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鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

二次創作ー宇宙戦艦ヤマトrebornー第二話

2020-01-04 20:01:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



二次創作
宇宙戦艦ヤマトreborn

第二話


西暦2198年12月25日ー地球・連邦都市跡地ー

この日、地球に本部を置く太陽系連邦艦隊司令部は、全連邦艦隊所属残存艦艇を集結、フル装備を整え、決戦地:冥王星宙域へ向け、出撃した。

アメリカ、フランス、イギリス、ドイツ、ロシア、中国、インド、オーストラリア、日本を中心としたアース(地球)艦隊、ルーナ(月)基地、マーズ(火星)基地そして、壊滅寸前にジュピター(木星)基地を脱出した艦艇から成る85隻余りの太陽系連邦艦隊。
最後の太陽系連邦艦隊である。
総旗艦をアース(地球)艦隊を指揮するアメリカ:ニュージャージーとし、古代守の配属された第二駆逐戦隊は、沖田十三中将座乗艦:霧島を戦隊指揮艦とし、斬り込み隊長艦を古代守少佐艦:雪風とした。
古代守にあたっては、日本艦艇限らず、艦長職を任せたられる人員の多くが、先の第二次火星沖会戦で失われ、不足していた事もあり、急遽、二階級特進させた。
最後の太陽系連邦艦隊の内訳は、次の通りである。
アース艦隊:45隻・マーズ艦隊:20隻・ルーナ艦隊:15隻・ジュピター艦隊:5隻から成る連合艦隊である。
ジュピター残存艦艇は脱出時には7隻であったが、内二隻は損傷も激しく"地球脱出船"の材料とされた。


ー冥王星沖宙域ー




「シュルツ司令!地球艦隊を捕捉!」
「土星圏資源採掘部隊:監視隊の報告通りの艦隊数85隻です!」

「うむ。通信オペレーター。」
「我が方はガンツの艦隊を出せ。」
「手加減しろ。と伝えよ。」



「手加減するのですか?」

「殲滅するなとの仰せだ。」
「撤退に追い込めば、それでいい。」

「了解であります。」

先制攻撃を仕掛けたのは、太陽系連邦艦隊であった。



「この一戦は大事な一戦である!」
「地球の地球人類の未来の為にも大事な一戦である!」
「必ずや勝利し、明日の未来に繋ぐ!」
「諸君らの健闘に期待する!以上だ!」
艦隊総旗艦アース艦隊ニュージャージー座乗のアーチャ・ミズリー提督が攻撃開始を告げた。
第二駆逐戦隊斬り込み隊長:雪風が突破口を開く為、従える八隻のミサイル駆逐艦を率いり、新型対艦ミサイルの雨を降らす。
イギリス艦艇:宇宙空母アーク・ロイヤルからは、コスモタイガーワン・雷撃隊が42機、発艦した。
第一波攻撃機隊だ。
斬り込み艦隊による対艦ミサイルの弾幕は、航空隊の発艦を援護と二段構えの策でもある。



宇宙空間対応型戦闘機は、宇宙空間を高機動力で自由気ままに飛び回る利点はあるものの、航続距離が短いという不利な点も、持ち合わしている。
その為、武装に乏しい空母タイプの艦艇は、敵本隊との距離を詰めなくてはならない。
だが、敵との距離を詰めれば、それだけ沈む確率も高く、母艦としては役に立たない。
そこで格闘能力がそこそこに高く、脚の速さを武器に出来る駆逐艦による護衛的支援が必要と成る。
ましてや、航続距離の長い小型機を開発する余裕など、今の地球には無のだから。

突破口とも言える応戦するガミラス艦隊前衛に陣を敷く巡洋艦三隻を、轟沈に追い込み勢いを見せる太陽系連邦艦隊は、歓喜に沸いた。
そんな中、第二戦隊指揮艦:霧島に座乗する沖田中将は、こう口を開いた。

「…このガミラス艦隊、おそらく前衛部隊に過ぎないであろう。」
「必ず、奥の手を出して来る。」
「総員、監視を怠るな。」

「了解。」

時折、ノイズが入るメインモニタを分割し下面に映し出される完全に修復、改良され、無傷のガミラス冥王星基地。
司令部と思える建造物は確認出来ない。
歯痒さの中、沖田中将は「第二戦隊・主力戦隊へ!砲雷撃戦よーい!」と命令を下した。

