最近、名古屋では“バスが違反で捕まった”というニュースが続いている。スピード超過、信号無視、黄色いラインを越えての車線変更などなど… また、捕まっていなくても、“名古屋のバスの違反”が動画サイトにアップされているらしい。
上司からは「様々なニュースによって、バスを見る市民の目が厳しくなっている。また、ドライブレコーダーの普及によって、いつ何処で誰に撮られているか分からない。法令遵守で乗務するように!」などと言われた。
営業所の掲示板には“右折レーン手前のゼブラゾーンを通行してはいけない”という意味のイラストまで張り出されているのだが… 私は「冗談でしょ? 本気でこんなこと言うつもり?」と思った。
なぜならば、一年ちょっと前の“路線教習”では「(某総合駅手前にある約200mの跨線橋上で)ここのゼブラゾーンは気にしないで、そのまま右車線を行って右折レーンに入って下さい。そうしないと遅れますから…」と“指導”されていたからである。
そこは片側二車線の道路で… 跨線橋手前のバス停を発車したら、すぐに右車線へ出て坂を100mほど上って行く。跨線橋の頂上付近に僅かなゼブラゾーンがあり、そこから前方の交差点まで100mの路面には“右折矢印”が書かれている。
だから、知らないで(知らないふりをして?)空いている右車線をガァ~ッと走って行って、跨線橋の頂上を越えて… 交差点の手前で左車線へ入ろうとする車は珍しくない。
私は、上司に“ゼブラゾーンに対する本気度”を確認しようと思ったのだが… “ある上司から「聞かれたら駄目だと答えるしかないから聞くな!」と言われた”なぁ~んて話が聞こえてくるくらいで… 相変わらずの“責任転嫁体質”のようだ。
通常、重要なことは… 掲示するだけでなく“点呼時などに口頭で”伝えられていることを考えると… このゼブラゾーンについては掲示のみだから… 多分、あえて曖昧なやり方をしておいて、何かあれば「我々は掲示して注意を促している。見ていない運転士が悪い」と言うつもりなのだろう。
まぁ、いいわ… 実際に、あんな所でゼブラゾーンを避けていたら、朝夕なんてとんでもないこと(ゼブラゾーンの先は空いているのに、その手前まで並ばなければならないという無駄な渋滞発生!)になってしまう。私のバスの乗客はもちろん、次々と来る他のバスも、その他の車も… 喜ぶ人は誰一人いないのである。
だから、あんな無意味なイラストは見なかったことにしてやろうじゃねぇか! もしも、それで何かあったら? フッ… 好きにせぇや! ブログのネタになるだけだがや! ハハハ…
そこへ入ってくる数多くの電話やメール… その大半がごく普通の問い合わせだと思うけど、その他に「優秀な運転士さん、ありがとう」とか「ボケ運転士のバカやろー!」という声も少なくないようだ。その中から、いくつかピックアップされた“ご意見”のファイルが営業所の休憩室に置いてある。私は、前の前の営業所時代には時々見ていたのだが、前の営業所へ転勤になって以後、その存在すら忘れていた。
で、今日の午後… 久しぶりにチラッと見てみたら、「恥をかかされた!」という苦情があった。それは… “バス停で待っている間、ずっと携帯で話していた。バスが来た時には、まだ会話の途中だったので、そのまま乗った。すぐに切ろうと思っていたのに、運転士がわざわざバスを止めて、私のところまで歩いてきて注意された。みんなの前で恥をかかされた。謝罪しろ!”というような内容だった。
私は、それを読みながら「バスが目の前に突然“ボンッ!”と現れるわけじゃないんだし… “バスが来たから、また後でね!”の一言で電話を切れるじゃん… 運転士がバスを止めて歩いて来たということは、一度は発車したということだから、その間は猶予を与えられていたんじゃないの? 恥をかかされたって言うけど… 電話をしていること自体が恥だとは思わないのかぁ~」とツッコミを入れていた。
それと同時に、私は「懐かしいなぁ~」と感じていた。前の前の営業所で読んでいた頃にも、まったく同じような苦情があったからである。まさか… 同一人物だったりして!? ハハハ…(そんなアホなぁ~)
2月から担当コースが変わってA地区巡回バスを毎週のように走ることになったのだが、それ以前に走っていた別のB地区巡回バスと違って経路が二種類(MサイズとLサイズ)あるし、かなり“寄り道(ジグザグ)”するので、乗客から「真っ直ぐ行く?」「××行く?」などと聞かれない日はない。
その度に私は「真っ直ぐ行きますよ」「××へ行きますが、遠回りしますので… 40分くらいかかります」などと答えている。すると「真っ直ぐ行くなら乗ります」「そんなに遠回り… じゃあ(遠回りしない普通のバスを)待ってます」などと言われる。
