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鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー第二十一話(最終話①)

2019-12-25 14:58:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



二次創作
宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー

第二十一話(最終話①)


ユリーシャ、メルダ、イリィそして、スターシャの愛娘サーシアは、宮殿の地下に隠されたスターシャ・シップ=スターシャを継ぐ者のみが代々使用してきたスターシャ専用シュヘラザード改良型。

「これよ。このスターシャ・シップで脱出します。」
「サーシア。ちょっと来て。」
ユリーシャに歩みよるサーシアをユリーシャは抱き上げ、認証パスワード機を覗かせた。

「スターシャヲ確認。ゲート開きますマス。承認。」

スターシャ・シップ船底部のハッチが開き、自動タラップが降りた。

「ユリーシャ様。」
メルダはタラップへ一歩踏み出すユリーシャに声を掛けたが、「いえ。すみません。」と言葉を呑み込んだ。
それは同行するスターシャの愛娘サーシアを気遣っての事であった。
この場で、スターシャ様は本当にお一人で脱出なさるおつもりでしょうか?などと、尋ねればサーシアが心配し、残ると言い出さないとは、限らないからだ。
ユリーシャには、解っていた。
だがら、敢えてメルダの呼び掛けに反応を示さなかったのだ。
その代わりに、"ウインク"を飛ばした。

「それにしても、この特別仕様のシュヘラザード=スターシャ・シップは、一段と大きいですね。」
メルダは思わず、その大きさから口にした。

「古くからスターシャを継ぐ者に伝わる言い伝えでは、防御力も速力も、そして攻撃力も最強と伝えたられている代物。」
全長1.000メートルを超えるスターシャ専用シュヘラザード改良型。

「攻撃力もですか?」
「兵装らしき物は見当たらないですね。」

「そう。このスターシャ・シップはね、船自体が剣であり、盾であり、のスターシャを守るだけに造らせた宇宙船(ふね)。」
「もう、理解出来たでしょ!?メルダ。」

メルダは「ハッ!」とした顔を覗かせた。
この宇宙船(ふね)に乗り込む時に"承認"したのは「サーシア」様。
そう。既にサーシアをスターシャと認証するように、プログラムは書き換えられていたのだ。
それも、つい先ほどの事。

「…メルダ。」
「姉を姉の気持ちを解ってあげて…。」
「新たなる指導者が誕生したのです。」
「わたくしは、サーシア(スターシャ)を守るだけ。」
「この最悪な状況を打破し、新たなる未来を創る為にも、姉の邪魔してはいけない…。」

「……。」




「真田。私をスターシャのもとへ行かせて。」
「私の基本プログラムはスターシャ陛下にしか変更する事は、出来ない。」
「駄目と云っても、もうこれ以上、私を止める事は出来ない。」
「真田(あなた)方を殺したくはない。」

「いいだろう。ヤマトのエースパイロットに送らせよう。」

「ありがとう。真田。」



「ヤマト航空隊隊長、山本へ。」
「此方、副長の真田だ。これより、新たな命令を伝える。」
「武装シーガルにて、イスカンダルへ赴き、スターシャをはじめとするイスカンダルに残る者を全て救助、速やかにヤマトへ帰投せよ。」
「尚、イスカンダルのアンドロイドを一緒に連れて行け。」
「速やかな任務遂行に期待する。以上だ。」

「此方、航空隊隊長の山本。了解。」



「…了解はしたものの、わざわざ武装シーガルで!?
「それだけ、救助する人数が多いと言う事か。」
「スターシャ、ユリーシャ…メルダ!?」
「他にもいると言う事!?」




「サーシアたちは、上手く南極側から脱出したようですね。」



「そのようです。」
「それと女王の間には、サーダを名乗る者しかおりません。」
「室内カメラにアクセスして確認致しました。」

「そうですか。わたくしたちも制御室へ向かいましょう。」




「……。」
「侍女の諸君。私をサポートして欲しい。」
「タラン参謀。デスラー砲(砲艦)を切り離せ。」
「貴公はディッツ提督を支えろ。」

「……総統。」

「これがタラン参謀。最後の命令だ。」
「ヤマトの艦長古代に回線を繋いでくれ。」

「侍女の諸君。白兵戦へ向かうとするかね。」

「ザーベルク!」




「デスラー砲艦、射出せよ!」
「デスラーズ、瞬間物資転送波座標入力!目標!ゴルバ最上部!

