ゴールデンエース普及の歩み

【月刊 養豚界】昭和61年2月号~平成22年12月号掲載記事

「O157問題から学ぶ、家畜と病原菌と人間の共生」

2020-06-22 12:12:13 | 日記
strong>以下、「週間新潮」昨年11月21日号からの抜粋・引用である。「O157騒動は憫笑するのみ」遠山高史氏。この夏のO157大腸菌食中毒に対する人々の反応は、過敏・偏狭ですらあるような気がした。 色々な食品をあまりはっきりした根拠がなく危険視(排除)し、過剰な清潔意識と臆病さを子供たちに植え付けたのではないだろうか。大腸菌は人間の生存に不可欠な常在微生物。だが、そのなかにはコレラと似た下痢を起こすものがあったり、赤痢と同じか似た毒素を有するものもある。この赤痢と同じか似た毒素を有しているにがO157だ。O157によって症状を出さない人間が多数いるのは、免疫ができていることに加えて、安定した腸内細菌叢を有していることと考えられる。O157が恐ろしいバイ菌であると決めて、撲滅によって解決を図ろうとするやり方は分かりやすく説得力もある。公衆衛生的な政策も進めやすい。しかし、公衆衛生学は不潔恐怖症であるヒトラ-の思想の基礎をなしてた。過度の清潔重視は容易に神経症的となり、排他的均一をもとめるようになる。ほとんどの病気は放っておいても自然に治癒してうくものであることを、最近の人はあまり知らない。戦後間もない時代に子供だった私など、しょっちゅう下痢をした経験を持つ。本当に必要なことは、子供らがO157に触れないように気を使うことではなく、かからないしたたかさを獲得させることだと思うのだが。 食中毒予防の三原則は、清潔、敏速、加熱または冷却、である。一部の牛の腸内にO157が存在することから、汚染の元凶がすべて畜産物であるかのような報道、発言が後を絶たない。O157を含む病原性大腸菌は、ヒトの腸内、土壌、水にも生きているもんだ。昨年は、食肉と関連のない食品で集団食中毒が発生した。一般の細菌性食中毒と同様に、予防の三原則を守り、安全で安心な食生活を送りたい。 自然界における腸内細菌叢の状態が正常でないため、O157やその他の大腸菌性、細菌性下痢症になり、それぞれの免疫賦活作用が低くなり、豚の世界では、伝染性胃腸炎や流行性下痢など、まさに人畜同じパタ-ンで疾病が発生している。下痢発生で抗生物質を使うと善玉菌をともに抑え、さらに二次的に消化吸収のメカニズムを狂わす。後から取って付けたように乳酸菌を投与したり、ワクチンを密輸して免疫を与えるなど、綱渡り的な危険な方法が一部の現場で試みられ問題になっている。 活性酵素食品ゴ-ルデンエ-スは、腸内細菌叢を強く固定させ、ヘルペス様疾病にも発病を阻止する能力を示すもので、とくにワクチン接種後の抗体価を10倍程度上げることは常習の実績である。年間を通して、その効果は平均しており、発情再帰の明確、産子および育成率の向上、肺炎等の発病がなく、抗生剤などが不要と、豚の生活史が人工的に左右されることなく、その能力を充分に発揮し、それらを経済的な数字でしめすことで証明されている。 繁殖成績は今一つ、どうも育成のバラツキが気になる、肺炎等の病気の不安、また、その他の病気が心配だなど、当事者でないとわからない問題は、もうなくすという信念で、基本から見直す必要がある。そして、LW・Dでも年間一母豚当たり二〇頭以上、二四頭くらいの肉豚出荷を指標とし、それを育成率とする今年を目指してほしい。
 

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