鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

宇宙戦艦ヤマト2199外伝◇ジレルの魔女◇

2020-04-11 11:44:00 | 宇宙戦艦ヤマト2199外伝

西暦2198年12月25日。
この日、国連宇宙軍防衛艦隊は「メ号作戦」占領された冥王星基地奪還作戦を決行した。

但しこれは、地球に救いの手を差しのべた惑星イスカンダルから来訪する二人目の使者を無事に"確保"する目的で行われた"陽動"が主の目的である。
だが、この主の目的を知る者は旗艦きりしまに乗艦し、艦隊司令を務める沖田そして、艦長を務める山南とブリッジクルーの上級士官数名のみであった。





イスカンダルから来訪する使者は直接、地球に来訪する訳ではなく、絶対防衛線である火星に来訪する手筈に成っていた。

それは一人目の使者である"ユリーシャ・イスカンダル"が来訪した際、絶対防衛線である火星で拿捕されたからである。
拿捕されたユリーシャは超空間通信を利用し、誘導ビーコンを発信した。
この超空間誘導ビーコンを受信した地球に救いの手を差しのべた主スターシャ・イスカンダルは、無事に地球にたどり着いと確信してしまう。
タイムラグを考慮しても、約半年の時間を要する事から、直ぐに二人目使者:サーシャ・イスカンダルを地球へ派遣した。

だが、この超空間誘導ビーコンはガミラス宣伝情報相。惑星ジレル出身の非ガミラス人であるミーゼラ・セレステラも掴んでいた。
セレステラは一度は軍上層部と総統であるデスラーに報告しようとしたが、それを止めた。
彼女セレステラにしてみればイスカンダル人であるスターシャは、目の上のたん瘤的存在であるが、ガミラス人にとっては"崇拝"するほどの人物である事から「手出し無用」と告げられて終わりであると悟ったからだ。



二次創作
宇宙戦艦ヤマト2199外伝
◇ジレルの魔女◇

そこでセレステラは「一等臣民を与える。」を餌に「二等臣民」であるザルツ人を利用した。
ザルツ人「二等臣民」ではあるが、ガミラスは、デスラーは"救世主"であった。
それは"野族"と呼ばれるガトランティスによる侵攻を阻止、多くのザルツ人が救われたからだ。
彼らザルツ人にとって「一等臣民」は憧れである。
何故なら非ガミラス人であるミーゼラ・セレステラが「一等臣民」で尚且つ、ガミラス政府の"大臣"に抜擢されているからだ。
"忠誠"を誓い、協力し、認められた証なのだ。



「…と云う訳で私に協力して欲しいのだが、やって貰えるか?」
「無理にとは云わんが。」
「一等臣民に成るチャンス、早々には無いぞ。」

躊躇うザルツ人兵シグマ。

「貴公。私に憧れているのだろ!?」
「答えなくてよい。図星だな。」
貧乏揺すりが止まらないシグマ。
セレステラは小刻み揺れるシグマの心を感応波を使い、読み盗(取)っていた。
「読み盗(取)れたよ。」セレステラはそう告げると身体を密着させ太ももに手を当てた。
シグマは「ゴクリ。」と唾を飲み込み「解りました。引き受けます。」と返事を返した。
セレステラは更に身体を密着させ、彼の唇に自身の唇を重ねた。
数秒後、微笑みを覗かせるセレステラ。
「期待してるよ。」
「ん!?どうした?お腹でも痛むのか?」

