鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー◇第一章:第一話◇

2020-04-12 15:30:00 | 宇宙戦艦ヤマト2205新たなる旅立ち

_大マゼラン銀河
サレザー恒星系第4惑星イスカンダル_

王都イスク・サン・アリア。
王都の中心に天空に向かって聳えるクリスタルパレス。
眼下に広がるマザーの海。
そのマザーの海では女王スターシャの娘サーシャと、ひさびさに休暇を与えられた衛士メルダが海水浴を楽しんでいた。





黄色い声が混ざり合う。
イスカンダル人の特有で生後一年で青年期(12歳)まで成長する。
西暦2205年に成る今年、16歳を迎えたサーシャ。
メルダとは8つの年の差だ。
8つも年を取ったとは思えないほど、体力は衰えていない。
むしろヤマトと出会った頃よりも向上しているように見えた。
また、女性としても磨きが掛かり、結婚を申し出る者もあとが絶えない。
以前は休暇の度にガミラスに里帰りをしていたが、厳格な父の薦めるお見合いや求婚者などの相手をする事に、疲れを感じていた。
つい先月の休暇に帰省した時も父親と一悶着したばかりである。
父親であり、また現ガミラス政権を支える重鎮でもあるガル・ディッツ提督にしてみれば、そろそろ"身を固め"孫をとの思いが強い。
そんな父親に反発する訳ではなが、ストレスである事には違いない。
とは言うもののメルダの中にも、それなりに気に成る異性はいる。
ただ、それを口に出せない歯痒さも、"反発"に拍車を掛けているのも事実である。
口に出せないのは今は、別の任務でメルダはイスカンダルの衛士であるが、元々は戦闘機パイロット。第707航空団所属の女性パイロットである。
今現在も籍は残っている。
その第707航空団のパイロットでメルダと編隊(チーム)を組んでいた「ジャンクス」に想いを寄せていた。
ヤマトのクルーで言えば"古代進"に似ている容姿の持ち主。
一時は恋人として付き合っていたが、父親であるガルは認めず、娘であるメルダを左遷させた。
その左遷でヤマトとヤマトのクルーに出会ったのだが……。
一悶着した休暇の夜、偶然にもそのパイロット「ジャンクス」と再会、愚痴るメルダを優しいく受け入れ、そのまま一夜を過ごし、メルダの中に昔のように芽生えるものが、心を覆って行ったのだ。

「メルダ。メルダってば!」幼さが残るサーシャが呼んだ。

「…えっ。サーシャ様。」

「サーシャ様じゃないわよ。メルダ。」
「さっきからポカ~ンとして、心、此処に在らずよ。」
「わたくしと休暇を過ごすの疲れた?」

「…ごめんなさい。サーシャ様。」
「疲れた事など一度もありません。」

「良いよ。無理しなくても、顔に書いてあるわ。」
「サーシャ様とより、想い人と過ごしたい。ってね。」

メルダは顔を紅く染め、あたふたと身振り素振りで訳のわからない言い訳をはじめた。

「ん、もう~。図星ね。」

「サーシャ様には敵いません。」

「アハハハハハ。」
メルダとサーシャはお互い見つめると笑い出した。

「で、何処まで進んだの?」
「キス?」

「えっ!」
「あわあわ。@$¢までかな。」更にメルダは顔を紅く染めた。

「ええっ!!!」

「し~い。サーシ様、お声が大きいです。」

「大人の恋ねぇ~。」
「わたくしもお父様のような格好いい男性と恋に落ちたいわ。」

誰に似たのだろうか。サーシャ様。と心に思うメルダ。

そんな中、マザーの海に影を落とすものがあった_。

「ん!?」
「変ね。今日は快晴のはずなんだけど……。」とサーシャは空を見上げた。

「……メルダ。」弱い声でメルダを呼び、指を空に向け、突き出した。
その仕草に釣られるようにメルダもまた、空を見上げた。

「…くっ。」
「サーシャ様。上がりましょう。」
メルダの顔つきが険しく成って行った。
「急いで!」
メルダはサーシャの腕を掴み、岸まで泳いだ。

みるみる影は拡がり、二人はすっぽりとその影に覆われた。

「…降りて来る……。」



黒鉄の鎧を纏う不気味な物体は向きを変え、マザーの海にゆっくりと降下した。
メルダとサーシャはそのまま、クリスタルパレスへと逃げ込んだ。
ゆっくりと降下する謎の物体とは別に幾つもの宇宙船らしき物体も、降下して来る。
降下する宇宙船らしき物体からは数え切れないほどの武装した兵が、宇宙船同様に降下して来る。