「転送波発射!!」




「古代艦長!デスラー総統から直伝!回線を開きます!」

「何?デスラーから直接か?」

「はい。ダイレクトコールです。」

「分かった。メインスクリーンへ繋げ。」

ヤマトの第一艦橋、上部中央に備えられたメインスクリーンに映し出されるデスラー総統。

「ヤマト艦長古代。地球の英雄である君に頼みたい事がある。」
「時間無いので失礼ではあるが、結論から伝える。」
「私の座乗する砲艦を追尾し、動きが止まったところを波動砲を撃て!」
「ゴルバのウィークポイントだ。」
「私に代わってスターシャを助けて欲しい。」

「……デスラー総統。いや、アベルト・デスラー。」
「済まない。ノイズが酷く、聞き取れない。早まってはスターシャ陛下が哀しむだけではないのか!?」
「波動砲は使わない!」
「我々はスターシャ陛下に波動砲を封印すると誓った…。」
「アベルト・デスラー。貴公の頼みは受諾出来ない!」
「地球は、いや、ヤマトに出来る事それは ガミラスを支援し、イスカンダルを救う事だけだ!」
「アベルト・デスラー。貴公を死なせない!」
映像通信は、そこで切れた。
古代が強制的にカットしたのだ。

「此方、艦長の古代だ!」
「これよりヤマトはデスラー総統と共にゴルバ内へ突入、白兵戦を敢行する!」
「総員!銃(コスモガン)の携帯を許可する!白兵戦に備えよ!」

つづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー》の二次創作です。
使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。

宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー第二十話

2019-12-16 12:17:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



二次創作
宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー

第二十話


「総統!ヤマトです!」
「ヤマトが援軍に!」
慌ただしく総統護衛隊侍女の一人が告げた。

「のようだな。」
軽く安堵の表情を覗かせたアベルト。
だが、その安堵の表情も束の間、オペレーターによる味方艦、爆沈の報告が相次いで飛び込んだ。

「後衛で相次いで味方艦の爆沈ッ!!」
「レーダーには何も捉えてません!」

「タラン参謀!先行する猟犬に始末させろ!」
「我、デスラーズはデスラー砲発射準備だ!!」
「ヤマトとヤマトの艦載機らに通達、上手くやり過ごせとな。」

「ザーベルク!」



戦闘甲板が更に開き、格納されていたデスラー砲=波動砲がカタパルトに接続され、競り上がる。





「司令!ヤマト艦載機隊、ヤマトに帰投!」
「ヤマト後退をはじめましたッ!!」
「ガミラスの動きにも変化が、出て来てます!」

「うむ。」
「最上部司令塔を格納せよ!」
「奴(ガミラス)は波動砲を使う気だ!」

「御意!」


デスラーズ後衛艦が相次いで撃破されて行く中、デスラー砲が発射された。
漆黒の闇夜を切り裂き、真一文字に惑星要塞艦ゴルバを目掛け、突き進む極限まで濃縮、圧縮された波動エネルギー弾。
蛍光ピンクに輝くプラズマ波を纏い、空間に浮遊するデブリ、星間物質を融解、凪払い直撃した。
輝かしい閃光が視界を遮る。
やがてその遮られた視界が回復、勝利を確信したデスラーズの兵たちは、無傷の姿を現す惑星要塞艦ゴルバに、言葉を失った。




「フッハッハッハッハッ!!」
メルダーズの高々と笑う声が暗黒ガス雲内に響き渡る。

「無駄だ!我、惑星要塞艦ゴルバに波動砲は通じん!」
「ダークマター微粒子防御膜でコーティングされているからな。」
「貴様らご自慢の波動エネルギー弾など中和し弾き返すのだよ!」

