地形学とGIS / Geomorphology & GIS

ある研究者の活動と思考の記録

3月11日のローマ空港

2011-04-11 | おでかけ

ちょうど一月前,東日本大震災が起きました。地震が起きたとき僕は,ダマスカスからローマに向かう飛行機に乗っていました。中東の調査から帰国する途上でした。よってリアルタイムの情報は入りませんでした。

ローマ空港では,成田行きの便にトランジットするまで6時間ほど間がありました。そこで,空港で少しお土産を買ってから,アリタリアのラウンジに向かいました。僕はビジネスクラスのチケットで出張したことは一度もありません。しかし,アリタリアを含む航空アライアンスであるスカイチームのエリートなので,ラウンジに出入りできます。

ラウンジではワインとおつまみを入手し,ソファに座りました。すると近くの人が携帯電話で話す声が聞こえてきました。ちょっと驚いたような声で,Japan, Tsunami と言っていました。慌ててパソコンを立ち上げ,ネットにつなぎました。まずはニュースサイト,続いてツイッターを見ました。とんでもないことが起きたことを知りました。

急いで家や家族の携帯に電話をしましたが,通じません。とりあえず家族にメールを送りました。ラウンジの壁のスクリーンを見ると,イタリアのテレビ局が日本の映像を流していました。NHKの画像にイタリア語の解説をつけたものでした。津波の動画を見て呆然としました。別の日本人が映像を見に近くにやって来ました。彼も呆然としていました。

しばらくすると,家族から全員無事だというメールがありました。ただし家内は都内にいて,帰宅の目処が立たないとのこと。

そして成田空港が閉鎖されたため,僕の帰国便はキャンセルになったと連絡がありました。ラウンジのアリタリアの職員に,翌日の便を予約してもらい,提供されたホテルに向かいました。ホテルでもテレビやネットに釘付けでした。実に長く,かつ悲しい一日でした。

There must be something better than this.
'Cos I don't see how it can get much worse.
(The River in Reverse / Elvis Costello)


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