鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー◇第一章:第二話◇

2020-04-14 22:41:00 | 宇宙戦艦ヤマト2205新たなる旅立ち

宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー
第一章
◇第二話:第三代 宇宙戦艦ヤマト◇




洋上に浮かぶ第三代宇宙戦艦ヤマト。
ガトランティス戦役後、宇宙戦艦ヤマトのクルーたちは古代進をはじめ、防衛艦隊再編に伴い、一度、解散された。

宇宙戦艦ヤマトは再編により、単艦による特務艦隊とされた。
それに伴い、古代進を今回、行われ新たに改良、改装された機器、装備、兵装等のテストを兼ねた訓練航海で一定レベルの基準を満たせば古代を昇進させ、正式な艦長就任を拝命、古代にとっても試験の航海と成る。

今回のテスト・訓練航海では防衛軍総司令部から軍務官(三等宙将)が監査役として乗艦する事と成った。
これにより、宇宙戦艦ヤマトは再び将官旗を大気圏内では掲げ、また長官艇 (内火艇)を搭載する事と成った。

そして、古代進二等宙佐には一等宙佐相当の権限が与えられ、船務長を二等宙佐である真田志朗が就任、技術・情報長には新見薫 三等宙佐が就任。
サポートに桐生美影 二等宙慰が就く。
通信・レーダー長として森雪 三等宙佐が就任。補佐として通信には相原義一 一等宙慰が担う。
また機関長には山崎奨 三等宙佐、砲雷長には南部康雄 三等宙佐サポートには北野哲 二等宙慰が就く、航海長に島大介三等宙佐が各々、就任した。サポートとして太田健二朗が担う。
これに伴い、戦術長及び(科)は廃止された。
また、ガミラス戦役、ガトランティス戦役と艦医を務めた民間医である佐渡酒造に関しては、 留任を打診、二等宙佐相当の権限を与え、留任して貰う事と成った。
更に戦闘時には南部砲雷長、森通信・レーダー長、新見技術・情報長がCIC(第二艦橋)に移動、各任務にあたる。
森 通信・レーダー長のサポートとして太田がソナーを担当、また森については航空隊管制を兼任する。
また、北野、桐生、太田、相原、西条については基本的に第一艦橋にてサポートする。
波動砲については最終兵器の位置付けの為、基本的に艦長がトリガーを引く。
こうして新たに生まれ変わった宇宙戦艦ヤマトは、出航の時を待った。

航空隊を除き、新たなクルーも着任が済み、宇宙戦艦ヤマトはテスト・訓練航海へと旅立つ。



「ヤマト後方上空に飛行物体接近!」
「距離10.000(m)総数36!」森雪による報告が飛び込む。

「飛行物体より、通信を受信!」ほぼ同時に森雪をサポートする相原が告げて来る。

「うむ。」
「回線を開け。」

「回線を開きます。」

「此方、連邦防衛軍第一防空隊第六分隊分隊長篠原。」
「貴艦の直俺機を命じられた。着艦を許可されたし。」

「うむ。相原、着艦許可を出せ。」

「此方、ヤマト。管制二従い着艦せよ。」

「了解(ラジャー)。篠原以下18機、これより着艦体制に入る。」

「続いて、同防空隊第七分隊山本より、入電。」
「同じく着艦要請。」

「うむ。許可を出せ。」

「ヤマトから山本へ。篠原隊同様、管制に従い着艦せよ。」

「了解(ラジャー)。山本以下18機、これより着艦体制に入る。」

こうして新たに再編成された航空隊36機とパイロットたちが加わった。
監査役が座乗している事で、何時もよりも緊張したのか古代は、艦長帽を取り、額の汗を拭り、艦長帽をかぶり直した。