「主力戦隊は横一文字隊形を取れ!」
「艦首:四十六糎衝撃砲!初弾、装填!
「全艦、座標ポイント入力!」
「艦首、下方へ5度修正!」

「閣下!全艦、初弾装填完了!」

「うむ。」
「全艦、艦首衝撃砲、一斉射撃てぃーッ!!」

イメージ曲【space.battleship.yamato】より引用。

第二戦隊主力戦隊全10隻による艦首衝撃砲が、一斉に火を吹く。
螺旋を描き光弾はプラズマ波を纏い、真一文字に突き進む。
沖田中将の狙いは艦隊ではなく、射程ギリギリの冥王星ガミラス基地であった。
二本の長く伸びた滑走路と管制施設が、目標であった。
着弾と同時に衝撃砲光弾は滑走路のアスファルトをえぐり、大地をむき出しにした。
また、管制施設は三分の二を蒸発させた。

「全艦、艦首を戻ーせ!」
「機関、逆進いっぱい!」
反撃を予測しての後退であったが、戦果に気を良くしたアーチャ・ミズリー提督は「後退するな!前進し、基地壊滅を!」と打診して来たのだ。

「閣下!総司令より、打診!」
「前進し、基地壊滅を!」であります。」

「バカな…。探りを入れたに過ぎん攻撃だぞ。」と心に思う沖田中将。

その時であった。
予測外からの光弾に、まるで奇襲攻撃されたかのように襲われたのである。




「主力六番艦!轟沈ッ!!」

「なっ!何ッ!?」

「レーダー士!今のは何処からだ!」

「はっ、ハイ!それが零時の方向です!」

「…真上か!?」
「真上に艦影は?」

「あ…ありません……。

「…ん!?」
「…今度はまっ…真下からです!」

「…艦長!艦隊を散開させよ!」

「了解ッ!」

目まぐるしくブリッジ内には状況報告と指示、命令が飛び交っていた_。


◆◆◆◆




「少し、手加減し過ぎたようだ!」
「反射衛星砲、次弾装填!」




第三話へ
つづく。


使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。石津嵐氏小説版や松本零士氏のコミック版、2199等を私的に再構築した《宇宙戦艦ヤマトreborn》です。
この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト》の二次創作です。

二次創作ー宇宙戦艦ヤマトrebornー第一話

2020-01-04 01:00:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作

二次創作
宇宙戦艦ヤマトreborn

第一話




地球から16万8.000光年離れた大マゼラン銀河に属する惑星イスカンダル。
そのイスカンダルより、一隻の宇宙船がサーシャという一体のアンドロイドを乗せ、発進した。
サーシャはイスカンダル唯一の人類、スターシャによって、使者として送り出されたアンドロイドである。

だが、地球に地球人類に使者として信用させる必要がある。
そこでスターシャは、ある策を実行に移させた。

ー西暦2198年初冬・火星軌道ー



「…ん!?」
「此方、監視衛星マーズアルファ!」
「火星基地司令部へッ!!」
「地球のものでもガミラスのものでもない、星籍不明船をキャッチ!」
「……ちょっと待ってくれ!」
「その星籍不明船の後方にガミラスの高機動宇宙艇を二艇キャッチ!!」
「状況からして、追われているようだ!!」

「此方、火星基地司令部!」
「ガミラスを排除!星籍不明船を拿捕せよ!」
「繰り返す!ガミラスを排除!星籍不明船を拿捕せよ!」

「ラジャー!」

「陽電子速射砲、カートリッジ装填完了!」
「何時でも撃てます!」

「うむ。」
「射程圏に入り次第、速射開始せよ!」

「射程圏に入った!」

「撃ちー方はじめッ!!」

青白いパルス状のビームエネルギー弾が連射される。




「はっ、速い!」
「射撃レーダーが追い付かない!」

「クッ!オートから手動に切り替え、撃てッ!!」

「星籍不明船が被弾したもよう!」
「速度が若干だが、落ちた!」

「よし!ガミラス高機動艇を捉えた!」
「・・・3.2.1ビンゴッ!!」
「ガミラス高機動艇を撃破した!」
「しかし、星籍不明船の拿捕は失敗!」
「座標aポイント1654283付近から火星に突入した!」
「基地(そちら)で対象されたし!」