「アッ!いえ、…だっ、大丈夫であります!」

「うふふ。」

顔を紅く染めながらも「ガーレ・ミーゼラ。」と元気良く敬礼をした。

翌日_。

イスカンダルからもう一艇の恒星間航行宇宙船シュヘラザードが飛び立った_。

「ミーゼラ様。例の宇宙船が飛び立ちました。」

「うむ。」ゆっくりと席を立ち、専用艦シャングリ・ラへと足を向けた。

「総統。ザルツ兵、数名が謀反を起こし脱出したと報告があり、阻止に向かいます。」



「君に任せるよ。セレステラ。」

「ザー・ベルク。」

こうして、セレステラの企てた計画は動き出した。



【特別仕様ミーゼラ・セレステラ専用ハイゼラード級シャングリ・ラ】

「シグマ。聞こえるか?」
「指示を伝える。目標船(シュヘラザード)が"ゲシュタムの門"=亜空間ゲートに突入する前に仕留めよ。」

「ザー・ベルク!」

先行するシグマが乗艦するクリピテラ級航宙駆逐艦。
その前方にはサーシャを乗せたイスカンダルのシュヘラザード。



「シュヘラザード!速力を上げました!」

「逃げられては、元も子もない!」
「構わん!ビーム砲、ミサイル発射ッ!!」
蛍光ピンクに輝く無数の光弾。
それに釣られるようにミサイル群が襲い掛かる。

「…ガミラス。」
「デスラーは何を考えているの?」そう心の中で呟くサーシャ。

「ゲシュタム・フィールド!(波動防壁)」蒼白く輝く光に包まれたシュヘラザードはシグマ座乗艦から撃ち放たれたビームやミサイルを弾き、耐えていた。

「このままでは門を潜られてしまうわ。」
「オペレーター!あのシュヘラザードの鼻っ面にゲシュタム=(ワープ)して!」
「足を止める!」

「ザー・ベルク!」

シャングリ・ラは航路計算を謝ったのか、サーシャのシュヘラザードに接触、かすり傷程度だが、シュヘラザードを損傷させた。
だが、シュヘラザードは速力を落とす事なく、ゲシュタムの門へ突入してしまう。

「チッ。」



「ん!?」
「まぁ良いか。」
「此方の損傷も軽微だが、シュヘラザードも同様、損傷しているならゲシュタム中、あるいはゲシュタム後には悲鳴を上げるだろう。」そう呟くセレステラはシグマが乗艦するクリピテラ級に横付けするよう命じた。



「シグマ。貴公だけ私の艦(ふね)に移れ。」セレステラは他のクルーに聞こえないよう耳打ちをした。

セレステラとシグマがクリピテラ級から離艦を確認したシャングリ・ラのクルーは第三陽電子砲をクリピテラ級目掛け、撃ち込んだ。
轟沈するクリピテラ級を横目にセレステラとシグマはセレステラの私室へ籠った。

「結果は逃す事に成ったが、貴公は良くやった。」
「約束は守るわ。」
「貴公もエピドラ産のお紅茶、いかが?」







「…あっ。いえ。」
「それよりは……。」

「うふふ。」
「大丈夫よ。ガミラスに戻るまでには、まだ時間があるわ。」
「ゆっくり楽しみましょう。」セレステラはシグマを見詰め、ゆっくりと足を組み換え、エピドラ産の紅茶を差し出した。

紅茶の入ったカップをそおっと口に運ぶシグマ。

「美味しいです。」と笑顔を覗かせたが、数秒後、その笑顔は消え、喉をかきむしるように手をあてがうと、ぐちゃぐちゃと口から泡を吹き、床にそのまま倒れた。

紅茶には毒は含まれていない。
カップに毒は塗られていた。
何処に口を着けても毒が唇に付着するように塗られていた。
セレステラは倒れたシグマのズボンを膝まで脱がし、携帯する銃で腹部を撃ち抜いた。

銃声に何事かと部下のクルーが慌ただしく入室した。

「…ミーゼラ様!」
「ご、ご無事で。」

「……ああ。無事だ。危うくだったがな。」
「この遺体を処分せよ。」

「ザーベルク。」



「ガミラスに帰投する。」
「進路をガミラス星へ。」


ガミラス星に帰投したセレステラは、デスラーに報告、謀反したザルツ兵は始末したと。

「うむ。」
「セレステラ。君も呑むかね?」
「今宵は一段とイスカンダル星が美しく輝いている。」
「あの輝くイスカンダルに乾杯。」

「ええ。ほんとうに美しく素敵な星ですわ。




◇fin◇



【特別仕様ミーゼラ・セレステラ専用ハイゼラード級シャングリ・ラ】

艦体諸元

艦級
ハイゼラード級

全長
392m

主機
ゲシュ=タム機関

武装
330ミリ三連装陽電子カノン砲塔×4基(艦上前部:2基/後部:1基/艦低後部:1基)
※オリジナルは艦上前部に2基のみで艦低は330ミリ三連装陽電子ビーム砲塔×1基

280ミリ二連装陽電子ビーム砲塔×4基(艦尾)

近接防御火器(単装)×32基

近接防御火器(四連装)×8基
(艦上6基、艦底2基)

魚雷発射管×12門(艦首)

魚雷発射管×21門(艦底)

搭載機(艇)×3
・FS型宙雷艇
・ゼードラーⅡ
・偵察機FG156 スマルヒⅡ
(搭載時には翼を後方へ可変させる。)
※オリジナルの設定に無い。
・空間格闘戦闘機DWG262 ツヴァルケ
(用途/作戦に応じて搭載する)
※オリジナルは不明。(搭載描写が無い。)

あとがき

この物語りは「宇宙戦艦ヤマト2199」の二次創作です。
私の考察がと設定が混ざった物語りです。
使用している画像はイメージです。

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