「大気圏を離脱する。大安定翼、収納。」

「うむ。長官旗、収納せよ。」
「機関長。第二戦速から第一戦速へ。」

「了解。第二戦速から第一戦速へ。」




「艦長の古代だ。しかし、よく中央が許可したな。
相原と交信する篠原に古代が割って入った。

「同じ訓練で練度を上げるなら、切磋琢磨したヤマトでねって思ったのでね。」
「ダメ元で具申してみました。」
「藤堂長官の計らいじゃないスッか!?」

「そうか。また、よろしく頼む。」

「ラジャー。」

◆◆◆◆

時を同じくして、大マゼラン銀河サレザー恒星系第四惑星ガミラスでは突然の奇襲により、帝都バレラスも八割以上が占領された。




「報告致します!!帝都の約八割が占領、臣民及び帝都の被害甚大!!」
「帝都防衛は事実上の壊滅です!!」
バレラス中央司令部内に終わりなきオペレーターによる被害報告。
病に倒れたヒス首相の代行を務める航宙艦隊総司令ガル・ディッツは、暫く無言のままであった。

「……。」
「通信士。基幹艦隊との連絡は取れんのか?」

「…24時間前の超空間通信が最後です……。」

「うむ。解った。」




「総統。まもなくイスカンダル・ガミラス星宙域に入ります。」広域レーダーを見張るオペレーターが告げた。

「うむ。戻って来たか。我が故郷(ガミラス)に。」

「ん!?妙だな?」

「どうかしたかね?」

「ハッ。ランデブーポイントなのですが、艦(ふね)が一隻も見当たりません。」

「サプライズでも用意しているのだろう。何処かに隠れているかも知れんな。」
「レーダーを見落とすなよ。」レーダーオペレーターの報告に今や、デスラーの右腕的存在と成ったタラン参謀長がジョーク混じりに答えた。

だが、それは別の意味でランデブーと成ってしまう。

「近榜空間にジャンプアウト反応!」

「やはり、隠れて居ったか。」

「12時、3時、6時、9時の方向からジャンプアウトして来ます!」
「我々は囲まれています!!」




「ほう。思いがけないサプライズだな。」
「タラン。全艦、戦闘配置だ。」
「砲雷撃戦準備。戦闘甲板開け!」
「全艦、密集隊形で続けッ!!」




第一章
第三話へ
つづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー》の二次創作です。
もしかしたら、永遠にまでを含めた「起承転結」の四話(四章)に構成されるのかもと思い書いてみました。

使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。

宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー◇第一章:第一話◇

2020-04-12 15:30:00 | 宇宙戦艦ヤマト2205新たなる旅立ち

_大マゼラン銀河
サレザー恒星系第4惑星イスカンダル_

王都イスク・サン・アリア。
王都の中心に天空に向かって聳えるクリスタルパレス。
眼下に広がるマザーの海。
そのマザーの海では女王スターシャの娘サーシャと、ひさびさに休暇を与えられた衛士メルダが海水浴を楽しんでいた。





黄色い声が混ざり合う。
イスカンダル人の特有で生後一年で青年期(12歳)まで成長する。
西暦2205年に成る今年、16歳を迎えたサーシャ。
メルダとは8つの年の差だ。
8つも年を取ったとは思えないほど、体力は衰えていない。
むしろヤマトと出会った頃よりも向上しているように見えた。
また、女性としても磨きが掛かり、結婚を申し出る者もあとが絶えない。
以前は休暇の度にガミラスに里帰りをしていたが、厳格な父の薦めるお見合いや求婚者などの相手をする事に、疲れを感じていた。
つい先月の休暇に帰省した時も父親と一悶着したばかりである。
父親であり、また現ガミラス政権を支える重鎮でもあるガル・ディッツ提督にしてみれば、そろそろ"身を固め"孫をとの思いが強い。
そんな父親に反発する訳ではなが、ストレスである事には違いない。
とは言うもののメルダの中にも、それなりに気に成る異性はいる。
ただ、それを口に出せない歯痒さも、"反発"に拍車を掛けているのも事実である。
口に出せないのは今は、別の任務でメルダはイスカンダルの衛士であるが、元々は戦闘機パイロット。第707航空団所属の女性パイロットである。
今現在も籍は残っている。
その第707航空団のパイロットでメルダと編隊(チーム)を組んでいた「ジャンクス」に想いを寄せていた。
ヤマトのクルーで言えば"古代進"に似ている容姿の持ち主。
一時は恋人として付き合っていたが、父親であるガルは認めず、娘であるメルダを左遷させた。
その左遷でヤマトとヤマトのクルーに出会ったのだが……。
一悶着した休暇の夜、偶然にもそのパイロット「ジャンクス」と再会、愚痴るメルダを優しいく受け入れ、そのまま一夜を過ごし、メルダの中に昔のように芽生えるものが、心を覆って行ったのだ。