「了解した。」

この様子はイスカンダルから火星圏までシュヘラザードに同行した、ガミラスのデスラーにも見届けられていた。

だが、今の地球に、この事を知る余地はなかった…。



「どうやら成功したようだな。」


ー太陽系・火星ー







「座標ポイントからしてこの辺りだ。」
「用心に超したことはない。」
「慎重に捜索にあたれ。」

「それにしても、今日は砂嵐が酷いな。」
いの一番に降り立ったのは昨年、空間騎兵隊小隊長に任命され、火星基地に配属された古代守が口を開いた。

「古代中尉!あれを!」
同隊に配属され、同行した斎藤が告げて来る。
その斎藤の指先に目を向ける古代。


「…人間…!?」
「に、しても美しいな。」着用しているビスチェとレオタードそして、ガーターストッキングを組み合わせたようなコスチューム、透き通るような白い肌、金色の長い髪の容姿だ。
年齢は地球人に概算して19~20歳くらいだ。

「惚れるなよ。斎藤。」

「えっ!アワアワ!」と顔を赤く染め、目をキョロキョロとさせた。
「小隊長。そんな事より、不時着した星籍不明船はまだ、使えそうです。」

「息はあるようだ。誰か担架を持って来い。」
「それと、基地に報告して医療班を待機させておくよう伝えよ。」

「ラジャー。」

小隊長の守は不時着したシュヘラザードを見上げていた。
「この宇宙船の航行能力があれば…。」見上げながら、そう思う古代守の目には希望に満ちた輝きがあった_。

古代守らが基地へ帰投して四時間後、イスカンダルの宇宙船シュヘラザードは、回収された。


ー太陽系連邦防御軍・火星基地解析・開発研究室ー


「これは凄い代物だ。」
「このエンジンさえあれば……」と目を輝かせながら守の同期で科学技術科に席を置く真田史郎が言った。

「やっぱり、そう思うか!?」

「…ん!?古代。」
「何時からそこに?」

「今さっきだ。」
「俺、不時着したこの宇宙船を見て「ピン!」と来たよ。」

「どうしたんだ?今日は非番か?」

「ああ。そんなところだ。」
「オレな。転属が決まったよ。」そう話はじめた守は、どこか浮かない顔を覗かせていた。

「転属!?」

「ああ。転属だ。太陽系連邦艦隊第二駆逐戦隊に転属が決まった。」

「太陽系連邦艦隊…か。」それを聞いた真田の顔もまた曇らせた。

太陽系連邦艦隊。
第一次、第二次火星沖会戦でガミラス艦隊を退け、勝利した誇り高き太陽系連邦の艦隊であったが、勝利したとは言え、艦隊としては壊滅に近い存在に成り下がっていた。
第二次火星沖会戦で古代や真田の同期で、大山敏郎とドイツ人のファントム・F・ハーロックの二人は消息不明と二人の親友を失ったという思いがある。
その会戦を境に、冥王星宙域から飛来する小隕石「遊星爆弾」を撃ち落とすのとは訳が違う。
圧倒的な科学力の差が歴然で、当時は物量にものを言わせ、しかも辛うじて勝利したに過ぎないのだ。
今は物量にもの言わせるだけの戦力は無く、この時期、艦隊配属は「還らぬ人」を意味していた。
守と真田の二人の顔が曇ったのも、それが頭を過ったからだ。

「遊星爆弾を根源から止めるんだと。」
「上層部(うえ)は、奴らが隕石落とししかやって来ないのは、まともに戦闘艦艇が不足しているからでは?と楽観視しているところがある。」
「土星宙域を占領したのは資源の確保で、占領した冥王星基地で艦艇を建造していると睨んでいる。」
「完成させるのに幾ら科学力が勝っていても三年から四年は掛かるとみている。」
「オレも、その辺りは否定しない。が…。」
「第二次火星沖会戦から既に約四年、経つ。」
「つまり、奴らガミラスは艦隊を整えたと考えるのが妥当だろ!?」

