private opinion

next live 12.14 高円寺showboat(S)

猫が行方不明

2006-11-05 02:18:52 | てんきゅう
俺は常々時々死のリハーサルをしている。いかんせん自然の摂理というか予め決められたタイムリミットが生き物総てにある。
ウチの猫ちゃん(フルネームをカガワ=イソフラボン=テンキュウという)の寿命を考えて現在満11歳になる我家の愛娘ではあるのだが突発的、偶発的な魔に襲われる事無ければ確実に俺の方の余生が長い。
先立たれて遺族になるのは俺の方なのだ。
大切な家族の不在に因る喪失感をイメージする。例えば老化によるあらゆる機能の低下に伴い立ち上がる体力を失い静かに穏やかに召する。
そしてその時が来たとしてパニックに陥る事無く潔く受け入れる事で逝く側も安らかにそして死というモノが決して特別な事ではないと悟りつつ逝く。それを俺達は静かに穏やかに涙し悼む。
不謹慎だろうか、間違えてるだろうか、愛すればこそ対象の不在のダメージは深いだろう。ソレに耐えられる精神力に自信がないのだ。壊れない為にイメージするというと大袈裟なのかな。
それはそうと忽然と猫が消えたのだ。
たまに目を離すとベランダ伝いに隣りの部屋へ遊びに行っている時があるので最初は慌てず捜索を開始した。
部屋中のにゃんこ先生が隠れそう所を次々にチェキ。
狭い部屋なのでそうそうチェキする場所もない。
どこにもいない。
寝室の窓が開けっぱだったので捜査の範囲を建物全体に拡大した。
ま、結論を言うと見つかったんだけど。
4階のなんかせせこましいトコロに潜り込んでたらしい。なんせ結構な時間にわたり我が家から猫が喪失したワケで時間が経つ程にもしかしてこのまま帰って来ない?そんな焦燥感はまさにピークに達しようとした時、俺は思った。
「もしかしてウチには最初から猫なんか居なかったんじゃないか」
なるほど、在るモノを失われ悲しい不在に見舞われた時俺はそう折り合いをつけるか。日々のリハーサルがなんの役にもたってなかった話。


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