さりとて

昨日はテンキュウさんの12回目の誕生日でした。急いで帰宅中環七でまたやられた。
黄色い車線変更禁止ラインがあり、よく取締りをしている場所ではあったので、だらだら流れる車の脇を気をつけて走っていたのだが前方からオマワリが飛び出て来た。
「原付は左車線だろう！」と言われた。
「そんな事で！?」と言った。
給料日だった。猫の誕生日だったし突発的な雷雨も去り青空だった。
一気に突き落とされた気分、反則金は5千円、カツアゲにあった気分だった。"はんそくきん"と入力して一発変換したのが妙に気に入らない。
そういえば誕生日なのにテンキュウはケツにウンコ付けてた。かわいい。

猫が行方不明

俺は常々時々死のリハーサルをしている。いかんせん自然の摂理というか予め決められたタイムリミットが生き物総てにある。
ウチの猫ちゃん（フルネームをカガワ＝イソフラボン＝テンキュウという）の寿命を考えて現在満11歳になる我家の愛娘ではあるのだが突発的、偶発的な魔に襲われる事無ければ確実に俺の方の余生が長い。
先立たれて遺族になるのは俺の方なのだ。
大切な家族の不在に因る喪失感をイメージする。例えば老化によるあらゆる機能の低下に伴い立ち上がる体力を失い静かに穏やかに召する。
そしてその時が来たとしてパニックに陥る事無く潔く受け入れる事で逝く側も安らかにそして死というモノが決して特別な事ではないと悟りつつ逝く。それを俺達は静かに穏やかに涙し悼む。
不謹慎だろうか、間違えてるだろうか、愛すればこそ対象の不在のダメージは深いだろう。ソレに耐えられる精神力に自信がないのだ。壊れない為にイメージするというと大袈裟なのかな。
それはそうと忽然と猫が消えたのだ。
たまに目を離すとベランダ伝いに隣りの部屋へ遊びに行っている時があるので最初は慌てず捜索を開始した。
部屋中のにゃんこ先生が隠れそう所を次々にチェキ。
狭い部屋なのでそうそうチェキする場所もない。
どこにもいない。
寝室の窓が開けっぱだったので捜査の範囲を建物全体に拡大した。
ま、結論を言うと見つかったんだけど。
4階のなんかせせこましいトコロに潜り込んでたらしい。なんせ結構な時間にわたり我が家から猫が喪失したワケで時間が経つ程にもしかしてこのまま帰って来ない?そんな焦燥感はまさにピークに達しようとした時、俺は思った。
「もしかしてウチには最初から猫なんか居なかったんじゃないか」
なるほど、在るモノを失われ悲しい不在に見舞われた時俺はそう折り合いをつけるか。日々のリハーサルがなんの役にもたってなかった話。

てんきゅう

おい、俺何か悪い事したのかよ。
開けろよコノヤロウ、意味解んねぇよ。
なんでこんな事すんだよ。放置か?　プレイか?
楽しいのかよ、こんな事してよぉ、このど変態のサディスト野郎！

開けて下さいよぉ、、、

もういいじゃないですかぁ、陽も暮れてきましたし、あんたの放置は本当に忘れるからシャレにならんのですよぉ。

あ～け～て～よ～ぉ～～。

何?　シャッターチャンス?
あぁ、写真を撮るワケですか。
マニアックですなぁ。それ終わったら堪忍してもらえます?
ポーズはこんな感じでよろしいんですか?
誰にも見せないで下さいよ。

うん？

眠い。いくら寝ても眠いぜ。
新しい寝床が気に入ってるんだ。
かがわっちのヤツ、さっきからバタバタうるさいんだよ。
なんかアレ、ギターって言うの？ソレから伸びてるヒモを色んなトコに差したり抜いたり、何やってんだよ。うぜぇ。
どっか行けよ、たまにはよぉ。そして２，３日帰って来んな。
あぁ、誰か来たよ。
うん？この人は見た事あるなぁ。確かキ？とかヨ？とか言ってたな。
俺の危機管理システムはレベル1だ。人畜無害だな。
でも一応隠れるか、猫ってそういうモンだろう？
頃合見計らってヒョイって顔出せば、うわぁ、出て来たぁ、かわいいってなもんでな。
俺が可愛いのなんか知ってるっつの。
しかしその分かりきってる事実を殊更、際限なく言わしめてしまう俺の可愛さってのも実際考えモンだよな。

テンキュウ

おっす。
俺、カガワん家のネコ。
外は暑いんだろ？、毎日、毎日。
しかしカガワは大変だなって思うよ。
この暑い中バカみたいに働いてさ。
俺は２４時間空調されてっから快適だけどなっ。
つくづくネコで良かったと思うよ。
でもカガワが帰って来るとまず俺をこねくり回すんだよ。
何をさておきとりあえず俺をこねくるんだよ。
それはもうしつこいったらないね。
まじでキレそうになる時もあるよ。
まぁ悪気はなさそうだし、基本的にはいいヤツだから一応我慢はしてるよ。
それはそうとかがわっちよぉ、今日は俺のメシ忘れんなよ。
あんな間に合わせの安っいモン意地でも喰わねぇからなっ！。

てんきゅう

焼き猫。
ぷっくらふくらんでます。
何回叱っても火がついてない時はここに乗ります。

古い家具だの電化製品とか好きで
毎年冬になるとこのストーブを出すのが楽しみです。

てんきゅう

ハッと息を飲む可愛さ。
Eにもらった体がスッポリ収まるサイズの洗面器の中です。

猫捨て

東名高速の富士辺りだったかな、サービスエリアに猫がいました。
なんでこんな所に？
売店の人とかが飼ってんのか？とも思いましたが、それはちょっと考え難いです。
誰かに捨てて行かれたんだろうと思います。
一匹は前脚が折れていました。
食べ物は豊富そうなので、ぷくぷくと丸くて可愛いのですが、
確固としたA.Tフィールドを持っており、人を見る目は、なんだか憎悪のそれのように感じました。

どんなつもりだよ。
責任持てないんだったら飼うんじゃないよ。
おもちゃじゃないんだよ。
飽きたらポイか？ふざけんじゃないよ。

僕の周りには猫好きの人がたくさんいます。その人達はもしかしたら飼ってるって感覚じゃないかもしれない。なんて言うんだろう、部屋にいるっていうか、いてもらってる？
難しいな、家族みたいな、友達みたいな感じだと思います。

先日、ある先輩の所の猫が亡くなったそうです。その人の日記には
「よく頑張ったね、おやすみ」
と、ありました。
優しい言葉ですね。
猫冥利？に尽きるんじゃないでしょうか。

てめぇの子供の世話もせず、あまつさえ 殺してしまう奴もいる世の中です。
動物も飼い主を選べませんからね。
どうもならん。
ウチの姫も ここにいて楽しかったな と最後には思って欲しいです。

てんきゅう

満を侍しての登場です。
わが家の姫君〈てんきゅう〉です。
漢字で〈転球〉と書きます。
家に来たときはまだ手のひらに乗るほどで長毛種のため丸くなると本当に 毛の生えたボールみたいでした。
今年の５月で９歳になります。
この猫は僕のいろんな姿、側面を見てきました。人に見せるべきじゃないような僕の表情とかも知ってると思います。
「いろんな事がありましたねぇ、姫。これからもよろしく」

撮影【E】