地形学とGIS / Geomorphology & GIS

ある研究者の活動と思考の記録

韓国国土研究院

2010-03-13 | おでかけ
ソウルの韓国国土研究院を訪問しました.韓国のGIS教育に関する調査のためです.空間センターのポスドクで,韓国出身の李さんと一緒でした.聞き取りや議論の際には,李さんが韓国語でやりとりをし,時々僕が李さんの通訳で加わるという形をとりました.一方,一緒に食事をとった際には英語で話しました.仕事に関する話は,韓国語で行った方が詳しいやりとりを誤解なくできると考えました.

インターネットの普及など,IT関係で有名な韓国では,必然的にGISもさかんです.また,GISの教育に国が積極的に関与しており,その実務を国土研究院が行っています.国土研究院はGIS教育のオンライン教材を開発するとともに,教育の拠点となる大学や大学院を認定し,その活動を支援しています.これらの場所での教育は,学部生や院生のみならず,中高の教員,公務員,企業人,一般市民も対象としています.時々開催される講習会は人気が高く,参加者を絞らないといけない状況だそうです.

オンライン教材の一部を見せてもらいましたが,講義が音声つきの動的なウェブページで行われるなど,いろいろ工夫されていました.かなりの予算をかけて作っているそうです.日本でも地理空間情報活用推進基本法の制定などに伴い,GIS関係には行政の予算が少なからず投入されていますが,GIS教育に対する投資は少ないようです.

先の冬季オリンピックにおける韓国の大活躍が,国による人材育成と関連していることが指摘されています.スポーツと同様に,学術や文化への投資の状況も,国の将来を左右します.日本のGISの将来を考えると,教育を重視している韓国の状況がうらやましく思えました.

You, who are on the road,
must have a code that you can live by.
(Teach Your Children / Crosby, Stills and Nash)

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