風に乗って花びらが散る散る 花筏が侘しく流れて
散策道一面が花畳 ハトがエサと間違えたか?
わが町の中心を流れる川の両岸散策道の1500本のソメイヨシノ桜が今年も絢爛と咲き誇った。今年は全国的に開花が4,5日遅れたが、それでも多くの観桜客が訪れた。
そして立ち並ぶ屋台など露店の食べ物を頬張りながらシャッターを切る風景はいつもと変わらない。そんなサクラ祭りの10日間の行事が終わると、待っていたように大役を果たしたサクラが散りはじめた。
昨日のそぼ降る雨で叩かれた花びらが風に乗って川一面に広がったり、集結したりして、花筏となって下っていく。この筏の行く先は何処だろう。伊勢湾を抜けて太平洋へ。そして南の島へ・・・といつも思っていた。
だが今年はどうゆうものか、きっとそこらの草むらや石垣に引っかかってやがて朽ち果てるだろうと思うようになった。それはまさしくわが人生に置き換えたような思いである。そんな花筏の末路を思い描くと一抹の侘しさが余計に募る。
そして遊歩道一面も、まるで小雪を思わせるような花畳となって続いている風景を眺めてシャッターを切った。ふと周りを見たが、人影すら目に映らなかった。あの喧騒から再び静寂が戻ってきたが、いつもと違う侘しさが伝わってきた。
やはり老いの身のせいかもしれない。そんなとき数羽のハトがエサと勘違いしたのか、道の花びらをつついている光景が微笑ましい。