「フッハッハッハッハッ!」




「そうか。奴らの狙いが解ったぞ。」

「古代艦長。意見具申。」

「どうしたんです?副長。」

「艦長。至急、スターシャたちの救出を!」
「遺憾ながらイスカンダル星を破壊、奴らの計画を阻止せねば、この宙域が、いや、この宇宙全体が狂わされる!」

「どういう事です!副長!」

真田は一度、目を閉じ、再び開けると、こう切り出した。
「自分の仮説が正しければ、今、新見君にも解析を頼んでいますが、このオクトパス星団の暗黒ガス雲。」
「この暗黒ガス雲の主成分はダークマターです。」

「奴らは、イスカンダル星を核(コア)にして、この暗黒ガス雲をトンネルにするつもりです。
簡単に云えば、"ビッグバン"を人工的に造りだし、新たな銀河、いや、新たな宇宙を造る。それが奴らの計画(もくてき)だ。」

「副長。もう少し分かりやすくお願いする。」

「奴らは、この宇宙を壊し、生き残った知的生命体のみを服従させ支配する事が目的だ。」
「そして、新たに造りだした宇宙をも支配、神にでも成るつもりだろう。」

「古の時代に"テレザート星の民たちが行ったように!」


【ビッグバン】

ビッグバンとは宇宙創造時にあったといわれる大爆発の現象である。

宇宙は非常に高温高密度の状態から始まり、それが大きく膨張することによって低温低密度になっていったとする膨張宇宙論(ビッグバン理論 (Big bang theory)における、宇宙開始時の爆発的膨張。インフレーション理論によれば、時空の指数関数的急膨張(インフレーション)後に相転移により生まれた超高温高密度のエネルギーの塊がビッグバン膨張の開始になる。
その時刻は今から138.2億年(13.82 × 109年)前と計算されている。

ビッグバン理論では、宇宙は極端な高温高密度の状態で生まれた、とし(下)、その後に空間自体が時間の経過とともに膨張し、銀河はそれに乗って互いに離れていった、としている(中、上)。
遠方の銀河がハッブル=ルメートルの法則に従って遠ざかっているという観測事実を一般相対性理論を適用して解釈すれば、宇宙が膨張しているという結論が得られる。
宇宙膨張を過去へと外挿すれば、宇宙の初期には全ての物質とエネルギーが一カ所に集まる高温度・高密度状態にあったことになる。
この高温・高密度の状態よりさらに以前については、一般相対性理論によれば重力的特異点になるが、物理学者たちの間でこの時点の宇宙に何が起きたかについては広く合意されているモデルはない。

20世紀前半までは、天文学者の間でも「宇宙は不変で定常的」という考え方が支配的だった。1948年にジョージ・ガモフは高温高密度の宇宙がかつて存在していたことの痕跡として宇宙マイクロ波背景放射 (CMB) が存在することを主張、その温度を5Kと推定した。このCMB が1964年になって発見されたことにより、対立仮説(対立理論)であった定常宇宙論の説得力が急速に衰えた。
その後もビッグバン理論を高い精度で支持する観測結果が得られるようになり、膨張宇宙論が多数派を占めるようになった。

ダークエネルギーが観測される以前は、宇宙論研究者は宇宙の未来について二通りのシナリオを考えていた。
宇宙の質量密度が臨界密度より大きい場合には、宇宙は最大の大きさに達し、その後収縮し始める。
それに伴って宇宙は再び高密度・高温になってゆき、宇宙が始まったときと同じ状態(ビッグクランチ)で終わる。
またあるいは、宇宙の密度が臨界密度に等しいかそれより小さい場合には、膨張は減速するものの止まることはない。
宇宙の密度が下がっていくにつれて星形成は起こらなくなる。
宇宙の平均温度は絶対零度に次第に近づいていき、それとともに、より質量の大きなブラックホールも蒸発するようになる。
これは熱死あるいは低温死 (cold death) として知られるシナリオである。
さらに、陽子崩壊が起こるならば、現在の宇宙のバリオン物質の大多数を占める水素が崩壊する。
こうして最終的には放射だけが残る。