「メルダ。メルダってば!」幼さが残るサーシャが呼んだ。

「…えっ。サーシャ様。」

「サーシャ様じゃないわよ。メルダ。」
「さっきからポカ~ンとして、心、此処に在らずよ。」
「わたくしと休暇を過ごすの疲れた?」

「…ごめんなさい。サーシャ様。」
「疲れた事など一度もありません。」

「良いよ。無理しなくても、顔に書いてあるわ。」
「サーシャ様とより、想い人と過ごしたい。ってね。」

メルダは顔を紅く染め、あたふたと身振り素振りで訳のわからない言い訳をはじめた。

「ん、もう~。図星ね。」

「サーシャ様には敵いません。」

「アハハハハハ。」
メルダとサーシャはお互い見つめると笑い出した。

「で、何処まで進んだの?」
「キス?」

「えっ!」
「あわあわ。@$¢までかな。」更にメルダは顔を紅く染めた。

「ええっ!!!」

「し~い。サーシ様、お声が大きいです。」

「大人の恋ねぇ~。」
「わたくしもお父様のような格好いい男性と恋に落ちたいわ。」

誰に似たのだろうか。サーシャ様。と心に思うメルダ。

そんな中、マザーの海に影を落とすものがあった_。

「ん!?」
「変ね。今日は快晴のはずなんだけど……。」とサーシャは空を見上げた。

「……メルダ。」弱い声でメルダを呼び、指を空に向け、突き出した。
その仕草に釣られるようにメルダもまた、空を見上げた。

「…くっ。」
「サーシャ様。上がりましょう。」
メルダの顔つきが険しく成って行った。
「急いで!」
メルダはサーシャの腕を掴み、岸まで泳いだ。

みるみる影は拡がり、二人はすっぽりとその影に覆われた。

「…降りて来る……。」



黒鉄の鎧を纏う不気味な物体は向きを変え、マザーの海にゆっくりと降下した。
メルダとサーシャはそのまま、クリスタルパレスへと逃げ込んだ。
ゆっくりと降下する謎の物体とは別に幾つもの宇宙船らしき物体も、降下して来る。
降下する宇宙船らしき物体からは数え切れないほどの武装した兵が、宇宙船同様に降下して来る。


イメージ曲【宇宙戦艦ヤマトーヤマトよ永遠にー】より引用。





瞬く間に王都イスク・サン・アリアは黒づくめの武装兵らに制圧された_。

長い階段を駆け上がる靴音が響き渡る。
クリスタルパレスのロビーは黒づくめの武装兵で埋め尽くされた。
その黒づくめの武装兵が、モーゼの十戒の海の如く、左右に別れてゆく。
「コツコツ」と踵を奏で一人の指揮官らしき人物が黒いマントを靡(なび)かせ、颯爽と歩いて来る。

「お前とお前は私に続け、あとの者は此処に残れ。」
そう言うと空間エレベーターに乗り込み自動で止まる場所まで、運ばれるのを待った。
円柱型で透明なガラスのような空間エレベーターは「スー」と、ものの数秒で100メートル以上を登った。
スターシャの待つ大広間で空間エレベーターは止まり、円柱型のガラスのようなものは消えた。


