先週,レバノンを訪問しました.ベイルートの研究者,ラニア・ブヘとの打ち合わせのためです.
ベイルートの郊外にあるラニアの実家で夕食をいただいた際に,彼女が近くの教会に連れて行ってくれました.ギリシャ正教の教会なので,多数の聖画(イコン)をつけた壁(イコノスタシス)が礼拝堂の正面にありました.その木彫りに圧倒されました.シリアでもギリシャ正教の教会をいくつか訪れましたが,このような木彫りは全く見ませんでした.
レバノンは中東にありますが,海に隣接した山がちな国であるため,相対的に湿潤です.このために森林が多く,とくに以前はレバノン杉で有名でした.このイコノスタシスの木は,レバノン杉ではなくカシとのことですが,気候の影響を反映したものといえます.
なお,今ではレバノン杉やカシは伐採により減少し,トルコ統治時代に植えられたマツが多くみられます.
Birds singing in a melancholy wood.The big wall all around.
(Green Mansions / Van Morrison)