鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

宇宙戦艦ヤマト完結編・外伝◇ディンギルの遺産◇第二話

2020-04-04 20:39:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



宇宙戦艦ヤマト完結編・外伝
◇ディンギルの遺産◇

第二話


「古代艦長。まもなく未確認物体が観測された火山付近です。」
コスモレーダーを見張る雪が告げた。

「うむ。」
「早速、探りを入れてみるか。」
「相原。航空隊控え室に連絡。」
「マクレガー一等空慰、ニコル三等空慰はスティングレー発艦準備。」

「了解。」
相原は艦内アナウンスのカーソルを航空隊控え室と大格納庫に合わせ、命令を伝えた。

慌ただしく動き始める大格納庫の整備クルーたち。
同時にマクレガー・ユワサと菖・ニコルは対空間用スーツに身を包んでいた。

「菖、君は実戦は初だったな!?」

「ハッ。初であります。」

「そうか。顔色が紅いぞ。緊張し過ぎで体温が上がったか?」
「訓練の成績はトップだったな。手の掌に漢字で【人】と書いて呑みこめ。三回。」

「…【人】でありますか?」

「ああ。そうだ。」

菖は不思議そうな顔を覗かせ「試してみるか。」と半信半疑に実行した。

「…どうだ?」

「はぁ。これと云って……。」

「アハハ。その内、効いて来るさ。」
「先に格納庫へ行ってるぞ。」


マクレガー・ユワサ。
地球連邦防衛軍中央防衛空軍所属。
22歳。女性。
階級:一等空慰。
パイロットとしての腕はエース級である。
対デサリアム戦役時に防空に勤めていたが、地球占領部隊との交戦で負傷、その後、司令部に勤務するも、現場へ帰りたいと転属を希望、防衛空軍で指導パイロットとして日々を送っていたところ、菖が部下として配属、以後、菖を育ている。
心療カウンセリングの資格を有する変わったパイロット。
菖の能力の秘密を知り、カウンセリングを行うように成った。


菖・ニコル。
地球連邦防衛軍中央防衛空軍所属。
18歳。女性。
階級:三等空尉。
明るい性格なのだが、人見知りする事がある。
シミュレーション訓練では常にトップを修める。
幼い頃から霊的な又はスピリチュアルな体験が多く、何時しか精神を集中すると予知夢的なものを感じる(視る)ように成った。
同じ部隊の隊長であるマクレガー・ユワサ一等空慰のカウンセリングで心を癒す
事が日課に成っている。
実戦経験は無い。



「三尉。あと10キロメートルで最初に観測された地点だ。」
「だが、移動していないとは限らない。姿は見えないがな。」

「了解。」
菖はコックピットにディスプレイされたキーボードに手を添え、自立思考搭載型ドローンを何時でも発進出来るように備えた。

観測地点まで3キロメートルと迫った時であった、物体全体の姿は現さないが、部分的に光学迷彩装置=Cloaking Device(クローキングデバイス)を解除出来るようだ。



「距離28.000で光弾を複数、捉えた!」
「どうやら観測地点から動いていないようだ!」
「三尉!ドローンを展開してくれ!」
「対艦ミサイルを喰らわせてやる!」

「了解。」
キーボードを打ち込み、データを入力、自立思考搭載型ドローン:キラー・ビー二機を起動させた。
機体下部両翼に近い場所にこのドローン:キラー・ビーは格納されている。
ハッチが後方へ「スーっと」スライド、マジックハンドに似たドローンを固定する射出基から放された"キラー・ビー"と名付けられたドローン二機が射出された。
名前通りの容姿だ。
オオスズメバチをそのまま大きくした感じである。
全長:70Cm全幅:90Cm(羽を全開にした状態)
羽は折り畳み式で格納時は4枚ある羽は後方に重なる。
この4枚の羽が回転翼機で、ヘリコプターのように回転させて飛行する。
機体の前部(胸部)及び後部(腹部)に小型エアジェットスラスターが複数装着されている。
このスラスターを噴射させる事で、前進、後退、旋回、ホバーリングが可能。
脚は着陸用でマニピュレーター対応である為、着陸時の衝撃を軽減する。
また、1キログラム以下の小型の物なら運ぶ事も可能。
武器としては腹部にあたる部分、後部に可動式11.2mmマグナムレーザー砲×1門を装備。
※単発での連射からチャージして一気に発射する事も可能なまさに"毒針"である。