指揮官らしき人物は目の前の女性が女王スターシャである事は確信出来た。

「お前たちは此処で待て。」
黒いマントに身を包む指揮官らしき人物は一歩、前へ出た。

「貴女の娘は何処です?」指揮官らしき人物は、そう切り出した。

「先ずはそのヘルメットをお取になり、身分を証したらどうですか?」
スターシャは毅然とした態度で黒いマントで身を包む指揮官らしき人物に告げた。

「これは失礼した。」指揮官らしき人物はヘルメットを脱いだ。
金髪の長い髪が「パラパラ」と落ちる。
ブーツの高さを入れても女性としては高身長である。
ブーツの高さを引いて170センチはあるだろう。
スラッと伸び背丈、黒衣の上からもはっきりと出るところは出て、締まるところはしまった、何処から見ても女性だった。

「私は暗黒星団帝国マゼラン銀河方面軍副司令ギアナ・メルダーズ。」
「スターシャ陛下にて、おられますね。」

「いかにも、わたくしがイスカンダルの女王スターシャ。」
「ご用件を伺いましょう。」

「改めて申し上げる。娘を差し出して欲しい。」

「娘を?」

「そう。娘を差し出して貰おう。」

「何故、娘を必要とするのですか?」

「スターシャ陛下。私はあまり気が長い方ではないので、素直に従って頂きたい。」そう言うと手にする小型の端末機を「カタカタ」と打ちはじめた。
スターシャとギアナのほぼ中間に浮かび上がる空間モニタ。
その空間モニタに映し出される囚われる妹のユリーシャ。

「ユリーシャ!」思わず一歩、前へ出るスターシャ。

「これでお分かりか?」

「……。」
躊躇うスターシャの後ろから、サーシャが現れた。

「お母様。」
それは光学迷彩を応用して作った「スキン迷彩ジェル」で肌の色を変えたメルダであった。
スターシャは直ぐに気がついたようだ。

※スキン迷彩ジェルを肌に直接、塗り腕に装着したブレスレットを調整する事で肌の色を変える事が出来る。
ただし、髪の毛の長さや色までは変えられない。
その為、メルダはウィッグを使用している。
以前、クラウス・キーマンが古代と密会した代物を改良したブレスレット。

「わたくしが、あなた方に従えば、ユリーシャの伯母様は助けて貰えるのですね?」

「ああ。何もせん。母親の陛下も助かる。」




「聞き分けの良いお子さんで良かったですな。陛下。」
ギアナは変装したメルダのう腕を掴み、引き寄せた。

「キャ!」

「サーシャ。」

「お前たちは陛下を軟禁。見張りに残れ。」


宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー
◇第一章:第一話◇侵略 イスカンダルの危機


第一章
第二話へ
つづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー》の二次創作です。
もしかしたら、永遠にまでを含めた「起承転結」の四話(四章)に構成されるのかもと思い書いてみました。

使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。

宇宙戦艦ヤマト2199外伝◇ジレルの魔女◇

2020-04-11 11:44:00 | 宇宙戦艦ヤマト2199外伝

西暦2198年12月25日。
この日、国連宇宙軍防衛艦隊は「メ号作戦」占領された冥王星基地奪還作戦を決行した。

但しこれは、地球に救いの手を差しのべた惑星イスカンダルから来訪する二人目の使者を無事に"確保"する目的で行われた"陽動"が主の目的である。
だが、この主の目的を知る者は旗艦きりしまに乗艦し、艦隊司令を務める沖田そして、艦長を務める山南とブリッジクルーの上級士官数名のみであった。





イスカンダルから来訪する使者は直接、地球に来訪する訳ではなく、絶対防衛線である火星に来訪する手筈に成っていた。

それは一人目の使者である"ユリーシャ・イスカンダル"が来訪した際、絶対防衛線である火星で拿捕されたからである。
拿捕されたユリーシャは超空間通信を利用し、誘導ビーコンを発信した。
この超空間誘導ビーコンを受信した地球に救いの手を差しのべた主スターシャ・イスカンダルは、無事に地球にたどり着いと確信してしまう。
タイムラグを考慮しても、約半年の時間を要する事から、直ぐに二人目使者:サーシャ・イスカンダルを地球へ派遣した。