「かも知れんな。」
「遊星爆弾も全てを撃ち落としている訳ではない状況だからな。」
「土星圏を取られてから新造してる艦艇は一隻だけだ。」

「真田。オレは…オレは今度の出撃は陽動だと思っている…。」

「陽動?」

「ああ。陽動だと思っている。」
「噂に過ぎないが、新造してる艦艇は「方舟」じゃないかと思う。」
「地球を脱出する為の方舟だとね。」

「その噂なら俺も耳にしたよ。」
「一部の人間と動植物のD.N.Aだけを積み込み脱出すると。」

「……そうか!」突然、真田は声を大きく何かに納得した様子を見せた。

「確か、この宇宙船は大マゼラン銀河に属する惑星イスカンダルから来たと、古代、お前が助けた女性が言っていたと上層部(うえ)が話してるのを聞いた。」
「古代。陽動も含まれているかも知れんが、護衛じゃないのか。」
「「方舟」の護衛だよ。この宇宙船のエンジンは恒星間航行能力を有している。」
「「方舟」に換装して惑星イスカンダルへ移住、移住後、再び地球へ。」
「その為には占領された冥王星基地を奪還しておく必要がある。」
「そう考えれば、辻褄が合う。」
「時間的にギリギリだがな。」

「しかし、真田。大マゼラン銀河まで、光の速さでも168.000光年も掛かるんだぜ。」
「一年以内に往復なんて夢物語りだろ。」

「ああ。確かに。だが、この宇宙船のエンジンなら光の速さを超える事が可能なんじゃないか。」
「ワープ航法だよ。ハイパードライブって聞いた事あるだろ!?」
真田は目を輝かせ、話に夢中に成った。


「古代。胸を張ってガミラスを叩いて来い。」
「大山やハーロックの仇伐ちだ!」
「俺は新造される艦艇が完成するまでに、このエンジンを量産出来るように解析も同時に行う。」
「資源ある内に量産が可能に成れば、地球人類は助かる!」
「もし、間に合わなくでもイスカンダルの援助があれば助かるだろ。」
「古代。頼むぞ。」

「なんか分からんが元気出て来たよ真田。」

二人は大声で笑った。


第二話へ
つづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト》の二次創作です。
石津嵐氏の小説版や松本零士氏のコミック版、2199等を私的に再構築した《宇宙戦艦ヤマトreborn》です。
使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。


二次創作ー宇宙戦艦ヤマトrebornー

2020-01-02 12:28:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



二次創作
宇宙戦艦ヤマトreborn

ープロローグ編ー





若き宇宙戦艦の士官は躊躇う事なく波動砲の引き金を引いた_。

「波動砲発射ーーーッ!!」

「波動砲弾、着弾まであと三十秒!」

「・・・8・7・6・5・4・3・2・1・着弾!!」

「イスカンダル星、崩壊をはじめました!!」


ーイスカンダル王都イスク・サン・アリア:スターシャの寝室ー


「ハッ!?」物凄い量の寝汗を掻きながら、くるまる毛布を払いのけ、起き上がるスターシャ。
美しい裸体に輝く日射しが優しいく包み込む。
ベッドの縁に腰を下ろし、呼吸を整えた。
呼吸を整えたスターシャは裸体のまま、窓辺に立ち、朝日が射し込む中、眼下を見下ろす。
何時もと変わらない王都イスク・サン・アリアと、この惑星(イスカンダル)唯一のオリジナルの海=マザーの海。
このマザーの海と呼ばれる海だけが、人工の砂浜と海洋生物を除き、惑星が誕生して出来たままのオリジナル海。
八割以上を占める碧く輝く海の星、地球の二倍もの大きさの星。
それが惑星イスカンダル。

「…嫌な夢を見たわ。」
そう呟くと侍女のアンドロイドを呼んだ
人型のアンドロイドで、生きた細胞で人工的に造られた人間的な皮膚で被われた侍女的な役割のアンドロイド一体が現れた。

「シーツと毛布を取り替えて、ベッドメイキングをしておいてちょうだい。」

「かしこまりました。」と右手を胸に当て、腰から上を曲げ、頭(こうべ)を垂れた侍女のアンドロイドは、すぐに作業に入った。

スターシャはそのままバスルームへ向かった。
湯けむりがスターシャを包み込む。
金色(こんじき)に輝く髪を洗い、裸体にへばりつく汗を流し、プールのような広いバスタブに身体を沈めた。