しかし、中には「そうかぁ… まぁ、いいわ。乗ってこ乗ってこ!」と言うお爺さんもいたりする。それに続いて、少々呆れ顔のお婆さんが「お願いします」と言いながら乗ってくるのである。まぁ、特に急いでいなければ、ちょっとした“地区内観光気分”を味わえると言え… ないか。この運転士にはガイドをする余裕なんてないからねぇ…
また、私の勝手なイメージかもしれないけれど… あっちこっち遠回りする巡回バスというものは、ほとんど決まった乗客になってしまうので、ちょっとだけ“私の運転士付きバス気分”になっていまうのかもしれない。
今日の午後… 降車ブザーが鳴ったので、私は「ご乗車ありがとう~」と言いながら減速… 降車ボタンを押したと思われる一人のおばさんが、早々と荷物を持って中扉(降車口)の内側に立ち… バス停には一人の乗客が立っていたので、私はバスを止めると中扉と前扉(乗車口)を同時に開けた。
すると、バス停に立っていた人が中扉の方へ歩いて行ったので、私は「あらまぁ… 他社バスと勘違いしてしまったかな?」と思ったのだが… 開いた中扉を“窓口”として、バスの中から外へ“荷物の搬出”が行われたのである。
そして、荷物を受け取った人はバス停から立ち去り… 荷物を手渡したおばさんは「どうもすいません」と言いながら席に戻り… 意外な展開に呆然としてしまった私は「あ、はぃ…」とだけ言って、バスを発車させた。
あぁ、こんなに楽しいA地区巡回バスなのに… 6月からはB地区巡回バスが含まれているコースに逆戻りである。う~む、残念…
今月から始まったA駅路線の右回りとB駅路線の左回り… 毎日のように乗る人たちには理解してもらっていると思うが、それほど乗らない人たちが迷わずに乗れるはずもなく… 「△△行きますか?」と聞かれることが多い。また、まだまだ乗っていない(知らない)人も多いと思われる。
普通、右回りとか左回りとか言われると… その路線を、数字の0(ぜろ)の形でイメージする人が多いと思う。0の頂点にある駅を出発して、グルッと一周して駅へ戻ってくるだろうと… しかし、今月から始まった両路線は、どちらも数字の6(ろく)をイメージしてもらわなければならない。
6を棒の部分と円の部分に分けて考え、棒の部分の先端にある駅を出発して、円の部分をグルッと一周して、再び棒の部分を辿って先端まで戻るのである。もちろん、実際の道路はそんな綺麗な形をしていないけれど…
数字の6は棒と円のバランスが良いけれど、実際の路線ではそう簡単にはいかない。それでも、B駅路線の左回りは“棒=約3km(バス停8個)、円=約3km(バス停6個)”とまずまずなのだが… A駅路線の右回りは“棒=4.5km(バス停13個)、円=約1km(バス停3個)”という形になっているのだ。
それは、数字の6というよりも… ゴルフクラブかカナヅチのような形である。確かに、円の部分は“右回り”になっているのだが、路線の大半が棒の部分なので… やはり、バスに乗る人たちもイメージしにくいのではないだろうか? いっそのこと、円の部分にあるバス停(◎◎停)を1つだけ取り上げて、あっさり「◎◎行き」と言った方が分かり易いかもしれない。実際、完全弊社の“そのような形の路線”では、そのように案内していたから…
先日の朝… 某駅バスターミナルの外にある路上停で発車時刻を迎えた。そこは片側二車線の道路で、バス停部分が歩道を削って作られている。だから、タイミング良く後続車が途切れないと発車できないのだ。
その時も「ちょうど途切れた!」と思ったら、1台の自転車がバスの背後から現れて側方を通過… 「ダメじゃん。やっぱり前方と後方の信号が赤になって、車の流れが止まるまで待つしかないかぁ~」と思った…
その時! 左車線を走ってきたタクシーが20~30m後方で減速して、右へ車線変更しようと右ウインカーを出したのである。私は「これはチャ~ンス! 左車線がガラ空きだぁ~ 安全に出られるではないかぁ~」と思って発進した。
んが、タクシーの後ろを走っていたと思われるマイカーから「パパァ~ン! パパパァ~ン! パパパパ…」とまぁ、しつこいくらいにクラクションを鳴らされてしまった。しかも、その車は… まだバスを追い抜こうと思っていたのか、すぐ横を走っている車と接触せんばかりに右車線にはみ出していた…
いいなぁ~ そんな好き勝手にクラクションを鳴らすことができて… 今のバスには、それが許されないんだよなぁ~ 昔(上司たちが運転士だった頃)は、バンバン鳴らしてもそれほど問題にならず… それだけでも、かなりストレス解消になっただろうに…