だが、この超空間誘導ビーコンはガミラス宣伝情報相。惑星ジレル出身の非ガミラス人であるミーゼラ・セレステラも掴んでいた。
セレステラは一度は軍上層部と総統であるデスラーに報告しようとしたが、それを止めた。
彼女セレステラにしてみればイスカンダル人であるスターシャは、目の上のたん瘤的存在であるが、ガミラス人にとっては"崇拝"するほどの人物である事から「手出し無用」と告げられて終わりであると悟ったからだ。



二次創作
宇宙戦艦ヤマト2199外伝
◇ジレルの魔女◇

そこでセレステラは「一等臣民を与える。」を餌に「二等臣民」であるザルツ人を利用した。
ザルツ人「二等臣民」ではあるが、ガミラスは、デスラーは"救世主"であった。
それは"野族"と呼ばれるガトランティスによる侵攻を阻止、多くのザルツ人が救われたからだ。
彼らザルツ人にとって「一等臣民」は憧れである。
何故なら非ガミラス人であるミーゼラ・セレステラが「一等臣民」で尚且つ、ガミラス政府の"大臣"に抜擢されているからだ。
"忠誠"を誓い、協力し、認められた証なのだ。



「…と云う訳で私に協力して欲しいのだが、やって貰えるか?」
「無理にとは云わんが。」
「一等臣民に成るチャンス、早々には無いぞ。」

躊躇うザルツ人兵シグマ。

「貴公。私に憧れているのだろ!?」
「答えなくてよい。図星だな。」
貧乏揺すりが止まらないシグマ。
セレステラは小刻み揺れるシグマの心を感応波を使い、読み盗(取)っていた。
「読み盗(取)れたよ。」セレステラはそう告げると身体を密着させ太ももに手を当てた。
シグマは「ゴクリ。」と唾を飲み込み「解りました。引き受けます。」と返事を返した。
セレステラは更に身体を密着させ、彼の唇に自身の唇を重ねた。
数秒後、微笑みを覗かせるセレステラ。
「期待してるよ。」
「ん!?どうした?お腹でも痛むのか?」

「アッ!いえ、…だっ、大丈夫であります!」

「うふふ。」

顔を紅く染めながらも「ガーレ・ミーゼラ。」と元気良く敬礼をした。

翌日_。

イスカンダルからもう一艇の恒星間航行宇宙船シュヘラザードが飛び立った_。

「ミーゼラ様。例の宇宙船が飛び立ちました。」

「うむ。」ゆっくりと席を立ち、専用艦シャングリ・ラへと足を向けた。

「総統。ザルツ兵、数名が謀反を起こし脱出したと報告があり、阻止に向かいます。」



「君に任せるよ。セレステラ。」

「ザー・ベルク。」

こうして、セレステラの企てた計画は動き出した。



【特別仕様ミーゼラ・セレステラ専用ハイゼラード級シャングリ・ラ】

「シグマ。聞こえるか?」
「指示を伝える。目標船(シュヘラザード)が"ゲシュタムの門"=亜空間ゲートに突入する前に仕留めよ。」

「ザー・ベルク!」

先行するシグマが乗艦するクリピテラ級航宙駆逐艦。
その前方にはサーシャを乗せたイスカンダルのシュヘラザード。



「シュヘラザード!速力を上げました!」

「逃げられては、元も子もない!」
「構わん!ビーム砲、ミサイル発射ッ!!」
蛍光ピンクに輝く無数の光弾。
それに釣られるようにミサイル群が襲い掛かる。

「…ガミラス。」
「デスラーは何を考えているの?」そう心の中で呟くサーシャ。

「ゲシュタム・フィールド!(波動防壁)」蒼白く輝く光に包まれたシュヘラザードはシグマ座乗艦から撃ち放たれたビームやミサイルを弾き、耐えていた。

「このままでは門を潜られてしまうわ。」
「オペレーター!あのシュヘラザードの鼻っ面にゲシュタム=(ワープ)して!」
「足を止める!」

「ザー・ベルク!」

シャングリ・ラは航路計算を謝ったのか、サーシャのシュヘラザードに接触、かすり傷程度だが、シュヘラザードを損傷させた。
だが、シュヘラザードは速力を落とす事なく、ゲシュタムの門へ突入してしまう。