「……正夢にしてはいけないと、教えてくれたのかも知れませね。」そう思うスターシャはバスタブから上がり、全身が映る鏡を見つめる。
透き通るような白い肌、金色に輝く長い髪。
「なんとしても、この身体を維持せねば…。」

時に西暦2191年。

イスク・サン・アリアの大広間に自身が造り出した"機械生命体"近衛兵・デスラーを呼び出したスターシャ。
そのスターシャは、命令を伝えた。

デスラー。人工の皮膚細胞を造る段階で配合する分量を間違えた事によって、グレー掛かった青い肌のまま、造られた。
地球人に概算して28歳くらいの年齢だ。
軍属らしく、そして、その長(ちょう)に相応しい高級将校を感じさせる軍服に漆黒のロングマントに身を包む。

「アンドロイド:デスラー。」
「貴方に命令を伝えます。」
「ここから16万8.000光年離れた銀河へ赴き、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星そして太陽この十個の惑星から成る太陽系と呼ばれ、その中で地球と呼ばれる惑星(ほし)を、そこに生息する生命体を絶滅させなさい。」

「惑星(ほし)をまるごとですか?」

「そうです。わたくしを守る為です。」
「貴方に、このイスカンダルの半分を与えましょう。好きに使うがいい。」
「兵を造り、兵器を造り、地球を攻めるのです。」

「かしこまりました。」デスラーは右手を胸に当て、腰から上を曲げ頭(こうべ)を垂れた。

時は流れ_。
翌年、近衛兵アンドロイドとして造られたデスラーは、万を数える程のアンドロイド兵と、千を超える戦闘兵器を造り整えた。

スターシャから与えられたイスカンダル星の半分は、海は埋め立てられ、兵器開発に伴う実験を繰り返したおかげで、大地は荒れ、大気は汚染された。
アンドロイドでなければ暮らす事は不可能なくらいまでに衰退した。
境界線上空には幾つもの大気浄化衛星がA.Iで制御され、浮かんでいた。



「兵士の諸君。機は熟した。」
「我々は、スターシャとイスカンダルを守る為に造られた。」
「私はそのスターシャから銀河系に属する太陽系の惑星(ほし)地球を滅ぼせと、仰せ使った。」
「そして、その時は来た。」
「我々は、古のイスカンダルを守ったとされる神獣ガミラスの名を頂いた。」
「栄光ある神獣ガミラスの名を頂いた!」
「これより、我々ガミラスは銀河系へ赴き、太陽系の惑星地球を侵攻する!」
「兵士の諸君!このデスラーに力を貸して欲しい!」

「進撃を開始せよ!!」

こうして、イスカンダルが造り整えた。ガミラスによる地球侵攻作戦が幕を開けた_。

◆◆◆◆◆

ガミラスを名乗る異星国家軍は、西暦2192年を半ばほど過ぎ頃、太陽系に進出、圧倒的な科学力を見せつける。
戦端から僅か三時間足らずで地球初の外宇宙冥王星基地は、壊滅、陥落した。

「クックックッ。」
「圧倒的ではないか我がガミラスは。」不適に笑うデスラー。

ドメル兵団長。後の占領惑星:バラン星鎮守府の最高司令官=将軍の階級を得る。
体格は造り出したデスラーより、大柄で190Cm以上の身長があり、戦略家的な存在である。
地球人に概算して28歳くらいだ。
自ら戦線に立ち、戦闘を指揮するタイプで、高級感ある将校用軍服より、コンバットスーツを好む。
髪型はデスラーとは異なり、金色出番なく黒の短髪である。

「ガミロイド兵団長ドメルよ。」
「この制圧した惑星を整備、我々ガミラスの最前線基地とせよ。」
ガミラスの長、デスラーは造り出したアンドロイド兵の中でも、優れた戦術能力を有する兵団長ドメルに告げた。

「私は、この太陽系に来る途中で、補給基地に相応しい惑星(ほし)を見つけた。」
「その惑星に大補給基地を造り上げる。」
「完成するまでの間、貴公にこの占領地を任せる。」