イメージ曲【宇宙戦艦ヤマトーヤマトよ永遠にー】より引用。





瞬く間に王都イスク・サン・アリアは黒づくめの武装兵らに制圧された_。

長い階段を駆け上がる靴音が響き渡る。
クリスタルパレスのロビーは黒づくめの武装兵で埋め尽くされた。
その黒づくめの武装兵が、モーゼの十戒の海の如く、左右に別れてゆく。
「コツコツ」と踵を奏で一人の指揮官らしき人物が黒いマントを靡(なび)かせ、颯爽と歩いて来る。

「お前とお前は私に続け、あとの者は此処に残れ。」
そう言うと空間エレベーターに乗り込み自動で止まる場所まで、運ばれるのを待った。
円柱型で透明なガラスのような空間エレベーターは「スー」と、ものの数秒で100メートル以上を登った。
スターシャの待つ大広間で空間エレベーターは止まり、円柱型のガラスのようなものは消えた。


指揮官らしき人物は目の前の女性が女王スターシャである事は確信出来た。

「お前たちは此処で待て。」
黒いマントに身を包む指揮官らしき人物は一歩、前へ出た。

「貴女の娘は何処です?」指揮官らしき人物は、そう切り出した。

「先ずはそのヘルメットをお取になり、身分を証したらどうですか?」
スターシャは毅然とした態度で黒いマントで身を包む指揮官らしき人物に告げた。

「これは失礼した。」指揮官らしき人物はヘルメットを脱いだ。
金髪の長い髪が「パラパラ」と落ちる。
ブーツの高さを入れても女性としては高身長である。
ブーツの高さを引いて170センチはあるだろう。
スラッと伸び背丈、黒衣の上からもはっきりと出るところは出て、締まるところはしまった、何処から見ても女性だった。

「私は暗黒星団帝国マゼラン銀河方面軍副司令ギアナ・メルダーズ。」
「スターシャ陛下にて、おられますね。」

「いかにも、わたくしがイスカンダルの女王スターシャ。」
「ご用件を伺いましょう。」

「改めて申し上げる。娘を差し出して欲しい。」

「娘を?」

「そう。娘を差し出して貰おう。」

「何故、娘を必要とするのですか?」

「スターシャ陛下。私はあまり気が長い方ではないので、素直に従って頂きたい。」そう言うと手にする小型の端末機を「カタカタ」と打ちはじめた。
スターシャとギアナのほぼ中間に浮かび上がる空間モニタ。
その空間モニタに映し出される囚われる妹のユリーシャ。

「ユリーシャ!」思わず一歩、前へ出るスターシャ。

「これでお分かりか?」

「……。」
躊躇うスターシャの後ろから、サーシャが現れた。

「お母様。」
それは光学迷彩を応用して作った「スキン迷彩ジェル」で肌の色を変えたメルダであった。
スターシャは直ぐに気がついたようだ。

※スキン迷彩ジェルを肌に直接、塗り腕に装着したブレスレットを調整する事で肌の色を変える事が出来る。
ただし、髪の毛の長さや色までは変えられない。
その為、メルダはウィッグを使用している。
以前、クラウス・キーマンが古代と密会した代物を改良したブレスレット。

「わたくしが、あなた方に従えば、ユリーシャの伯母様は助けて貰えるのですね?」

「ああ。何もせん。母親の陛下も助かる。」




「聞き分けの良いお子さんで良かったですな。陛下。」
ギアナは変装したメルダのう腕を掴み、引き寄せた。

「キャ!」

「サーシャ。」

「お前たちは陛下を軟禁。見張りに残れ。」


宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー
◇第一章:第一話◇侵略 イスカンダルの危機


第一章
第二話へ
つづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー》の二次創作です。
もしかしたら、永遠にまでを含めた「起承転結」の四話(四章)に構成されるのかもと思い書いてみました。

使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。