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地形学とGIS / Geomorphology & GIS

ある研究者の活動と思考の記録

メルボルン

2009-07-08 | おでかけ
国際地形学会議のためにメルボルンに来ています.南半球なので季節は冬ですが,思ったほど寒くはなく,特にお日様が出ていると快適です.蒸し暑い日本の梅雨よりも良い感じです.

今回,我々の研究グループからは僕の他にhaya君,dosi君,kota君が参加しており,さらにOBのロンさん,kh君, yoshi君も来ています.他にも予想外に日本人が多く,30人くらいいそうで,ちょっとした勢力になっています.全体は600人くらいです.

グループの発表は会議の後半に集中していますが,dosi君のポスター発表は初日に終わりました.高解像度DEMとGISを用いて,斜面崩壊の発生しやすさを評価した研究です.すでに多くの研究事例があるテーマですが,既存研究に比べてユニークな点は,斜面の遷急線(勾配が急変する場所)をDEMから自動抽出し,それを解析に利用していることです.見に来た人の多くも,この点をおもしろがっていたようです.

地学系の学問は,方法は同じでも場所を変えれば成立するという面があります.実際に学会では,そういう感じの発表が多いのですが,何か工夫がほしいところです.特にGISを用いた研究では,データを変えるだけではなく,方法そのものを開発することが大切です.今回,このことを再認識しています.

国際学会の大きな楽しみは,普段は会えない友人と再会し,いろいろ話せることです.このような機会を活かしたいので,身近な日本人には,「ここではあまり話さないよ」と言っています.一方,国際学会で初めてお会いする日本人の方とは,じっくりお話をすることもあります.今回も生態学や砂防学の研究者と,初めてお会いしました.

An old friend I should see.
(Mr. Natural / Bee Gees)

丹霞山

2009-05-28 | おでかけ
中国・韶関市で行われているFirst International Symposium on Danxia Landformに参加しています."Danxia Landform"(中国語で「丹霞地貌」)は,砂岩が開析されてできた大規模なトア状の地形で,韶関市の北方にある丹霞山(Danxia-shan)に由来しています.中国では有名な言葉で,国内で700ヶ所以上が認定されていますが,国際的にはあまり知られていません.

丹霞山は,ユネスコのジオパークに登録されています.また,他の4つの地域と合わせて,"Danxia Landform of China"の名前で世界遺産の暫定リストにも載っています.この秋に査察があり,正式な世界遺産になるのかが決まるそうです.もし,Landformという名称の対象が世界遺産になれば,世界の地形学にとっても意味があります.そのためか,今回の学会にはニュージーランドのCrozier, Williams,シンガポールのHiggitt,イタリアのSoldati,ポーランドのMigon といった国際的に有名な地形学者が来ています.

今回,僕は急に参加することになりましたが,Danxia Landformのような地形を研究したことがないので,発表では日本における世界遺産やジオパークに関連した動きを紹介しました.折しも先週の地球惑星科学連合の大会では,ジオパークがとても注目されていました.ジオパーク等について,僕が発表する立場にあるとは思いませんが,OBの青木君,グロスマン氏,およびhaya君の協力も得て,地形レッドデータブックといった日本独自の動きも含む紹介ができたことは,良かったと思います.

丹霞山を訪問する一日巡検もあり,岩に沿った道を歩きながら風景を満喫しました.ただ,途中から雨が降ってきて岩の表面が滑りやすくなり,何度か足をとられたのは冷や汗でした.

Walking down the rocky road.
Wondering where my life is leading.
(Ready for Love / Bad Company)

青島

2009-05-12 | おでかけ
前回の記事で書いたように,以前,青島(チンタオ)の中国海洋大学を訪問しました.その際に,王永紅さんが青島の街を案内してくれました.

青島に行く前に僕が持っていた知識は,ビールで有名ということと,ドイツの植民地であったが第一次大戦の時に日本が占領した,という2つだけでした.現地に行って驚いたのは,約一世紀前のドイツによる統治の影響が,建築に強く残っていることです.旧市街と呼ばれる地区は,遠くから見るとまるでヨーロッパで,大きな教会もあります.街の中に入れば,人種や中国語の看板のためにヨーロッパとは感じませんが,それでも普通のアジアの街とはかなり違います.