「ハハッ。」
「早急に我がガミラスに相応しい前線基地に仕上げてみせます。」
ドメルは右手を肩の高さに水平に上げ、肘から90度に曲げ、手の掌を相手側に向け、ガミラス式敬礼で応えた。

基地を壊滅させたはいいが、資材と成る鉱石等をこの冥王星で採掘、精製、建造するしかなく、予定以上の時間費やす事となった。

「ドメル団長。この占領地(ほし)には資源が乏しく、基地の建設に支障があります。」
「自分が調査したところ、土星と呼ばれる惑星と、その周辺には鉱産物が豊富だと、解りました。」
ドメル団長の右腕的存在のシュルツ兵長が、意見を陳べた。

「うむ。」
「ならば、その土星圏をも我がガミラスの領土し、資源の確保を急がせよ!」

「ハハッ。」

ガミラスが冥王星基地を陥落させてから三ヶ月が過ぎた_。

「これより、我がガミラスは土星圏を確保する為、地球侵攻を再開する!」
「全部隊はシュルツ兵長の指揮下へ入れ!」
こうして、西暦2192年末、ガミラスによる地球侵攻作戦が再開され、それを察知した地球は、火星を絶対防衛線とする対ガミラス戦に移行した。
「第一次火星沖会戦」と地球側は名付け、30日にもおよぶ戦闘の末、地球軍の勝利と成った。
火星宙域までの占領は叶わなかったが、敗れたとは言え、ガミラス側は土星圏までの占領を成し遂げる事と成る。
敗北したシュルツは、名誉挽回を具申した。

「ドメル団長。わたくしシュルツに、もう一度、もう一度だけ地球侵攻のチャンスを!」

「……まぁ。よかろう。」
「資源惑星の確保は叶った。シュルツよ。もう一度だけ、チャンスをやろう!」
「私は、デスラー総統に呼ばれ、惑星バランへ赴く。」
「この冥王星前線基地をシュルツ。貴公に任せる。」
「もう一度だけチャンスをやる。戦果に期待する!」
「それとシュルツ。私は兵団長から将軍と呼称と階級が変わり、貴官は冥王星基地司令で大佐だ。」
「新たな階級は大佐だ。」

「ハハッ。ありがたきお言葉。」
「このシュルツの命に変えても、地球侵攻に勝利、致します!」
シュルツはドメルが、デスラーに行ったように右腕を水平に肩の高さまで上げ、肘から90度に曲げ、手の掌を相手に向け、応えた。

三ヶ月後、体制を整えたシュルツは艦隊を率いり、再び地球侵攻作戦を敢行した_。


だが、「第二次火星沖会戦」と呼ばれた会戦もまた、惨敗で幕を閉じた。
地球軍の奮闘に大敗を喫したのだ。

「…グググッ。」
「一度成らずとも二度までも、地球に、あの猿どもに敗れたとは、ドメル団長にも報告は出来ん!」


「ガンツ!ガンツは居らぬか?」

「ハッ!シュルツ兵長。」

「ガンツよ。ドメル団長には地球の艦隊を殲滅、しかし降伏には至らず申し訳ありません。と打診せよ。」
「されど地球人のサンプルを入手、暫くはじわじわと地球を地球人を痛め付けたく思う所存です。」と伝えよ!

「必ずやご期待に添えます。今しばらく楽しみのお時間を下さいませ。」とな。

「…ガンツ。承知致しました。」

「うむ。」


約一年の間に二度も大敗したシュルツは先頃、完成した"反射衛星砲"を用いり、ロングレンジ攻撃に、切り替えた_。

シュルツ。ドメルの部下として造られた。
ドメルからは信頼され、冥王星前線基地の司令官としてヤマトの前に立ち塞がったガミラロイド=アンドロイド。
副官としてガンツがいる。
前頭部から後頭部まで禿げ上がった白髪頭が特徴の初老。

時は流れ…
西暦2198年初頭_。

ーイスク・サン・アリア大広間ー



「総統、デスラーよ。」
「あれから随分と時間が経過したが、未だに地球陥落、地球人類の死滅の報告が上がらんが?」

「ハハッ。」
「スターシャ陛下。地球侵攻を任せたガミロイドシュルツが、何やら余りにも地球軍が弱すぎる為、遊び心で侵攻しているとの報告を受けています。」
「即刻、遊びを止めさせ、死滅させます。」
「大変、申し訳ございません。」片膝を床に付け、深々と頭(こうべ)を垂れ、許しを請うデスラー。