【自立思考搭載型ドローン:キラー・ビー】

「ブーン」と羽音に似た音色がより一層に蜂を彷彿させた。
菖は一機を自立思考(A.I)に任せ、もう一機を自身が操る事にした。
ヘルメット後部のデバイスに自機のメインコンピュータを直結、"スピリチュアル・プレコグニション・サイコキネシス"
を増幅させた。

これは、自身の脳内に思い描いたものを脳波信号に変換させ、それをA.Iが受信、読み取り、コントローラーを使用せず動かし、それプラス予知したスピリチュアルを自立思考(A.I)に学習させる事で、予想外の行動を引き起こす事が可能にするシステム機である。
いわゆる"不意討ち"が可能なシステム機である。

「やってみるか。」
「行けっ!私のキラー・ビーたちッ!!」
ヘルメットのバイザー部分内側に映し出されるキラー・ビーが捉えた映像を観ながら攻撃パターンを思い描いた。
キラー・ビーの速力をMAXに上げ、速度をグングンと加速させた。

キラー・ビーのイメージとしてはラジオコントロールだ。いわゆる"ラジコン"である。
ラジオコントロールの送信機にはいくつかの方式があるが、「スティック」タイプと呼ばれるものが多い。
操縦者はこの送信機を両手で持ち、左右のスティックを親指の腹などで操作する。
スティックの傾きの程度が信号として電波に乗り、受信機に伝わる。

ラジオコントロールの受信機・バッテリー・サーボ。受信機は送信機からの電波を受信し、スティックの傾きに関する情報を取り出し、ケーブルでつながった「サーボ」に伝える。
サーボは、受信機からの情報に応じて回転部分の角度を変える。
この回転部分と、操縦機構(模型自動車ならステアリング機構、飛行機ならラダー等)がワイヤーなどで連結してあり、操縦者の指先の動きが操縦機構に伝わって意図どおりの遠隔操縦ができる。
また、趣味の模型操縦以外にも、農薬散布用ヘリコプターや、クレーンなどの産業用機械でもさかんに用いられており、他にも軍事的目的や地学調査などにも用いられている。
現在では赤外線、レーザー、超音波など電波以外による無線方式も出現している。
しかし、見通し範囲内でないと命令信号を伝達できないためにごく近い距離に用いられることが多く、遠隔操縦の方式としては今も電波によるラジオ・コントロールが主流である。

これらを菖は脳波でイメージするだけでキラー・ビーを操るのだ。
また、コントロールモードをA.Iオンリーに切り換える事で、脳を疲労回復させ、長時間の戦闘に備える事も可能である。

未確認物体の射ち放つ光弾幕を網目を縫うように飛翔させた。
「ブンブン」と五月蝿く飛び回るキラー・ビー、いくら連射速度が早いリボルバー式の速射砲とは云え、1メートルにも及ばない小型の無人機を墜とすのは容易ではない。
しかも、その内の一機は菖の脳内で描いたイメージで予測不可能。

光弾幕がピタリと止んだ。
「諦めた?いや違うな。」と菖は思う。
同時にマクレガー機から対艦ミサイル二発が撃ち込まれた。
再び光学迷彩装置=Cloaking Device(クローキングデバイス)モードに入ったかと思われたが、そうではなかった。
一瞬だけ消え、光学迷彩装置=Cloaking Device(クローキングデバイス)は解除された。
全貌を明らかにさらけ出したのだ。

「あれが…あれが正体か…!?」
菖、マクレガー、そしてヤマトのクルーたちは目を見開き、食い入るようにモニタを見詰めた_。


第三話へ
つづく。


~あとがき~

この物語りは、「宇宙戦艦ヤマト完結編」の二次創作ではありますが、オリジナルの物語りです。
既存のメカ設定及びキャラクター等の設定は基本的に、そのまま引用しています。
使用している画像は一部を除き、宇宙戦艦ヤマトシリーズ本編等より引用。
画像はイメージです。
※イメージ的に過去に集めた引用画像あり。
一部、私の設定及び解釈が混ざっています。