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メサベルデ国立公園の岩窟住居

2015年07月31日 | 日記

メサベルデ国立公園はコロラド州のコーテズに近いところにある、
断崖をくりぬいて作ったアナサジ族(プエブロインディアン)の集落群です。

メサベルデというのはスペイン語で「緑の台地」という意味です。

公園内の最大規模の遺跡は「クリフパレス」といわれています。
200室ほどあり、一番高いところの高さは4階建てに相当するという。

  

全景をみるとこのようになっています。上は平らな緑の台地になっています。
その下の崖の部分をくりぬいて住居ができているのです。

  

リーフレットによるとつぎのような生活をしていたようです。
崖上の平らな台地で穀物等作ったり狩りをしていたようです。
  

その下の岩窟住居ではつぎのような日常生活が営まれていたのです。

  

前の広場の部分にはKiva という地下室がいくつかあったようです(上記を拡大)
地下から顔だけを見せています。

  

梯子を降りていくのです。狭いスペースです。リーフレットのとおりでした。

  

このリーフレットなどをみていると石器時代のようなイメージを持ちますが、
実際には、アナサジ族が住み始めたのはAD550年ころといいます。
最初は台地の部分に竪穴式のような家(Pit House)を建てて住んでいたようです。
岩窟住居にすむようになったのは1190~1270年です。
(日本でいえば鎌倉時代ですが、アメリカ西部の原住民の生活はこういう感じだったの
ですね。)
なぜ台地の住まいから断崖をくりぬいて住むようになったのか、その理由は、保安のため
とか、農耕に適したメサ(台地)を農耕のために優先させたなどいろいろ言われていますが、
はっきりとはわかっていません。

また、住居の大きさも標準というものはなく、要は場所に合わせて作っていたようです。
これは対岸に見えたものです。こじんまりとしているようです。

   

そして1300年にはこの地を捨てて移動したのですが、住まいを捨てることになった
理由もはっきりしないということです。
アナサジ族(Ancestral Pueblo)はこの地に700年ほど居住し、うち断崖住居
(Cliff Dwell)時代はわずか100年余です。
この地を捨てて南方、現在のアリゾナとかニューメキシコに住む同じ部族と合流した
と考えられているようです。

なお、ここは世界遺産に登録されていますが、グランドキャニオン(自然遺産)と異なり
文化遺産としての登録です。
「現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠」
という基準を満たしているというものです。