弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

LAW&ORDERからみるアメリカ、シーズン20-1、戦争の影響

2012年02月05日 | Law&Order

アメリカは世界の警察と言われ、
世界の紛争地域に多くの兵士を送っています。
戦地は国外ですが、
こういうドラマをみていると、その被害は確実に国民に及んでいる
ことがわかります。
PTSDで苦しんでいる元軍人はたくさんいると聞いています。
また、予算の関係から、救済漏れも多いようです。

今回は、アルグレイブ刑務所の捕虜虐待事件で暴露された
人間の暗部について、もう一度考えさせるものでした。
ブッシュ政権からオバマ政権に変わり、アルブレイブやグアンタナモ基地
など旧政権から引き継いだ負の問題をどうするのかが
大きくクローズアップされていました。
そういう背景があってのものです。
このころ、またぞっとするような写真も公開されました。
アウシュビッツの悲劇は、大量虐殺という点で、例をみないほどの残虐性
があったのですが、行為という側面からみると、戦争には
いつも同じような残虐で非人間的なものがあるのですね。

政治家や政治の暗い部分にメスをいれたいというマッコイの執念は
再選後、ますます激しさを増してきたようです。
鬼気迫る雰囲気ですね。

カッターの最終弁論は力が入っていました。
戦争時の捕虜の扱いについての歴史を巧みに引用しながら、
指導者をいさめるのは国民の役割だとしめくくる論理は
心打たれるものがありました。

最高潮のしめくくり(おそらく評決は有罪だったと私は確信しますが)の
ところで連邦裁判所の停止命令でした。

アメリカの連邦裁判所と州の裁判所との関係はとても複雑です。
各地域に連邦の裁判所と州の裁判所があり、
それぞれが、地方裁判所、控訴審裁判所、最高裁判所があります。
連邦の最高裁判所はワシントンに一つしかないわけですが、
連邦の控訴審裁判所は各州に必ず一つはあるので、
州の控訴審の裁判所との関係はどうなっているのか、
単一国家の日本人には理解困難なところがあります。
今回の戦争や外交に関するものは連邦の専権事項です。
判例を調べるコニーにそんなものはないとマッコイがいうのは、
両裁判所の仕組みがそうなっているからです。

世界では戦争や内紛等で多くの人々が死んでいます。
国家間の紛争もなくなることはありません。

日本は平和ボケしているといわれますが、本当にそうだと思います。

とても重い、最後のシーズンの始まりでした。
国を敵に回して、マッコイ軍団は今後どのように進んでいくのでしょうか。

このシーズンも目を離せそうにありません。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    

オフィスの受付のお花です。やわらかいピンク基調になっています。
癒されてください。