グローバル・タックス研究会 ~Study Group On Global Tax~

貧困のない、公正かつ持続可能なグローバリゼーションのための「グローバル・タックス」を提言する、市民研究グループです。

欧州NGOからの提言:今日の“金融”資本主義の危機と開発

2008-10-25 | ドーハへの道(開発資金国際会議)
                  <イタリアの街角から ⓒk.yamada>

【解説】
グローバル金融資本主義の崩壊的事態にあって、もっとも深刻な打撃を受けるのは南の貧しい国々です。「モンテレー合意フォローアップドーハ国際会議」に向けて、ドイツのNGOであるWEED(世界経済・環境と開発)のピーター・ウォール(Peter Wahl)氏の「金融市場を開発に役立てるために 金融市場、危機および開発」と題した提言文書です。

この提言文章の中で、最後の「代替策と市民社会による行動の出発点」は実に示唆に富む内容となっています。ウォール氏は「今回の危機が後発開発途上国に与える影響を軽減するため、国連の管理下で国際緊急基金を設立する必要がある。そうでなければMDGは達成できないからである。この基金の資金調達においては、『投機家負担の原則』を取り入れなければならない」と主張しています。「汚染者負担の原則」ならぬ「投機家負担の原則」は、今回の危機をもたらした者の責任を不問にできないことを語っているのです。

◆『金融市場を開発に役立てるために 金融市場、危機および開発』
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以下、「金融市場を開発に役立てるために 金融市場、危機および開発」の目次です。

1.金融危機が途上国に及ぼす影響
 1.1 経済の崩壊と世界的景気後退
 1.2 長期的なドル安と高金利
 1.3 食料・商品価格を押し上げる投機
2. 金融市場―グローバリゼーションの最も力強いセクター
3. 不安定性の増大と、金融危機の頻度の増加
4.開発を妨げる為替相場の変動性
5.短期主義―安定性を脅かす存在
6.資本逃避と脱税―恒久的な資金流出
7.新たな経済システムの台頭
 7.1 新たな商品
 7.2 新たな市場参加者
 7.3 分配効果
 7.4 歴史的な転換
8.代替策と市民社会による行動の出発点

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