弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

メルケル独首相が慰安婦解決を促す

2015年03月11日 | 日記

メルケル首相は、やはり安倍首相とウクライナ危機について協議し、解決に向けて
連携を強化していくことになったとのこと。

あわせて、慰安婦問題について、安倍首相に対しては暗に、しかし岡田民主党代表
に対しては明確に「きちんと解決したほうがいい。和解がいい」と促したということです。

ニュルンベルグ裁判も東京裁判も戦勝者による一方的な裁判でその公正を批判する
声も多く、ある意味その通りだと思います。
特に、戦勝国のドレスデン爆撃や広島・長崎に対する原爆の投下などはどうなるのだと
いうものです。

ナチの犯した行為が弁解の余地のない残虐なものであることはそれほど異論ないと思います。
ただ、映画のニュルンベルグ裁判のように単に法律を適用しただけの裁判官に責任が
あるのかは疑問を呈する向きもあります。
しかしドイツはその前提のうえで、戦後処理をしてきました。 
ニュルンベルグ裁判には疑問を持つ国民も、自国が行ったナチに対する裁判については
ほとんどの国民は納得しているということです。

私は慰安婦問題について詳しくはないのですが、安倍首相を含め「謝罪」を否定はしていない
ようなのですが、「強制」があったかどうかについては見解がわかれています。
とすると何を「謝罪」したかです。

やはり、メルケル首相のいうように国家としての正式見解をまとめたほうがいいと思います。

慰安婦とされる人が「儲けたではないか」とか「意思に反するというような強制はない」などと
反論しますが、私の個人的な意見ですが、むしろ彼らが問題とするのは「軍が制度として行って
いた」ということではないかと思います。
そういう意味では、ナチドイツの裁判官に対するニュルンベルグ裁判の理論構成にちかいのでは
ないかと思う。
なお、その前提には第二次世界大戦は日本による侵略戦争だったという認識があるのだと
思います。

非常に難しい問題ですが、「歴代の首相の間で一定の理解が進んだ」というようなことではないと
思うし、「痛みを与えたほうは早く忘れたいが、受けたほうは容易に忘れられない」ものだからこそ
「受けた方を納得させるような」取組が必要なのだと思う。