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地形学とGIS / Geomorphology & GIS

ある研究者の活動と思考の記録

青島

2009-05-12 | おでかけ
前回の記事で書いたように,以前,青島(チンタオ)の中国海洋大学を訪問しました.その際に,王永紅さんが青島の街を案内してくれました.

青島に行く前に僕が持っていた知識は,ビールで有名ということと,ドイツの植民地であったが第一次大戦の時に日本が占領した,という2つだけでした.現地に行って驚いたのは,約一世紀前のドイツによる統治の影響が,建築に強く残っていることです.旧市街と呼ばれる地区は,遠くから見るとまるでヨーロッパで,大きな教会もあります.街の中に入れば,人種や中国語の看板のためにヨーロッパとは感じませんが,それでも普通のアジアの街とはかなり違います.

他国による植民地の設置や占領は,明らかに誤った行為ですが,その過程で現地の人が取り込みたくなるような要素が伝わったならば,不幸中の幸いと言えるでしょう.青島の欧風建築には,ドイツの占領時代よりも後に中国人が建てたものが,多数含まれています.現地の人が気に入っていなければ,あり得ないことです.

一方,1914~22年と第二次大戦の際には,日本も青島を占領しましたが,街を歩いても日本の影響はほとんど感じられませんでした.日本の統治が中国で多くの問題を引き起こしたことは有名ですが,欧風建築が積極的に取り入れられたことを知ると,なおさら残念な気持ちになります.

Seen through architecture of great cathedrals.
Down through the history of time.
(When Will I Ever Learn to Live in God? / Van Morrison)

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