他国による植民地の設置や占領は,明らかに誤った行為ですが,その過程で現地の人が取り込みたくなるような要素が伝わったならば,不幸中の幸いと言えるでしょう.青島の欧風建築には,ドイツの占領時代よりも後に中国人が建てたものが,多数含まれています.現地の人が気に入っていなければ,あり得ないことです.

一方,1914~22年と第二次大戦の際には,日本も青島を占領しましたが,街を歩いても日本の影響はほとんど感じられませんでした.日本の統治が中国で多くの問題を引き起こしたことは有名ですが,欧風建築が積極的に取り入れられたことを知ると,なおさら残念な気持ちになります.

Seen through architecture of great cathedrals.
Down through the history of time.
(When Will I Ever Learn to Live in God? / Van Morrison)

フィリピン

2009-03-28 | おでかけ
フィリピン北部のラワグ(Laoag)に来ています.東京大学の地球持続戦略研究イニシアティブと,現地の大学が企画したシンポジウム「都市と農村におけるサスティナビリティと社会経済の発展」に参加中です.このテーマは僕の研究分野とは異なりますが,今回はピナツボ火山で行っている地形・地質・植生回復に関する研究を,テーマに関連づけて発表しました.連名発表者はロンさん,片岡さん,青木さん,森島さん,Linさん,およびフィリピンの土壌水管理局のマリオさんです.

現地の大学の名前はマリアノ・マルコス州立大学で,前大統領の父親の名前を冠しています.マルコス一家がこの地域の出身であるとはいえ,種々の問題で失脚した大統領に関連した名前を残しているのには驚きました.お国柄の違いを感じます.滞在しているホテルにも,マルコス大統領やイメルダ婦人が現役の時の写真が多数飾られていて,昭和天皇夫妻と一緒のものもありました.学会のセッションの始めに,キリスト教のお祈りとフィリピン国歌の斉唱があるのも驚きです.

年度末でバタバタしていたため,大急ぎでパワポを作りましたが,発表に恒例のジョークを何とか入れました.今回は,フィリピンのミックス・パフェともいえる「ハロ・ハロ」に関する話です.写真を出したら,「チョーキング」という声が上がりました.ギターの奏法ではなく,フィリピンのファミレスの名前で,確かにハロ・ハロの写真はそこで撮ったものでした.

Hello, hello.
I don't know why you say good bye.
I say hello.
(Hello Goodbye / Beatles)

再びイタリア

2009-03-13 | おでかけ
イタリア・ヴェスヴィオ火山の北麓に来ています.昨年秋の調査と同じプロジェクトのためですが,今回は発掘中の遺跡で堆積物を調べています.僕の他の参加者は,堆積学の片岡さん,考古学の杉山さん,およびイタリアの大学に勤めている地形学者の小松さんです.

この遺跡はローマ時代のもので,土石流によって埋められています.土石流の発生が472年のヴェスヴィオ火山の噴火と強く関連していることが,東大地震研究所の火山学者らによって明らかにされています.我々は堆積学と地形学の視点から,遺跡の埋積過程を細かく検討しようとしています.この調査は,現場で発掘を仕切っておられる東大文学部の松山先生に依頼されたものです.

南イタリアの春というと温暖なイメージがありますが,今回の調査は非常に寒いです.遺跡は保護のために仮設の屋根に覆われていて,日がほとんど当たりません.また,昼頃からはヴェスヴィオ火山の上部から冷気が下ってきて,それが発掘現場になっている大きな穴にたまります.厚着をし,暖かいお茶を飲みながら仕事をしています.

我々が調べているのは主に堆積物ですが,すぐ脇には美しいモザイクに覆われた床,ギリシャ神話を描いた壁画,ワインを作っていたと思われる甕などが見えます.そのような場所に長時間いると,不思議な気分になってきます.神聖さと諸行無常が入り交じったような...

お昼には遺跡の脇でヴェスヴィオ火山を見ながら食事をします.モッツアレラや生ハムを挟んだ固めのパンが,とびっきりおいしいです.