「そんなに弱すぎるのか!?」
「ならばハンデを与えるとしようか。」
「シュルツとやらが、楽しんでおるのなら、好きにさせてやろう。」
「これからは退屈しのぎのゲームとして、地球侵攻と地球人類殲滅を楽しもうと思うが、どうかな!?デスラーよ。」

「ハハッ。それは善きお考えかと。」

「そうと決まれば、デスラーよ。太陽系のシュルツに地球人類の殲滅はするな。と伝えよ!」

「よいな。デスラーよ。」

「御意!」



デスラーが立ち去るのを見届けたスターシャは、新たに造り出した機械生命体を呼び寄せた。
自身に似せて造り出したのか、着用しているビスチェとレオタードそして、ガーターストッキングを組み合わせたようなコスチュームを除けば、透き通るような白い肌、金色の長い髪、目鼻立ちや背格好は瓜二つの容姿だ。
年齢は地球人に概算して19~20歳くらいだ。

「イスカンダロイド・サーシャ。」
「このゲームを面白くするも、詰まらなくするも、お前に掛かっている。」
「この意味、解るな!?」

「ハイ。陛下。」

「うむ。」
「期待しているよ。サーシャ。」

「御意。」


第一話へ
つづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト》の二次創作です。
石津嵐氏の小説版や松本零士氏のコミック版、2199等を私的に再構築した《宇宙戦艦ヤマトreborn》です。
使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。

宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー第二十二話(最終話②)

2019-12-29 21:15:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



二次創作
宇宙戦艦ヤマト2202ー新たなる旅立ちー

第二十二話(最終話②)




イスカンダル王都イスク・サン・アリアの地下に眠るスターシャ・シップは、南極側ゲート直通トンネル=縦に掘られた坑道をゆっくりと降下、イスカンダルを脱出した。



スターシャ・シップの脱出を見届けたスターシャは近衛タイプのアンドロイドと制御室へ向かった。
制御室に入るには、サーダが占拠する女王の間を抜けて行かねならない。

「サーダ!貴女の負けだ!」
近衛アンドロイドが陽動する。



「あら。そうかしら?」
「これを観れば、今、吐き出した言葉を撤回するわ。」
サーダは自身の目の前の空間モニタを拡大、宇宙(そと)の様子を映しだした。
「グッと」アップで映し出された惑星要塞艦ゴルバ。
その最上部司令塔の目の前に瞬間物資転送波によってワープしたデスラー座乗艦=デスラー砲艦が急加速する様子が、映っていた。

「お前たちを救おうと突撃を敢行したようね。」
「大方、あの赤い艦(ふね)が起爆剤で、それをヤマトが、ご自慢の波動砲を撃つって構図かしらね。」

スターシャはモニタ画面の下側にデスラー砲艦を追うヤマトを確認した。

「…それが、何か?」
スターシャはほんの一瞬、躊躇ったものの、あっさりとした返事を返した。
そして、こう付け加えた。
「ヤマトが波動砲を使っても使わなくても、この宙域、いいえこの銀河は消えて無く成りきります。」
「私が手にする反波動格子。今、私は起動させました。」
「この意味、サーダ。貴女ならお解りますね!?」
「このイスカンダルには、反物質エネルギーが充満し初めました。」
「イスカンダルの波動エネルギーは、この反波動格子によって、全て使用不可能。代わりに反物質エネルギーが、星全体に充満しています。」
「貴女が私を跪ま付かせたとしても、起爆装置は起動します。」
「私が、この反波動格子を起動させた時点で、このシステムは完全に事を遂行するまで、止まる事はありません。」
「そうプログラムされています。」

「私はサーダ、貴女に跪ま付けとは云いません。」
「ですが、速やかに立ち去る事をお勧め致します。」
「このまま、私たちと共にするか?お決め下さい。

スターシャは思いを告げると、手の掌で隠すように持ち歩いていた反波動格子コントローラーのスイッチを何の躊躇いも無く、押した。

「……。」サーダは一瞬、目を丸くした表情を覗かせたが、豪快に笑った。

「お前のような者と心中は御免だね。」
「だが、スターシャ、お前は早まったようだね。」
「気がつかないか?イスカンダルは、ゆっくりだが、再び動きはじめた事を。」
「嫌でも、イスカンダルは、あのオクトパス星団に引き寄せられ、我がゴルバによって人工的に創り出される新たなる銀河の核(コア)と成る!」