現在の加速膨張の観測結果からは、今見えている宇宙は時間とともに我々の事象の地平線を超えてどんどん離れていき、我々とは関わりを持たなくなることが示唆される。
最終的な結果がどうなるかは分かっていない。
Λ-CDM宇宙モデルは、宇宙定数という形でダークエネルギーを含んでいる。
この理論では銀河などの重力的に束縛された系だけはそのまま残され、宇宙が膨張して冷えるに従ってやはり低温死へと向かうことが示唆される。
幽霊エネルギー (en:phantom energy) 説と呼ばれる別のダークエネルギーの説明では、ダークエネルギーの密度が時間とともに増加し、これによるビッグリップと呼ばれる永遠に加速する膨張によって銀河団や銀河自体もばらばらに壊されてしまうとしている。




第二十一話へ
つづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー》の二次創作です。
使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。

戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー第十九話

2019-12-11 20:16:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



二次創作
宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー

第十九話


リスクを承知で二度目のピンガーを放ったUX01。
その反響音が探索士の耳に届く前にレーダーに無数の飛行体を捉えた。

「未確認の機影多数を捉えた!」
「…ん!?」
「……その後方に戦艦を捉えた!」
「識別に入る!」

イメージ曲「宇宙戦艦ヤマトより、元祖宇宙戦艦ヤマト」



「…こっ!これは…。」
「キャプテン!敵、惑星要塞艦の後方にヤマトです!」
「機影はヤマト航空隊です!」

「うむ。」
「なるほどな。」

「通信士。宙雷艇の指揮A.Iを停止。」
「此方でコントロールを。」

「アイサー!」

「レーダー士!此方が放った魚雷はどうなった?」

「ハッ!横扇状に発射した魚雷も縦扇状に発射した魚雷も、全弾命中!」
「しかし、損害を与えたのは、縦に発射した一番魚雷のみ!」
「残りは直撃したものの、致命打を与える事は出来ませんでした!」
「おそらくバリア的な加工が施されていると、思われます!」

「…一本だけか。」
「…ん!?そうか。解ったぞ!」と、呟くように心の中で云った。

「通信士!総統との亜空間回線を繋げ!」




時を同じくして、惑星要塞艦ゴルバの後方から接近するヤマト。
そのヤマトの副長で技術長を兼任する真田は、腑に落ちない様子を浮かべていた。

「しかし、妙だな?」
「あれだけの巨大な相手、それも全くレーダーが使い物にならない訳ではないのに、ピンガーを打つとは?」

「先生!もしかしたら、反対側は極めて探索や傍受が困難なのかも知れません。」
「今のところ、ガス雲の細かい解析までは出来ていませんが、重力波が入り淫られています!」
「イスカンダルがワープして来た影響が、既に現れるはじめていても不思議ではありません!」

「……。」
「新見君。この空間の解析を急いでくれ。」

「はい。」
「アナライザー。電算室へいっしょに来てちょうだい。」



「ハイ。ヨロコンデ。」
「ヒサビサノ ニイミ女史ト、カイセキ。」
「(*゚∀゚)=3コウフン シマス。」

「…コホン。」
「アナライザー。」
咳払いし、メガネのズレを直す新見の鋭い眼差しが、アナライザーに重く突き刺さる。






「いい気に成るなよ!青蟲(ガミラス)ども!」
「次元宙雷艇をすべて、発艦!青蟲を殲滅せよ!」

異次元シールドを展開、重力波が散乱する中、更に異次元シールド=超ステルス膜で機体を空間に同化、デスラーズ艦隊の背後に迫った。




第二十話へ
つづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー》の二次創作です。
使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。

宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー第十八話

2019-12-07 15:14:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



二次創作
宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー

第十八話




「ハイニ。空間魚雷、全門装填。」
「まずは、横に扇状に発射、発射後、更に全門装填、今度は縦に扇状発射だ。」
「発射後、急速潜航、着弾後、元の深度に浮上、浮上した後、小判鮫を切り離す。」
「小判鮫は、陽動を。」
「そして、一番、二番にデコイ装填、残り三番から六番に亜空間魚雷装填せよ。」
「そこからが勝負だ。」

「アイサー。」
「真面(ほんき)の戦闘って云ったところですな。」

「うむ。そうせざる終えない。」
「亜空間潜望鏡を覗いて見な。」
フラーケンは、そこまで指示を出すと、副長のハイニに、亜空間潜望鏡を覗かせた。



「……真面か。」
「こりゃ厄介な相手ですな。」
「小惑星クラスの戦闘艦とは、敵も必死ってとこっスね。」

「ああ。だが、総統の艦隊が接近している。」
「楽しもうぜ。ハイニ。」

「勿論ですとも。キャプテン。」
フラーケンとハイニは、拳を突き合わせ、勝利を祈った。

「よし。」
「はじめるとするか。」

「魚雷!全門発射ッーーー!」
フラーケンの命令と同時に斉射された6本の空間魚雷は、横に扇状に拡がりゴルバへと突き進む。
間髪入れずに次の魚雷が装填され、発射された。
横に扇状に拡がる6本の魚雷、それを追いかけるように縦に扇状に拡がる6本の魚雷。
計12本の魚雷は惑星要塞ゴルバを呑み込む勢いで、襲い掛かる。

「操舵士!急速潜航、亜空間深度600度!」
「潜航後、機関停止、無音浮上、現亜空間深度400度まで!」
「急げ!」

「アイサー!急速潜航、深度600度!」
「深度600に到達、機関停止!無音浮上開始ッ!」

「砲雷士!一番、二番にデコイ装填!」
「続いて、三番から六番、亜空間魚雷装填!」
「亜空間深度400度に到達と同時にデコイ発射せよ!」
矢継ぎ早に指示を飛ばすフラーケンの期待に応える各クルーたち。
フラーケンはデコイ発射と同時に今度は、牽引した"小判鮫"FS型宙雷艇を切り離す。

「宙雷艇、三艇を切り離し、各個に陽動に入りました!」

「微弱ながら、探索機に反応!前方より、総統、率いる艦隊急接近!」

「うむ。」
「馬鹿デカイ奴の動きは?」

「…デコイに喰いつきません!」
「微動たりともしません!」

「ン!?
「キャプテン!総統の艦隊の後方に未確認の機影をキャッチ!!」
「このガス雲の影響と未確認の機体から機体を包むようにパルス状のステルス幕を発生しているようで、数は分かりません!」
「かなりの機体数だと思います!」



「なるほど。」
「援軍が接近していたから奴は、微動たりともしなかった…。」
「いや、違う!奴にとっては俺たちは、雑魚程度の存在。」
「端なっから俺の俺たちの存在は、奴に取って問題外の存在。」
「デスラー総統率いる艦隊の殲滅しか頭に無い……。」
フラーケンは腐に落ちない様子であった。
そこでリスクは有るが、もう一度、ピンガーを打つ事にした。


第十九話へ
つづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー》の二次創作です。
使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。

宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー第十七話

2019-12-03 20:04:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



二次創作
宇宙戦艦ヤマトー新たなる旅立ちー

第十七話



【暗黒星団帝国軍 強襲揚陸艦タロウス】

サーダーの侍女ラヒキとリマは自身たちがイスカンダル星、攻略に使用した強襲揚陸艦タロウスを発進、メルダーズのゴルバを支援する為、イスカンダルを出撃した。
本来、ゴルバ級を支援する事など、暗黒星団帝国にとってはあり得ない事なのだが、ヤマト出現に焦りを隠せないメルダーズが、作戦に支障を来すかも知れんと、サーダーが差し向けたのである。