Down in the hole, Lord.
It's deep and the sides are steep.
(Down in the Hole / James Taylor)

広島

2009-03-10 | おでかけ
研究に関する打ち合わせのために広島に行きました.以前の記事に登場した佐々木さんと,研究室のOBで昨年秋から広島国際学院大学に勤務している古関さんに会い,いろいろ議論をしました.夜にはやはり研究室のOBで,広島学院中学・高校で地理と地学を教えている正岡君も合流し,4人で飲みました.正岡君が良いお店に案内してくれて,楽しい時を過ごすことができました.

佐々木さんが勤めている広島修道大学には,大学のOBである吉田拓郎の歌碑があります.以前書いたように,拓郎は僕のヒーローなので,歌碑をしっかり見てきました.設置は昨年8月で,除幕式には拓郎本人も来たそうです.デザインはかなり凝っていて,拓郎の4時期の写真と「今日までそして明日から」の歌詞が重ねられています.

歌碑の前で佐々木さんに,ボブ・ディラン,岡林信康,かぐや姫といった人たちと拓郎との関係を語ってしまい,後で「熱くなってましたよ!」と言われてしまいました.歌碑を見ているうちに,妙にハイになったようです.

ウォリングフォード

2009-02-11 | おでかけ
リヨンを発ち,イギリス・ウォリングフォードにやってきました.オックスフォードの近くにある町です.目的は,Centre for Ecology and Hydrologyとの共同研究です.昨年のクリスマスの記事に出てきたHelen(=ハムスター嬢)および彼女の上司のColin Nealらと,GISを用いた環境研究について議論しています.

着く数日前に,南イギリスでは18年ぶりの大雪が降り,交通網が大混乱しました.イギリスの冬は寒くて暗いという印象がありますが,南部では雨は降っても雪にはまずならないので,人々はチェーンや特別なタイヤを持っていません.よって,少しでも道路に雪が積もるとお手上げのようで,Helenも2日間職場に行けなかったそうです.

我々が到着したときには,主な道路の雪はすでに消えていて,問題なく移動できました.でも,屋根や庭には雪がかなり残っていました.歩道では溶けた雪が再凍結していて,慎重に歩かないと転びそうでした.

今回の衝撃は物価です.ポンドでの表示は特に変わっていませんが,円に換算すると以前とは大違いで,半額になったような感覚です.日本でも不況が続いているし,イギリスの町の様子は前と同じなので,ちょっと不思議に思えます.でも,以前のイギリスの物価は実態からずれている感じだったので,それが是正されたと考えれば,納得できます.

The yen is keeping up.
Which hardly seems surprising.
(The Pound Is Sinking / Paul McCartney)

リヨン

2009-02-06 | おでかけ
昨年末の記事で,フランス・リヨンのGISセンターと交流したいと書きました.善は急げというわけで,今リヨンに来ています.

昨日はセミナーが開かれ,お互いのセンターの状況と環境関係のGIS研究について情報を交換しました.日本人2名とフランス人4名が発表し,僕のプレゼンでは空間センターの概要と,最近haya君と行った研究を紹介しました.もう一人の日本人発表者はOBのzaikoさんで,気候学・生態学の話をしてくれました.フランス側では友人のPiegay氏が河川地形学の話をし,他の方は地図や災害に関するデータベースの構築と利用について発表しました.特定の分野に特化していない点が,空間センターと似ていると感じました.

リヨンのGISセンターは,ENSというフライスの高等研究教育機関に属しています.センターがある建物には東アジアに関する研究組織も入っているので,日本との交流に積極的です.まずはお互いに顔見せをし,良い感じで話ができたので,次の展開を探りたいと思います.

それにしてもパンがおいしい...

Come on now people.
Let's get on the ball and work together.
(Let's Work Together / Canned Heat)

諏訪湖畔にて

2009-01-02 | おでかけ
あけましておめでとうごさいます.

実家に帰省中です.写真は元日の諏訪湖畔です.湖を含む低地と背後の山とのコントラストが見事です.こういう場所で育ったことが,地形への関心につながっています.