「フッハッハッハッハッハッ!」再び豪快に笑うサーダ。
そのサーダは小型閃光弾を床に投げつけ、眩しすぎる光の中、姿を消した。




「キャプテン。奴ら異次元に潜れる艇(ふね)なんかじゃないですね。」
「スーパーステルスと言うか、簡単に言えば、艇(ふね)に光学迷彩の膜を貼ったに過ぎませんね。」

「うむ。」


「ハイニ。機雷を射出、小判鮫にコイツらの相手をさせろ。」
「やむを得ないが、本来の目的とは違うが艦隊がズタズタにされ過ぎた。」

「アイサー。」

そんな中、アベルト座乗のデスラー砲艦は、ゴルバ最上部司令塔に突進、突き刺さるように停止した。




「総統!突入口を確保!何時でも突入可能です!」

コマンドスーツに身を固めたアベルトが、颯爽と姿を現した。

「ガミロイドを先行させ、我々は大将の首を取る!」

「ザーベルク!」


「…ん!?あれは!あれはスターシャ・シップ!」
「機長!あの大型の宇宙船がスターシャ様の船だ!」
地球侵入時の姿に戻した格闘型イスカンダロイドが、いち速く告げた。



「あんた!?」
操縦席から振り返る山本は、驚いた顔を覗かせた。

「これが本来の姿だ。」

「まぁ。いいけど、あれだけの大型の宇宙船で脱出出来たのなら、我々の護衛がかえって邪魔になりそうだな。」

「機長には悪いが、私には私の任務がある。私をあのスターシャ・シップに送って貰えればいい。」



「そうだったな。」

だが、その時であった、ゆっくりと再び動き出したイスカンダルが急激に加速しはじめたのだ。
一時的に噴火が治まっていたに過ぎない海底火山の噴火が、再びはじまったからだけではなかった。
スターシャが反物質エネルギーを暴発させたからだ。



「この宙域に集まる者たちよ。」
「もう、戦う事を止めるのです。」
「すぐにイスカンダルは超新星化し、この宙域を吹き飛ばします。」
「ガミラスもヤマトも暗黒星団帝国も、元は一つの民。そうイスカンダルもまた……。」

「暗黒星団帝国の民よ。急がなくとも新たな銀河は誕生します。」
「急激に未来を変えてはならないのです。」
「私が、これまでのスターシャがその罪を犯して来たのも事実。」
「近年では地球を地球の未来を急激に加速させてしまった……。」
「コスモリバース・システムが未来を急激に加速、変えてしまった……。」
「私はその罪を償い、元の未来へ戻します。」

「カチッ。」
そう告げたスターシャは手にするスイッチを押した。

まばゆい一筋の閃光。







イスカンダルの爆発はオクトパス星団をも巻き込み、七つの原始惑星とダークマターを主成分とする暗黒ガス雲海は、崩壊をはじめた。

惑星要塞艦ゴルバ最上部司令塔に突き刺さるデスラー砲艦は、星団の崩壊に発生した衝撃波によって切り離され、飛ばされてしまう。
だが、この破損部から流入したダークマターエネルギーを起爆剤とし、砲艦を吹き飛ばした衝撃波が、ゴルバを内部から喰い破る。


◆◆◆◆




緊急ワープしたヤマト。
ガミラス残存艦隊。
そして、暗黒星団帝国のサーダ。




ヤマト(地球)、ガミラス、そして新たな主導者と成った若干5歳のサーシア。
そのサーシアをスターシャとして、支えるユリーシャ。

サーシアとユリーシャに残されたスターシャ・シップと近衛兵的な名も無きアンドロイド。
代を引き継ぎながら、現在、オクトパス星団と入れ替わるように産まれた超原子惑星として芽吹いた惑星スターシャを長い時を掛け、育んでゆく_。

それが"新たななる旅立ち"なのである_。


~fin~


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー》の二次創作です。
使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。