「に、してもメルダーズもだらしがない。」
「リマ。少し言い過ぎだぞ。仮にもサーダー様のD.N.Aから造り上げたクローン。」
「我が暗黒星団帝国に"オトコ"と云う存在は、10.000年も前に途絶えたのだ。」
「途絶えた時間に違いは有るが、このイスカンダルも同じ。」
「我らで云うところのデザリアム星団帝国と同じ、厄介な"種"だが、サーダー様が成し遂げようとする回帰には、必要な種なのだ。」

「ふぅ~ん。」
リマは半分、納得したが半分納得出来ない様子でラヒキに返答した。




「イリィ!頼みがある。」
「私の制服のパンツを脱がしてくれないか?」
「ヤマトを迎えにゆく!」

「えっ!?ヤマト!」
「メルダのお姉ちゃんヤマトを連れて来てくれるの!?」

「ああ。連れて来る。だから早くパンツを脱がしてくれないか。」
「コスモデリンジャーを隠してある。」
「奴らろくに調べもしなかったからな。」

「ヤマトが助けに来るのね!」
イリィは、笑顔を覗かせ、メルダに云われた通り、制服のパンツを脱がし、右太ももに着衣するガーターストッキングに隠された、コスモデリンジャーを取り出した。



「メルダのお姉ちゃん。コレ!?」

「そうだ。それだ。」
「イリィ。それで、私に付けられ手錠を射て!」

「…メルダのお姉ちゃん……。」

「大丈夫だ。手錠のまん中を射て。」

イリィは今にも嗚咽しそうなくらい、震えていた。

「メルダ。あたしが代わりに射つぅ。」
そう口を開いたのは、拘束を間逃れた五歳のサーシアだった。

「…サーシア様!」

「サーシア!」

驚きのあまり思わず、「サーシア」の名前を上げたメルダ、スターシャ、ユリーシャの三名。

「私が射ちます。」
後ろ手で拘束されたユリーシャが名乗り出た。

「わたくし、これでもコスモガンを射った事が有りますのよ。」
「ヤマトが立ち寄ったガミラスの占領した惑星で。」
その言葉にメルダは、「ピン」と、来た。
「収容惑星レプタポータ」での出来事だと。
メルダは後ろ手で引き金をと思いもあったが、五歳の娘サーシア様に銃を射たせる訳にも行かず、銃口を一度、手錠に押し付け、そこからゆっくりと2Cm程、上に上げ、引き金を引かせた。

「バゥン!

「カシャン!」

静まり返る拘束された室内に響き渡る、銃声と金属が床に落ちた落下音。

「ありがとうございます。ユリーシャ様。」
「次はスターシャ陛下を解放します。」
スターシャ陛下の背後に回ろとしたメルダにスターシャは、「待ちなさい。」
「わたくしよりも、ユリーシャを解放して差し上げなさい。」

「…えっ!?」

「わたくしなら、大丈夫。ドロイドたちを呼んで下されば大丈夫です。」
「ユリーシャ。サーシアを頼みます。メルダは、このガミラス娘(こ)を、この娘(こ)の希望であるヤマトを。」







「サーシア。ユリーシャの云う事をよく聞くのですよ。」

「はい。お母様。」
「お母様もすぐにサーシアを迎えに来てね。」
「ニコリ。」と笑顔を覗かせるサーシア。

「さあ。お行きなさい。」

ユリーシャ、メルダ、サーシア、イリィの四人はスターシャを一人残して、囚われていた部屋を後にした。
四人が部屋を後にして、直ぐに改良型のイスカンダロイド二体が、スターシャを救出した。



「反波動格子は用意出来てますね?」
スターシャの問いに一体の改良型イスカンダロイドが、答えた。

「はい。ここに用意出来ております。」



「サーシアたちの脱出を見届けた後、行動を開始致します。」
「イスク・サン・アリアの制御室へ向かいましょう。」




第十八話へ
つづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー》の二次創作です。
使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。