諏訪は精密工業がさかんで,両親もその関連の仕事をしていました.このため,僕の小さい頃の趣味は電気工作やアマチュア無線でした.このような経緯が,コンピュータやGISへの関心につながっています.

出生地を自分で選ぶことはできません.よって,「地形学とGIS」という僕の仕事は,自分で選んだものではなく,与えられたものです.しかし,それを遂行する責任は自分にあります.

今年もよろしくお願いします.

I was thinking, got the feeling.
The gift you gave is gonna last forever.
(The Gift / INXS)

国土交通大学校

2008-12-10 | おでかけ
今日は小平市にある国土交通大学校で講師を担当し,GISによる地形解析について話しました.受講者は,全国のさまざまな官庁・自治体から研修のために派遣されて来た方々で,大半は30代です.

この講義は昨年も担当しましが,その際には専門が近い受講者の方から,かなり突っ込んだ質問が来ました.しかし講義後にとったアンケートでは,内容が難しかったという声もあり,多様な人に話すことの難しさを感じました.今年は,内容を少しだけやさしくしてみました.

講義の後には,国土地理院から大学校に派遣されているU先輩・O後輩と話す機会もあり,小平に大学校が設置された経緯などをお聞きしました.

大学校の敷地や周辺には木が多く,いわゆる武蔵野の景観を垣間見ることができます.この時期は黄色の落ち葉が美しく,風景を見ていると,ある感傷的な曲が思い出されます.学部~大学院を共に過ごした島津君から借りたCDに,入っていたものです.このブログでの歌詞の引用は洋楽と考えていたのですが,今日は他に思い浮かぶ曲がないので,邦楽にします.

武蔵野の散歩道
落葉の音を聞きながら
再び逢えたあの人を想ってます

心で聞いてくれそうで
こんな落葉の中で逢いたい
話し上手じゃなさそうだけど
心で想ってくれそうで
(落葉の部屋/沢田聖子)

母校で講演

2008-11-23 | おでかけ
昨日,母校の諏訪清陵高校で講演をしました.対象は2年生で,今後の進路選択の参考となるような話を,何人かのOBがするという企画です.

僕の講演は二つあり,一つ目では,最初に幼少時からの自分の経歴を述べ,次に高校と大学・大学院の違いについて話しました.小学生の時に同級生と撮った写真を見せたら,「うちのお父さん!」という声が上がり,郷里にいることを実感しました.

二つ目は,「長野の地形と地球温暖化」という,風変わりなタイトルで話をしました.温暖化で豪雨の特徴が変化すると,地形も変わるという内容です.doshi君らと進めている,岡谷の地形と災害に関する研究も入れました.地元の話になると,やはり生徒の反応が違います.

高校時代にお世話になった先生も何人か来ていました.講演後は,世界史を教わった高木先生らと喫茶店に行きました.高木先生は,多大な読書量に基づいて科学的な授業をされる方で,僕が最も影響を受けた人の一人です.

諏訪を離れてからずいぶん経ちましたが,多感な時期を過ごした高校に行くと,やはり特別の思いがあります.呼んでいただいた方々,ありがとうございました.

I look back at the way I used to look at life.
Soft, white dreams with sugar coated outside.
It was great, so great.
Young and innocent days.
(Young And Innocent Days / Kinks)

紀伊山地

2008-11-21 | おでかけ
京大・千木良研のメンバーと紀伊山地に行ってきました.千木良研で修士論文を書いている学生さんのフィールドで,一緒に議論をするためです.修論のテーマは斜面にみられる大規模な遷急線で,なかなか画期的な内容でした.

紀伊山地には院生時代に一度行き,大台ヶ原で斜面堆積物を観察し,十津川災害・有田川災害の痕跡を見ました.今回は約20年ぶりで,観察対象も異なるため,地形がとても新鮮に見えました.紀伊山地は九州山地と似ているというイメージを何となく持っていましたが,実際にはずいぶん個性的で,特に平坦部と急斜面の混在が面白かったです.

