mukojiisanのブログ

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二つの美術展

2017年05月07日 | 日記


5月6日雨 天王寺で開催されている二つの美術展を見に行った。
一つは 大阪市立美術館の 『木×仏像』ー飛鳥の仏から円空へー日本の木彫仏1000年 という美術展。
日本に仏教が伝来した飛鳥時代から江戸時代に至る木彫仏1000年の歴史を、その素材である「木」に注目してだどるというもの。
国宝をはじめ重文に指定されている見事な木の仏像を間近に見ることができ、興味深い展示会であった。

中でも目を引いたのが 「宝誌和尚(ほうしわじょう)立像」。
顔の真ん中が真っ二つに割れ、中から十一面観音菩薩像が表れている。
宝誌和尚とは中国南北朝時代の僧侶。梁(りょう)の武帝(ぶてい)が絵師に和尚の肖像を描くよう命じると、和尚の顔が割れて中の菩薩がどんどん変化するので、結局お顔を書く事が出来なかったとか。
不気味な感じもする仏像で、しばらくの間目が離せなかった。


次に行ったのはあべのハルカス美術館の『マテイスとルオー 友情五十年の物語』展。
二十世紀のフランス絵画の巨匠 マテイスとルオー。
マチスは色彩画家、ルオーは宗教画の画家として名声をとどろかせた二人の50年間にわたる手紙を紹介しながら、二人の140点に及ぶ作品を通して交流の軌跡をたどろうというものである。
手紙は ナチスに占領されたころの制限された芸術活動についての話など歴史を感じさせるものが多いが、晩年になると お互いの病気のことや治療・薬に関する情報が増えるなど お互いの健康を案じる内容が増えている。
第一次大戦、第二次大戦を歩む中で変化する二人の環境・画風と変わらぬ友情の歴史という見方の展示も面白い。