囲ならそれにしたいなぁと思っていますが、いくらくらいかなぁ。
返信する
切削フレーム (waka)
2011-12-18 01:45:16
良いですね~

私も一口乗りたいです
数が増えれば 安くなるかも?^^

砲金アダプターリング作らなくても良いかな?
返信する
Unknown (keik)
2011-12-18 23:06:22
まぁお値段次第ですけどね。切削フレームになった場合、取り付け寸法は他の17cmと非互換になると思います。
返信する

コメントを投稿

【自作AV】」カテゴリの最新記事