「チッ。」



「ん!?」
「まぁ良いか。」
「此方の損傷も軽微だが、シュヘラザードも同様、損傷しているならゲシュタム中、あるいはゲシュタム後には悲鳴を上げるだろう。」そう呟くセレステラはシグマが乗艦するクリピテラ級に横付けするよう命じた。



「シグマ。貴公だけ私の艦(ふね)に移れ。」セレステラは他のクルーに聞こえないよう耳打ちをした。

セレステラとシグマがクリピテラ級から離艦を確認したシャングリ・ラのクルーは第三陽電子砲をクリピテラ級目掛け、撃ち込んだ。
轟沈するクリピテラ級を横目にセレステラとシグマはセレステラの私室へ籠った。

「結果は逃す事に成ったが、貴公は良くやった。」
「約束は守るわ。」
「貴公もエピドラ産のお紅茶、いかが?」







「…あっ。いえ。」
「それよりは……。」

「うふふ。」
「大丈夫よ。ガミラスに戻るまでには、まだ時間があるわ。」
「ゆっくり楽しみましょう。」セレステラはシグマを見詰め、ゆっくりと足を組み換え、エピドラ産の紅茶を差し出した。

紅茶の入ったカップをそおっと口に運ぶシグマ。

「美味しいです。」と笑顔を覗かせたが、数秒後、その笑顔は消え、喉をかきむしるように手をあてがうと、ぐちゃぐちゃと口から泡を吹き、床にそのまま倒れた。

紅茶には毒は含まれていない。
カップに毒は塗られていた。
何処に口を着けても毒が唇に付着するように塗られていた。
セレステラは倒れたシグマのズボンを膝まで脱がし、携帯する銃で腹部を撃ち抜いた。

銃声に何事かと部下のクルーが慌ただしく入室した。

「…ミーゼラ様!」
「ご、ご無事で。」

「……ああ。無事だ。危うくだったがな。」
「この遺体を処分せよ。」

「ザーベルク。」



「ガミラスに帰投する。」
「進路をガミラス星へ。」


ガミラス星に帰投したセレステラは、デスラーに報告、謀反したザルツ兵は始末したと。

「うむ。」
「セレステラ。君も呑むかね?」
「今宵は一段とイスカンダル星が美しく輝いている。」
「あの輝くイスカンダルに乾杯。」

「ええ。ほんとうに美しく素敵な星ですわ。




◇fin◇



【特別仕様ミーゼラ・セレステラ専用ハイゼラード級シャングリ・ラ】

艦体諸元

艦級
ハイゼラード級

全長
392m

主機
ゲシュ=タム機関

武装
330ミリ三連装陽電子カノン砲塔×4基(艦上前部:2基/後部:1基/艦低後部:1基)
※オリジナルは艦上前部に2基のみで艦低は330ミリ三連装陽電子ビーム砲塔×1基

280ミリ二連装陽電子ビーム砲塔×4基(艦尾)

近接防御火器(単装)×32基

近接防御火器(四連装)×8基
(艦上6基、艦底2基)

魚雷発射管×12門(艦首)

魚雷発射管×21門(艦底)

搭載機(艇)×3
・FS型宙雷艇
・ゼードラーⅡ
・偵察機FG156 スマルヒⅡ
(搭載時には翼を後方へ可変させる。)
※オリジナルの設定に無い。
・空間格闘戦闘機DWG262 ツヴァルケ
(用途/作戦に応じて搭載する)
※オリジナルは不明。(搭載描写が無い。)

あとがき

この物語りは「宇宙戦艦ヤマト2199」の二次創作です。
私の考察がと設定が混ざった物語りです。
使用している画像はイメージです。