天気はいまいちでしたが,季節柄,紅葉も楽しめました.関東では温暖化のためか紅葉が冴えないので,良い機会でした.明るい方々との夜の一杯も楽しかったですね.きっとDoshi君がクシャミをしていたのでは...

I threw a pebble in a brook.
And watched the ripples run away.
And they never made a sound.
And the leaves that are green turn to brown.
(Leaves That Are Green / Paul Simon)

福井

2008-11-17 | おでかけ
先週,福井県地理学会で講演をしました.GISの歴史の話で,主な聴衆は高校の地理の先生方でした.僕が解説文を担当しているTK書院の地形資料を使っている方もいて,良い交流の機会になりました.

福井駅から講演場所の福井大学に向かう際には,えちぜん鉄道を利用しました.1両だけの電車に乗って発車を待っていると,制服姿の女性が,明るい声で経路の説明を始めました.ワンマンの表示が出ているのに,車掌らしき人がいてびっくり.電車が動き始めると,彼女は車内を回りながら乗客の一人一人に挨拶をしました.その後,僕の隣の人が路線について質問すると,丁寧に対応し,その人が降りる駅に近づくと,再びやって来て声をかけました.さらに,電車を降りていく一人一人に,笑顔でお礼をしていました.配慮が行き届いた仕事ぶりに,気持ちが明るくなりました.

福井大学に着き,Kadoi先生にこの件を尋ねてみました.この乗務員はアテンダントと呼ばれていて,地元でも評判で,本も出ているとのこと.また,普通ならば最初に削減するような人員を,あえて配置することにより,乗客の増加に成功したとのこと.

「作られたサービス」という面があるとしても,実に良いものを見ました.次に福井に行った時にも,えちぜん鉄道に乗ってみます.

イタリア

2008-11-07 | おでかけ
9月にRonさん,Kota君とイタリア調査をしましたが,リアルタイムで記事を書き損ねたので.ここでちょっと.

これはヴェスビオ火山の北麓で行われている,考古発掘に関連した調査です.今回は,同じプロジェクトに参加している東工大の亀井研に協力をお願いし,我々が以前から研究していた「滝壺堆積物」の分布を,電気探査と地中レーダーを使って調べていただきました.

機材が大がかりで重いものが多いのに,道が悪いために車が現場に近づけず,坂道を人力で担ぎ上げることに.その後も予期せぬ問題が生じたりしましたが,最終的には上手くいき,とても面白いデータをとってもらいました.


ということで,現場の状況と,これぞイタリアという写真を載せます.

なお,イタリアにいた際に,某学会の事務局からメールが来て,「@イタリア」と書いて返信したら,帰国後に「実に嫉妬しましたよ」と言われました.イタリアが好きな女性,とても多いようです.

オースティンにて

2008-10-11 | おでかけ
ビンガムトン・シンポジウムのためにオースティンにあるテキサス大学に来ています.この大学は,地域のオイルマネーを反映して,建物やデザインがとても立派です.着いた日には,以前この大学に勤めていたアリゾナ大のVic Bakerとキャンパスを見学しました.彼は97年に僕が在外研究でアリゾナにいたときのホストで,大変お世話になりました.今回は彼とホテルの部屋もシェアしているので,久しぶりにいろいろ話しています.

ビンガムトン・シンポジウムは毎年開催され,地形学の特定のトピックに関する招待講演を主体に構成されます.1970年が初回で,最初の10回はニューヨーク州立大学ビンガムトン校で開かれましたが,今はアメリカ各地を回っています.39回目の今回は河川堆積物が主題で,今の僕はあまり扱っていない内容です.でも,せっかく声をかけてもらったので,以前にやったシリアの話をまとめたものを本日発表をしました.あまり精緻な研究ではないので,場所のユニークさで勝負という感じでした.

例によって発表にジョークを少し入れました.

1)オースティンには初めて来ましたが,オースティン・パワーズは見ました.

2)ジョージ・ブッシュによるとシリアはひどい国ですが,僕は7回行き,とても好きです.でもテキサスでこれを話すのは,要注意です.

London, Stockholm, Paris, and Rome.
He'll swing right into your home.
Austin Powers, he's the man for you.
(Austin Powers / Wondermints)