星港、香港、そして上海流れ旅

シンガポールから香港へ、そして上海で働くことになったオジさんエンジニアの日常

上海天山茶城

2012年01月14日 | 日記
妹に龍井茶以外の物を頼まれたので、今度は上海天山茶城へ行ってみた。
ここは会社から徒歩圏内の場所なので、今日は自転車で移動。
地下鉄駅からは逆に遠くなるので、自転車を駆使するのが一番便利で
早いのだ。タクシーが使えればもっと便利なんだろうけど、未だ
自分の家しか言えない俺・・・。まぁ、運転が乱暴なのと、イカサマを
しようとするドライバーが後を絶たないので、正直使いたくないのだ。
交通カードのすり替えの話はアチコチで聞くし、最近では支払いに
渡した100元札を偽物とすり替えて、ダブルで請求するって話まで
伝わって来た。春節前に金が必要なのは分かるが、バレたら一発で
首になる事を平気でするのがチャイナクオリティなのかもしれない。



話がズレたが、ここも沢山のお茶屋が所狭しと並んでいて、何処に
入って良いやら分からない。こうなったら第一印象で入りたい店を
決める事にした。そうこうするうちに1件、目ぼしい店を発見。
他の店が大口のパックとか、プーアール茶のフリスビーみたいな
かたまりを並べているのに、この店は小口のパックをラッピングして
お土産にはちょうどよい感じだったのだ。
店の名前は「香蘭茶業」。店主は葉さん。お茶屋さんにはこの名前が
多いのか?福建省は武夷山近くの出身で、ご主人も同じビルに出店
しているそうだ。日本語も勉強されていて、ある程度は通じる。
(難しい単語の時には、電子辞書を駆使して会話した)
私の先に居た客が帰った直後らしく、沢山お茶が並べてあった。
買う予定はないけど、フルーツ茶とか工芸茶を飲ませて貰った。
フルーツ茶はドライフルーツとかローズヒップをブレンドした物で、
美肌や美白に効果があるらしい。俺には不要。
試したのは鉄観音とプーアール、プーアールの親戚の黒茶など。
小さい杯子で何杯もおかわりした。鉄観音の香りは素晴らしい。
大紅袍も良かったけど、また別の良い香りがする。
鉄観音に限らずお茶は酸化に弱いので、保存は冷凍庫がお約束。
試しに店先にサンプルで出しているお茶と、冷凍庫から出した
ばかりのお茶を試してみた。2週間ほど外に出していた茶葉は
色が黒ずんで香りも少ない。試しに口に入れてみると、お茶の
味はするが香りは殆どしなかった。今度は冷凍庫から出したばかりの
茶葉を見ると、色は緑がかっていて、口に入れると口中に香りが
広がる感じ。

プーアールとその親戚の黒茶は発酵茶で、特に黒茶は菌を使って
発酵させたお茶。香りや味はお茶を楽しむというより薬を煎じて
飲んでいる感じがして、私の好みではない。
値段はワインと同じく寝かせた方が高くなり、モノによっては
数百万円する物も珍しくないそうだ。投資だよね、こうなると。
ただね、尿酸値を下げるとか、肝機能を回復させるとか、魅力的な
効能が並んでいるんだよなぁ。でも安くないね。w

ここでも大紅袍の話。中国では国家主席しか飲めないらしい。
オリジナルの木は6本あって、年間に採れるお茶は僅か500g。
値段はあって無いような物らしい。二代目のお茶で20g300万円の
値段が付いたとか。そこまで行くと、出がらしの茶葉でも数万円
するかもね。

店に入る前、茶器の並んでいる店で紫砂製の急須を買っていたので、
「今日からこれで飲むんだ」と言ったら、まだダメだと。
まずは茶葉を入れて熱湯を注ぎ、それを2日間放置してから
茶葉を交換し、また熱湯を注いで2日間放置。もう一回繰り返して
ようやく使える急須になるそうだ。しかも同じ種類の茶葉を使い
続ける事で、茶具が育つらしい。店で使っていた急須はプーアールに
使い続けているそうで、空になった急須に熱湯を注いだら、
プーアール独特の香りがした。となると、茶葉それぞれに急須が
必要なのか?急須の値段もピンキリで、店の棚に置かれた順で
値段が違う。一番下に置かれたのは数十元、一番上の段は数千元。
確かに値段が高い急須は手触りも良く、見た目もつややかに見えた。
あんなのを使い分ける人もいるんだよなぁ。

ここでは茶葉のお試しセットを購入。中身は大紅袍からプーアール、
鉄観音を始めとして10種類のお茶がセットになったパック。
土産に茉莉花茶を少しと、家で飲む鉄観音を少し。
せっかくなので、茶具を育てる為に使う茶葉を少し貰った。

葉さんは日本に来たことがあるらしい。そこで驚いたのは、日本の
お茶の苦さだったそうだ。日本人の普通飲むお茶は、ヤカンに
茶葉を入れて煮出した物が多いので、苦味も多いんだと説明した。
でも、日本でも茶道があって、煎茶道などは茶葉の入れ方とか
お茶の抽出方法などは、中国茶と似ていると話しをした。
葉さんも興味を持ったらしいので、今度行く時にはそのあたりを
調べて行こうと思う。確か玉露の入れ方が、似た雰囲気だった筈。

茶城を出たらお昼過ぎ。1時間程まったりとお茶を飲みながら
雑談していた事になる。正月休みを、こんな風にゆったり過ごす
というのもなかなか良い時間の使い方だな。